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『いわゆる国の借金①』三橋貴明 AJER2014.9.23(3)
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一般参加可能な講演会のお知らせ
2014/11/04 『Voice』特別シンポジウム「2015年の安倍政権を占う」
小浜逸郎氏、藤井聡氏、三橋貴明氏、柴山桂太氏が安倍政権の経済政策を斬る! http://voice.peatix.com/
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IMF(国際通貨基金)が、
「先進国だけで1兆ドル(約110兆円)の「需要不足」を抱える」
と、極めて重要な事実を指摘してから、そろそろ一か月が経とうとしています。渡邊哲也氏がよく指摘していますが、IMFとは要するに「アメリカ」です。
どこで聞いたのか忘れてしまいましたが、アメリカの学者は、
「環境に応じて、論調を変えることで評価される」
そうでございます。まあ、全部が全部そうだとは思いませんが、ポール・クルーグマン教授などを見ていると、確かに日本の学者と比べると環境変化への適応力が高く見えます。
アメリカ政府も、同じなのでしょうか。
少なくとも、政府の政治家は学者よりも環境変化への適応力を持っていなければ、その国は立ち行かないでしょう。政治の世界を見ても、やはりアメリカの政治家は日本の政治家と比べて(少なくとも指導層は)適応力が高いように感じられるわけです。もちろん、悪い方に変わるケースも過去には多々ありましたが。
わたくしは、別に反米でも何でもありません。それどころか、アメリカの政治家や指導層の「国益」や「安全保障」を追求する姿勢については、心から尊敬しています。無論、昨今はウォール街に代表される「企業」のロビー活動が凄まじく、「アメリカ国民」のための政治が行われないケースも目にしますが。
「とにかく、アメリカは素晴らしい。アメリカを全面的に見習うべき」
といった感覚の持ち主を「親米」と表現するのであれば、もちろんわたくしは親米家でも何でもありません。
それはともかく、アメリカの財務長官やIMFが、世界経済の問題の根幹を「需要不足」と認識し始めていることは、これは世界にとっていいことだと思います。
『米財務長官、通貨安競争の回避と世界の需要押し上げを要請
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKCN0HZ2C620141010
ルー米財務長官は10日、世界の需要押し上げに注力するよう世界各国の首脳に求めた。さらに、景気や財政状況が堅調な国々に対し、成長支援に向け一段の措置を講じるよう要請した。また為替相場について、主要国は競争的な通貨切り下げを回避するという合意を順守する必要があると訴えた。
ルー長官は国際通貨金融委員会(IMFC)への声明で 「弱い需要の伸びは、多くの国で見られる慢性的な経済不振の元凶だ」と指摘した。
そのうえで、成長支援は「とりわけ、対外収支が黒字で、財政が世界の調整を支援できる柔軟な状況である国に課された義務だ」と強調した。ドイツを念頭に置いた発言とみられる。
その一方で「より力強い成長を実現するために需要と供給面の改革を同時に進める必要がある」として、欧州の国々は経済の生産性を改善する必要があると指摘した。
日本については、日銀がデフレサイクルを解消しつつあり、日本は慎重に財政健全化のペースを調整する必要があるとの見解を示した。
また、中国は市場が決定する為替相場への移行と金融部門リスクへの対処が不可欠と語った。』
より細かく書くと、ルー財務長官は、9月10日の国際通貨金融委員会において、日本について以下の通り語っています。
「日銀の金融政策はデフレ脱却と経済成長を支えている。しかしながら、政策当局者は財政再建のペースを慎重に調整し、成長を加速させるような構造改革が求められる」
何で「構造改革」なのか、という話は置いておいて、とりあえずルー財務長官は日本の政策当局者に、
「財政再建のペースを慎重に調整するべき」
と、まことにもっともなことを言っているのです。要するに、消費税再増税の問題です。
また、IMFCの声明では、各国の財政出動について、
「成長と雇用創出を支援するために、国内総生産(GDP)比で持続可能な範囲で柔軟に実行すべき」
と、提言しています。
消費税増税について、
「国際公約だから」
などと、意味不明なことを平気で口にする政治家や官僚がいます。そもそも、消費税増税は純然たる我が国の「内政問題」ですから、本当に「国際公約」とやらが日本に増税を求めていたとしたら、それは内政干渉という話になります。いつから我が国は、国内問題である「税制」について、外国「様」に従うような国に成り果てたのですか。
無論、増税推進派の官僚や政治家が、国民を黙らせるために「国際公約」というレトリックを使っているに過ぎません。
そんなことを言うならば、IMFCやアメリカは、我が国に「財政再建のペースを慎重に調整するべき(=消費税増税の延期、凍結)」さらに「財政出動で成長と雇用創出を支援するべき」と言っているわけです。
ガイコクガー、アメリカガー、コクサイコウヤクガー、などと、属国根性丸出しで増税を推進しようとしている人は、アメリカやIMFの要望についても「襟を正して」応えてくれるのでしょうね、きっと。
いずれにせよ、アメリカやIMFが何を言おうとも、我が国は消費税再増税を凍結し、失速した景気を持ち直させるための緊急経済対策を実施するべきなのは言うまでもありません。
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