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『ギリシャと地方創生①』三橋貴明 AJER2015.6.16
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応援ありがとうございます。
美しく晴れ渡った酒田市から飛行機で戻ってみれば、ガチ梅雨状態の東京でございます。
上海総合株価指数が相も変わらず-5.9%とド派手な下落を続けていますが、想定の範囲内でございます。前にも書きましたが、3000ポイントを切ってからが勝負です。あれ? 2000ポイントでしたっけ? まあ、どちらでも構わないんですが。
相も変わらずといえば、日本国内のギリシャ問題に関する報道が相も変わらず、
「ギリシャ人は怠け者で、公務員だらけで、財政赤字を膨らませたから破綻した!」
といった嘘八百が流れておりますので、訂正しておきたいと思います。
ギリシャ人の労働時間は、OECD諸国の中では最長です。ドイツ人はもちろんのこと、日本人よりも多いのです。
そして、2014年のギリシャ政府はプライマリーバランス(基礎的財政収支)が黒字化していました。
さらに、パパンドレウ政権までのギリシャの公務員数が妙に多かったのは確かですが、今は激減し、主要先進国の中では「日本に次いで」少なくなっています。
【主要先進国の公務員対労働人口比率(%)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#OECD
ギリシャ問題については、当ブログ以外では以下の記事がかなり適切かと存じます。
『【オピニオン】ギリシャ危機、金融メディアが語らない10のこと
http://jp.wsj.com/articles/SB1046892646275467470810458108512138
ギリシャ人たちが危機に陥っているのは、彼らが怠け者で借金を踏み倒す連中だからだ、というのは正しいか?
結局のところ、彼らは1年に10カ月間しか働かず、14カ月分の支払いを受け取っている。25歳で引退し、カフェにたむろしてウーゾ(アニスの香りがするギリシャの蒸留酒)をあおっている。ドイツからの施しで生活し、税金をごまかす。欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のトロイカが繰り返し支援しようとしたが、彼らは聞く耳をもたない。そして今や、極端なリベラルに走り、借り入れたカネをびた一文返そうとしない。
それは正しいか?
全く正しくない。
ギリシャ危機について皆さんが教えられているほとんどあらゆるものは、完全なたわごとである。以下はその理由だ。
1.ギリシャ人は既に要請されている以上に緊縮している。(後略)』9238598
WSJの記事でブレット・アレンズは「1」以外にも、以下のポイントを挙げていました。
2.本当の問題はトロイカの薬が効かなかったということだ。
3.引用される「専門家」の発言は、皆バイアスがかかっている。
4.ギリシャは既に破局している。
5.国というものは、財政緊縮でマネーを「創出」できない。
6.本当は、ギリシャのドラクマ再導入は極めて容易だ。
7.本当は、ユーロ無しでもギリシャはやっていける。
8.ギリシャだけがこの危機の原因だったのではない。
9.パニックになるな。
10.トロイカの提案する「治療薬」は無意味だ。
全て、正しいと思います。
上記が「事実」であるにも関わらず、なぜ、
「ギリシャ人は怠け者で、公務員だらけで、財政赤字を膨らませたから破綻した!」
のようなウソが蔓延するのか。もちろん、緊縮財政を正当化するためです。日本の場合は、
「ギリシャは破綻した。日本も破綻する。だから、緊縮財政」
という、陳腐なレトリックが相も変わらず報道されています。この手の「ウソ」からいい加減に目覚めなければ、日本もギリシャも経済の縮小と国民の貧困化から逃れられません。
というわけで、皆様もギリシャについて「ウソ」を語っていたり、書いたりしている人を見かけたら、容赦なく「ギリシャの真実」を教えて差し上げて下さいませ。
「国民を貧困化させる緊縮財政に反対する!」に、ご賛同下さる方は、
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