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『若年層失業率が世界主要国最低の国①』三橋貴明 AJER2016.9.27
https://youtu.be/4EupfftcyPY
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経済界「あなたの常識を論破する経済学 」が増刷になりました。ありがとうございます。
さて、そろそろわたくしは、我が国は「五輪」を開催するような資格がないのではないかとの、疑念を持ち始めています。
理由はもちろん、国民の「緊縮思考」です。厳密には、緊縮的な政策を打てば打つほど、世間的に受けてしまうというこの「空気」です。
『五輪会場計画見直し 小池知事 提案実現に向け取り組み
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160930/k10010712131000.html
東京都の小池知事は、オリンピックの予算などを検証している都の調査チームが、競技会場を都外の施設へ変更するなど計画の大幅な見直しを提案したことを受けて、ボートやカヌーの会場をめぐり宮城県の村井知事と会談するなど調整を始めていて、提案の実現に向けた取り組みを進めることにしています。
東京オリンピック・パラリンピックの予算などを検証している都の調査チームは29日、開催費用を独自に推計した結果、3兆円を超えるとしたうえで、コスト削減に向け、都内に整備する予定の3つの競技会場を都外の施設に変更するなど、計画の大幅な見直しを提案しました。(後略)』
五輪開催費用が3兆円。これが全て消費や投資に回ると仮定すると、日本のGDPが最低でも0.6%増えるわけです。結構なことではないですか。
GDPが0.6%増えると聞いてもピンと来ない方には、
「皆さんの所得の合計が0.6%増える」
では、いかがでしょうか。
わたくしたちは生産者として働き、モノやサービスを生産。お客さんに消費、投資として支出をしてもらう(=買ってもらう)ことで所得を得ます。誰かがお金を使わないと、皆さんの所得は生まれません。
すなわち、給与が発生しません。
誰かがお金を使うのを削ると、皆さんの給与が減ります。
この当たり前の事実すら認識せず、自分たちがデフレ環境下で節約に努めているからと言って、ルサンチマンを貯め込んだ国民が、通貨発行権を持つ日本政府や、日本で最も貯蓄がある自治体、東京都に対しても、
「無駄な支出をするな!」
と、緊縮を求める。結果、自らの所得を減らす。つまりは、貧乏になっていく。
愚民、以外に表現のしようがありません。
無論、例えば東京五輪向けの3兆円が、単なる所得移転&誰かの貯蓄に回ってしまうのであれば、まあ「無駄な支出」と呼んでも構わないかも知れません。とはいえ、実際には五輪に向けたインフラを整備する「民間企業」の売上になり、働く生産者に給与として所得が分配され、次なる消費や投資が生まれ、別の誰かの所得が生まれるのです。
無論、東京五輪向けのインフラ整備の支出がなされたところで、皆さん個人の所得は短期で増えないかも知れません。とはいえ、インフラ整備という「需要創出」でデフレギャップが解消に向かい、日本経済がデフレから脱却すれば、いずれは皆さんの所得にも好影響を及ぼすのです。
誰かがお金を使わない限り、誰かの所得は生まれない。
この当たり前の事実すら認識せず、テレビのワイドショーで、小池知事が調査チームの提言を受け、
「ロンドン大会でも2年前に計画が覆った例もある。IOC=国際オリンピック委員会などが錦の御旗になっているときもあり、信頼を失わない範囲でトライする価値はある」
と、発言したのを見て、
「小池、やるじゃん!」
「小池、いいぞ! もっと無駄な出費を削れ!」
などと拍手喝采する。
結果、日本経済に必要な需要創出が絞られ、貧相な五輪を開催し、世界に恥をさらし、さらにはデフレ長期化で国民がますます貧乏になる。
貧乏になった国民は、さらなるルサンチマンを蓄積し、「金を使うな!」「無駄を削れ!」などと自分の首を絞めていく。
我が国は、愚民国家になり果ててしまったのでしょうか。
「緊縮的な五輪会場計画見直しに反対する!」に、ご賛同下さる方は、
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