大流行しています。
去年も歴史的大流行だったのですが、今年はさらにすごい。
例年夏がピークなんですが、今年はすでに春先の頃から大流行の兆しがあり、夏には爆発するだろうなと予想されていました。
ニュースでも盛んに報じられているので、もう皆さんご存知ですよね。
ですがその結果、例によって誤った認識が蔓延しているため、毎年このネタは書いているのですがやはり説明しておきましょう。
手足口病は夏風邪の一つです。
なにかとんでもない感染症のような印象を持たれている方がおられますが、ただの風邪です。
夏風邪には他にもヘルパンギーナやプール熱(アデノ)などがありますが、手足口病を含めたこれら夏風邪に共通して言えることは、ウィルス感染ゆえ特効薬がないってこと。
ですが軽く済むことが多いので治療の必要はありません。
熱が出るとか、咳や鼻が出るようであれば、それに対する対症療法をするだけです。
稀に髄膜炎を合併するなんて知ったようなことを言う人がいますが、そもそも風邪である以上一定の確率で髄膜炎などを合併するのは当たり前のことであって、特別扱いするものではないのです。
感染力は強いのですが、基本的に風邪なので、手洗い・うがいといった一般的な予防法くらいしかありません。
何やらタオルを共有しないだとかプールはだめだとか特別扱いするような説明のされかたも見受けられますが、繰り返しますが基本的にただの風邪なので、普通に取り扱ってください。
そもそもそんなことしても感染するときは感染します。
感染しても軽症で済んでしまうので、怖がる必要はないのです。
最近は話題になってるせいか保育園の関係者も過敏になってて、1個でも水泡が見つかろうものなら大騒ぎして親を呼び出し小児科に行かせる・・・なんて真似をする無知な保育園があったりします。
そうやって当院に来られたお子さんを診て一言、
「ハイ、手足口病です」
で終わり。
何も処方しませんし、熱さえなくて食べれてれば明日から登園しても問題ないと説明します。
ママも「え?」って顔をされるので、この病気がただの軽い風邪であって治療法もなければ怖がる必要も全くなく、登園禁止疾患じゃないので熱がなくて食べれてて元気さえあれば堂々と登園して構わないと言って差し上げます。
そう、手足口病は登園禁止疾患ではないため、登園してはダメという決まりはありません。
何故登園禁止疾患にされていないかというと理由は2つ。
1.何をもって治癒したのか証明できない
手足口病特有の水泡が消失した後も、約10日くらいはウィルスを排出するとされています。
例えば水ぼうそうなんかは、水泡がかさぶたになった段階で感染力が無くなっていることが分かってるので、そこで登園許可をします。
登園禁止にした以上、感染の可能性がなくなった段階で登園許可を出さなければなりませんが、この手足口病は何をもって登園OKとしてよいのかの指標がないのです。
水泡が消えてもまだ感染力が残ってるからです。
2.そもそも登園禁止にするほどじゃない
再三繰り返しますが、単なる軽い夏風邪なんです。
治癒確認ができないという理由もありますが、そもそも気にするほど怖い感染症じゃないってことなんです。
鼻水垂らしている風邪を登園禁止にしないのと同じです。
もう何度も何度も繰り返しましょう。
ただの軽い夏風邪なんです。
なので特別騒ぐ必要性はまったくないわけです。
・・・って、こんな説明を毎日何十人にもしているわけですよ僕は・・・
親御さんが知らないのは仕方ないにしても、保育士さんにはこの程度の知識は持ってもらいたいものです。
なにやら保育士さんからやたら多数コメント来てますが、僕は「水泡たった1個で呼び出し」としか書いてないんですがねえ。。。