株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『2016年第一四半期を振り返る(前篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.19(9)

https://youtu.be/ZSEfc-5PXhY
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 亡国の特命員会こと、木村義雄参院議員が委員長を務める自民党の「労働力確保に関する特命委員会」が動き出しました。


自民特命委、介護・旅館・農業で外国人受け入れ提言へ=関係者
http://jp.reuters.com/article/ldp-foreign-worker-idJPKCN0XJ0X6
 自民党の「労働力確保に関する特命委員会」は、介護、旅館、農業の分野で外国人を労働力として受け入れるよう政府に提言する。自民党関係者が22日、ロイターに明らかにした。提言では「移民政策」ではないことを明記し、入国時に日本滞在の期間を定めるとする。 
 来週にも特命委員会を開催し、提言の原案を議論。その結果を踏まえ、連休明けにも最終的に提言をまとめる。
 取りまとめを目指している提言では、これまで様々な解釈で理解されていた「移民」という言葉について「日本入国時に滞在の期間が決まっているかどうか」という判断基準を提示
 期間を定めた受け入れ方法を採るスタンスを明確にした。ただ、滞在中に期間の更新や永住権取得の可能性も残す
 受け入れ職種については3分野に限定せず、介護、旅館、農業など労働力が必要な分野として幅を広げ、人材が必要となった分野で活用できるようにする。
 これらの分野では、これまで「技能実習」という形で実質的に外国人が労働に従事していたが、あくまでも実習のためで「労働力」として受け入れられてはいなかった。今回は「正面から労働力としての外国人受け入れに取り組む」(関係者)よう提言する。数値目標は定めないが、なんらかの量的水準を「におわせるような」(同)表現を盛り込むという。
 研究者や経営者など、高度人材の活用については提言の対象とせず、建設分野も技能実習制度による受け入れ拡大を含む見直し法案が国会で現在審議されているため、特命委の提言には盛り込まない。
 高度人材と対照的な概念として使われていたものの、これまで定義があ
いまいだった「単純労働」という言葉も、今後使わないよう提言に盛り込むとしている。』


 非常に姑息なのですが、「移民」という言葉について、国連人口部定義の、
「出生あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人」
 ではなく、勝手に、
「日本入国時に滞在の期間が決まっていない外国人」
 と定義し、
滞在期間が定まっている外国人は移民ではない」
 という強弁
で乗り切り、移民を大々的に受け入れようとしています。しかも、滞在中の期間更新や永住権取得ができるのでは、これは実質的にも名目的にも、外国移民受入政策です。


 賭けてもいいですが、今回の熊本・大分地震も、移民受入に「活用」されることになります。復興のためには、人手が必要だ。だから、外国人労働者の受け入れも仕方がない、といった無責任発言を、政治家が平気で口にする国なのです、我が国は。

 本当に情けないのですが、木村参議院をはじめ、亡国の特命委員会の委員たちの頭は「18世紀以前」のままです。何しろ、経済成長は「生産者の数」の増加によって成し遂げられると、産業革命前の発想で政治をやっているのです。


 モノやサービスの生産という経済活動に投じられるリソースが「土地」と「労働」のみだった産業革命前はともかく、産業革命後の「資本主義」の世界では、経済活動の大きさ(GDP)は「資本」」「技術」「労働」で決まります。と言いますか、労働(生産者の数)が一定だったとしても、資本や技術におカネが投じられ、生産者一人当たりの生産が増えることで経済成長するのが資本主義なのです。


 需要を満たすための供給能力は、以下の式で決定されます。


◆供給能力 = 生産者数 x 生産性


 そして、生産者数ではなく「生産性」を高めて供給能力を引き上げ、需要を満たすことこそが「資本主義」の基本なのです。そうすることで、生産者一人当たりの生産が増え、イコール生産者一人当たりの所得が拡大していくことになります。


 すなわち、国民が豊かになっていくのです。

 そんなことは「当たり前」なのですが、木村参議院を代表株とする「産業革命前の人たち」は、人手不足の対応策として「外国人受け入れ」を提言してきます。人手不足の対応策は、生産性向上以外にはあり得ず、しかも安倍祖政権は「未来投資による生産性革命の実現」などと、それっぽいことは言っておきながら、バリバリと外国移民を受け入れようとしているわけです。


 この手の動きに対抗するためには、レトリックが極めて重要になります。一般の人は、
「生産年齢人口が減っていくのだから、外国人を受け入れなければならない」
 といった、間違ったレトリックに、なかなか抗えません。真実は、
「生産年齢人口比率が下がり、人手不足が深刻化するならば、生産性を高める投資をすればいい。そうすることで国民は豊かになり、経済は大きく成長する。何しろ、高度成長期がそうだった
 なのですが、そもそも一般人のほとんどは「生産性」について正しく理解していません。生産性を上げるための資本や技術への投資こそが、「資本主義」の原点であることも知らないでしょう。

 逆に言えば、上記の「資本主義」の基本を国民の多くが理解することで初めて、我が国は外国移民を拒否し、生産性向上という正しい道を邁進できます。「資本主義」の基本を、知って下さい。

 日本国は資本主義の基本に立ち返ることで、経済成長できます。人手不足下の投資こそが、経済成長をもたらすのです。


 我が国に外国移民は必要ありません。


「我が国に外国移民は必要ない」に、ご賛同下さる方は、
このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキング
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。 新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


◆三橋貴明関連情報
Klugにて
「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。