株式会社三橋貴明事務所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから

三橋貴明のツイッター  はこちら

人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 チャンネルAJER更新しました。
『現実を説明しない経済学①』三橋貴明 AJER2012.9.25(1)

http://www.youtube.com/watch?v=ZN91yrnvjJY

『現実を説明しない経済学②』三橋貴明 AJER2012.9.25(2)

http://www.youtube.com/watch?v=ftKTHWAlP_c

ガンガン行きますよっ!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 ワック社「図解 それでも、日本経済が世界最強という真実 」がまたもや増刷になりました。

これで第九刷になります。


 え? と思った記事です。(情報提供TN様)


『2012年10月4日 日本経済新聞「財務省、世銀に防災の重視を提案へ 」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0301D_T01C12A0EE8000/
 財務省は9~10日に世界銀行と共催する会議(仙台市)で「防災」を経済活動に影響を及ぼす重要な分野として認定するよう世銀に提案する。13日に開く世銀・国際通貨基金(IMF)の合同開発委員会で、共同声明に盛り込む方向だ。途上国を対象に防災を目的とした開発に低利融資することを世銀は検討する。
 世銀では気候変動など、これまで経済活動に直接影響しないとされてきた分野についても、途上国を支援する際に重視してきた。今回の会議で防災を支援対象に含める。
 日本政府は仙台市の会議で途上国の財務・金融当局者に、東日本大震災の被災地を案内する。 防潮堤の機能を備えた高速道路を紹介し、防災と経済活動を組み合わせた具体的な取り組みとして紹介する。』


「防潮堤の機能を備えた高速道路を紹介し、防災と経済活動を組み合わせた具体的な取り組みとて紹介する」

 お、お、お前が・・・・・・。いや、やめておきましょう。


 財務省が「防災」を重視する路線に転換を始めたということは、恐らく「政権交代」を折り込み始めたのではないかと思います。どの政党への政権交代かと言えば、もちろん国土強靭化を声高に訴えている政党です。


 というか、財務省には是非、同じことを国内のマスコミにも言わせてほしいものです。昨日の北村さまからのご投稿にもありましたが、
 内閣府は8月29日に、
『「南海トラフ巨大地震」=死者32万人以上、全壊238万棟以上、被害総額900兆円』
 という、思わず気を失いたくなるほどの予想を発表したのです(河田恵昭座長談話)。


 上記は南海トラフ巨大地震(東海、東南海、南海地震の連動)のみであり、これとは別に我が国は首都直下型地震という危険に直面しています。この種の「来たるべき国難」に備えようと「防災のための公共投資を拡大しよう」と言うと、
「コンクリートから人への理念はどうなった!」
「公共事業はムダ!」
「土建屋やゼネコンがどうたらこうたら!」
「政治家の汚職が!」
 などと、百年一日の如く同じ言説を繰り返し、国民を危険にさらそうとしている人たちがこの国に少なくないわけです。彼らは言論人でも評論家でも政治家でも「識者」でもジャーナリストでも何でもなく、思考停止に陥ったただの人殺しです。


 とはいえ、心ある日本国民や政治家が動き始めたおかげで、間違いなく我が国は「正常化」への道を進み始めています。この流れを加速するべく、今後も頑張っていきたいと思っています。


 本日のご投稿は「みぬさ よりかず」様より、レーガノミックスについてです。


レーガン政権は本当に新自由主義だったのか?(みぬさ よりかず)
 アメリカのレーガン政権は、新自由主義的な政策を始めた政権として認識されています。
 ベトナム戦争やオイルショック等で、落ち目になったアメリカ経済を立て直し、東西冷戦を終わらせた功績等により、レーガンは歴代の米大統領の中でも高い評価を受けています。
 基本的に彼の政策は、新自由主義的な色合いが強いと思いますが、実際の政策は多面的であり、実は彼の功績の多くは、むしろ新自由主義的では無いところが大きいと考えています。一般的に評価されている事以外の要因に光を当てるのも、デフレに苦しむ日本経済へのヒントになるのではないでしょうか?


 米大統領のロナルド・レーガンが初めて日本のメディアに登場したのは、三十数年前、今は懐かしい元祖親米保守の竹村真一氏の番組に彼がゲストとして登場した時でした。この番組は大変豪華なメンバーで、アシスタントが小池百合子氏、レーガン氏と共に番組に出演したのが、石原慎太郎氏でした。


 その時、レーガン氏は、石原氏にアメリカ大統領になるかも知れない人物として紹介されていました。今で言えば、ロムニーあたりが平日午前中の情報番組に出演するようなものですから、当時のTV番組の方が、今より「ぐろーばる化」していたのかも知れません。


 彼が後日、本当に大統領になった時の触れ込みは、税金の無駄を無くす、小さな政府を作るというものでした。が、数年経った時の印象は、景気対策として大型減税をしたり、米ソ冷戦に勝利すべく、軍備の大幅増強やインフラのメンテナンスなどの公共投資を行った結果、アメリカ経済は回復しましたが、政府の負債は一向に減らず、輸入が増えて貿易赤字が拡大するという、いわゆる双子の赤字に悩まされるという状況だったと思います。


 少なくともレーガン大統領は、小さな政府を実現する為に、政府出費を減らして財政赤字を削減したり、増税などを考えている雰囲気は微塵も感じられませんでした。対する日本では、大平首相が、売上税導入を叫んで選挙で負けたり、鈴木善幸首相が、財政赤字の問題で退陣したりと、大騒ぎしていたのと対照的でした。


 この疑問は、レーガン大統領の支持母体といっても良い、ある政治運動を知ることにより氷解したのですが、レーガンは70年代にカルフォルニア州で起きた「反税運動」と言うムーブメントに乗っかって大統領になった人物だったのです。この反税運動というのは、大変面白い実にアメリカ的な政治運動だと思います。


 簡単にまとめると、政府が税金を無駄使いするのは、政府に無駄な税収が有るからで、税金が政府に入らなければ、無駄使いをしようにも出来ない。あるいは、税収が少なければ、税金の無駄遣いもそれに比例して小さくなるという、いわば子供がお小遣いの無駄使いをするから、お小遣いそのものを減らしてしまおうという発想なのです。


 日本人の感覚からすると全く逆の発想になると思います。


 さらに言うと、その結果、仮に政府の負債が増えようが、納税者には何の関係もなく、それは政府の責任で有り国民は知った事ではない!という過激な理論なのです。


 政府の負債は毎年増え続けても、反税運動によって大統領になったレーガンにとっては、あまり深刻な問題ではなく、結果として政府の負債は対GDP比のバランスの中で考えるしかなくなるという、経済政策と偶然一致してしまったと考えられます。


 そして、もう一つの側面として、アメリカの保守主義的な発想として捉える事も出来ます。考えてみれば、アメリカ合衆国とはボストン茶会事件などに見られるように、元々イギリス国王に対して納税を拒否した人びとが作った国です。つまりアメリカの建国の理念とは、自由でも平等でも無く、国家に対して税金を払いたくない人びとが作った反税国家というのが、本質なのです。


 例えば、日本で保守的に見えることとは、皇室を敬うとか、靖国神社に参拝するなどが典型だと思いますが、同じようにアメリカでは、減税する、税金を安くするなどの政策が、とても保守的に見える国なのです。


 これは例えば消費税についてもヒントになるわけで、日本では常に欧州諸国との比較ばかりされますが、アメリカでは連邦政府レベルでの消費税が、全く導入されていないという点が見逃されています。アメリカ革命の本質が、反税である以上、全ての国民から徴収するという発想の、逆進的な税制である消費税の導入は、連邦政府ではあり得ないと思います。


 そして、アメリカ合衆国の成長の原動力とは、実は、この反税・保守にあるのではないでしょうか?


 人類史上、税が高くて繁栄した国はありません。ローマ帝国は、絶頂期には税が低く、衰退期には、重税に悩まされました。アメリカの繁栄の特徴は、税金に対する反発が、国家成立のDNAに組み込まれていることです。これは一種のアナーキズムだと思うのですが、これが保守と結びついているのが、アメリカの強みなのです。


 さらに、これは偶然だと思いますが、アメリカの政府の負債の考え方の健全性と結びついています。その意味で、この半世紀を振り返って最も保守的だったと思われるレーガン政権でアメリカ経済が復活したのは、当然の事だと思います。少なくとも、レーガン政権のブレーンの意思とは裏腹に、新自由主義とレーガン政権の功績は無関係と見ることも可能なのです。』


 みぬさ よりかず様、ありがとうございました。
 明日からは普通の更新に戻ります。




「それにしても財務省、一体どうしたんだ?」と思われた方は、↓このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog


三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇ポルパパのブログ
投資と車と日々の起業家日記
管理人:ポルパパさん

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇おじさんの談話室
経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座!


日本経済復活の会
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
「三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート」 
本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧はこちらです。