暑いと思えば、すぐに肌寒くなり、服装の調整が難しい今日この頃。

季節の変わり目に風邪をひかないように気をつけねば！

さて、今日は昔からまことしやかに囁かれているとある迷信についてのお話です。

「成長期に筋トレをして、筋肉をつけ過ぎると背が伸びなくなる」

この記事を読んでいる皆さんも、一度はこういった話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、これは科学的な根拠のない全くのデマです。

私は職業柄、この迷信について誤解をしている人に説明する機会があります。

中には、保育に携わる職業の方でも間違った認識をされていることが少なくはありません。

成長期の子どもやその親に対して、間違った認識を広めないためにも、この機会にまとめてお伝えしようと思います。

もし、筋トレにより、身体の成長が阻害されることがあるとすれば、その原因は筋ではなく骨です。

骨の成長は、末端にある骨端線より先の軟骨部分が伸びることによって生じます。

大人になると、骨の伸長が止まるのはこの骨端部の軟骨が硬くなり、完全な骨になるからです。

軟骨部分が硬くなると、骨端線も消えます。これが大人の骨になった証拠なのです。

ダンベルやバーベル等を使用し、自分の体重を超えるような大きな負荷でウエイトトレーニングを行うと、骨端部を圧迫するように負担がかかり、軟骨部分が損傷し、骨の成長に支障が出る可能性はあります。

しかし、自分の体重(自重)のみを利用し、過度な負担を避ければ、筋トレだけで障害に発展するケースは考えにくいでしょう。

幼児が10回、20回、腕立て伏せをしたくらいで、「背が伸びなくなる」というのは大袈裟すぎるのです。

むしろ、筋トレをすることによって成長ホルモンの分泌が促進され、身長が伸びやすくなる可能性もあります。

かといって、幼いうちから「腕立て伏せ100回！」といった大人と同様の自重トレーニングをさせるべきなのかというと、それも少し違うような気がします。

これは個人的な見解ですが、少なくとも小学校低学年くらいまでの子どもには、回数でボリュームを稼ぐトレーニング手法はあまり効率的ではないと考えています。

この年代の子どもは、大人のようには筋肉が太くなりにくいので、同じメニューをひたすら行うというよりも、少ない回数で色んなトレーニングを実施し、運動による刺激を変え、神経系の発達を促すことが重要です。

私が教えているスポーツクラブの小学生クラス、スタジオAKZAのキッズクラスでも、練習の前後に「補強運動」と称した筋トレを実施しています。

そこでも、短い時間で各10～20回ほどのトレーニングを部位や体の動かし方を変えて数種類実施しています。

スポーツを上達するためはもちろんのこと、安全に生活する上でも、自分の身体をコントロールする筋力の獲得は大切だと思います。

身体を鍛えれば、「できる」「動く」という自信が生まれるので、心の成長にもつながります。

今後、このブログでも、子どもができるトレーニングを紹介していきたいと考えているので、その時は是非ご家庭でもお試しください。

アリーヴェデルチ。

「筋肉をつけると背が伸びなくなる」という迷信