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『ブレグジット①』三橋貴明 AJER2016.7.5
https://youtu.be/7L948lnMpRc

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 本日は参議院選挙投票日です。
 わたくしは、19時からチャンネル桜「チャンネル桜 ネット生放送 参議院選挙特番」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/1591.html


参院選、全国で投票始まる 121人が改選
http://www.asahi.com/articles/ASJ763F4RJ76UTFK001.html
 第24回参議院選挙は10日の投票日を迎え、午前7時から全国で投票が始まった。締め切りは原則として午後8時で、即日開票される。
 任期6年の参院議員の半分にあたる121人が改選される。候補者数は389人で、うち各都道府県を基本とする45の選挙区(改選数73)で225人、全国にまたがる比例区(改選数48)で164人。
 国政選挙ではこの参院選から、20歳以上だった選挙権年齢が18歳以上に引き下げられている。』


 日本のマスコミが本当に愚かしいのは、民主主義を礼賛しつつ、同時にグローバリズム万歳をやっているところです。

 民主主義とは、「国民主権」とイコールになります。国民が投票という形で主権を行使し、自国の政策を決定するのが民主主義です。


 そして、グローバリズムは「国際協定」により、ビジネス(経営)の三要素であるモノ、ヒト、カネの国境を越えた移動を自由化し、かつ「固定化」しようとします。EUに代表される国際協定に加盟した国の国民は、モノ、ヒト、カネの国境を越えた移動を制限する「主権」を失うことになります。

 6月23日のイギリス国民投票は、まさに上記「主権」の問題だったのです。


 イギリス国民は、EUに加盟しているため、特に問題になっている「外国移民」について主権を行使することができませんでした。すなわち、民主主義が制限されていたわけです。


 EU加盟国は、マーストリヒト条約により、
「労働者の移動は制限してはならない」
 と、されています。国際協定は法律の上に位置しますので、イギリス国民はどれだけ主権を行使しようとしても、EU加盟国からの移民を制限することはできませんでした。

 昨日の有料メルマガ「週刊三橋貴明 Vol372 イギリスの生産性はなぜ停滞したのか? 」で詳しく解説しましたが、イギリスの時間当たり労働生産性は、2006年頃から全く伸びなくなってしまいました(それまでは、着実に上昇していたのです)。


 イギリス経済自体は、実質値でも成長していたのですが、生産性は横ばいが続きました。タイミング的に、東欧諸国のEU加盟と、イギリスへの移民流入が関係していることは疑いありません。

 ピークの2006年から2010年にかけ、イギリスの移民「純」流入数は150万を超えました。年平均、30万の「外国人労働者」がイギリスに入り続けたわけです。とはいえ、イギリスがEUに加盟している限り、東欧からの外国人労働者の奔流を防ぐことはできませんでした。

 EUに限らず、グローバリズムを目指す国際協定は「主権制限」になります。TPPにしても、関税について、
「第二・四条 関税の撤廃
1.いずれの締約国も、この協定に別段の定めがある場合を除くほか、原産品について、現行の関税を引き上げ、又は新たな関税を採用してはならない
 と書かれているため、TPP発効後の我が国は、TPP加盟国に対し関税を引き上げる、あるいは関税を設定することはできなくなります。国民がどれだけ「関税」を求め、一票を投じたとしても不可能です。


 グローバリズムについて正しく理解すると、「民主主義」と「グローバリズム」を同時に礼賛している国内マスコミが、いかに低レベルかが分かります。グローバリズムとは「主権の制限」であり、民主主義の否定なのです。

 ちなみに、わたくしは別に「民主主義は常に善である」などと言いたいわけでは全くありません。グローバリズムと民主主義は相反するものであり、両者を同時に礼賛することは「黒は白である」と言っているも同然という真実を知ってほしいのです。


 もっとも、日本国民の多くは思考停止的に、
「民主主義は素晴らしい」
「グローバリズムは素晴らしい」
 と、同時に思っているでしょう。


 本日は参議院選挙です。グローバリズムの究極の姿とは、本日投じる一票が「無意味(現在のイギリスのケース)」と化すか、もしくは「投票する機会がない(イギリス領インド帝国のケース)」のいずれかなのでございます。上記を理解したとき、皆さんが投じる「一票」の重みを改めて感じることができるはずです。


本日のエントリーで「民主主義」について改めて考えて下さった方は 

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