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『世界の歴史はイギリスから動く①』三橋貴明 AJER2016.10.25
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一般参加可能な講演会のお知らせ。
11月18日(金) 平成28年度 東ト協ロジ研第2回オープンセミナー
限定二十五名様のみ、弊社からお申し込み可能です。
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政経電論2016年11月号に連載「三橋貴明が説く 今さら聞けない経済学 日銀"総括"の矛盾 デフレ脱却は可能か?」が掲載されました。
http://seikeidenron.jp/mitsuhashi/20161110_column_mitsuhashi.html
さて、大統領選挙期間中は、
「(不法移民の流入防止のために)メキシコとの国境に「万里の長城」を建設し、メキシコにその費用を払わせる。」
「米当局が事態を把握できるまでの間、イスラム教徒をアメリカ入国禁止にすべきだ」
などと、無茶苦茶を言い、ヒラリー・クリントンに罵詈雑言を浴びせていたドナルド・トランプですが、当選後の勝利宣言の場では、
「クリントン氏は我が国のために一生懸命働いてくれた。アメリカは分裂の傷を縫合し、今こそ共和党、民主党、独立系みんなが一丸となって前進するときだ」
「すべてのアメリカ人のために大統領として働くことを私は誓う」
「国民が一緒に努力し、国を再建し、アメリカンドリームを実現することは早急の課題だ」
と、アメリカを「一つにする」ことを目指すと宣言しました.。
わたくしはトランプの演説をテレビで見ていたのですが、まるで人が違ったような印象を覚え、驚きました。
さらに、重要だと思うのは、トランプは勝利宣言の短い演説の中で、
「都市部のスラム化した地域を整備し、高速道路や橋、トンネル、空港、学校、病院などのインフラを整備することは最重要課題だ。そのために何百万人という労働力を投入する」
と、まさしく日本でも必要とされている「インフラ整備」について言及している点です。
元々、トランプ陣営は大統領選挙に勝利した場合、今後十年間で1兆ドル(約105兆円)を支出する公共投資の実施を計画していることが報じられています。
トランプの公共投資案は、陣営の経済顧問でカリフォルニア大アーバイン校の経済学者らが中心となり、計画案策定を進めているもので、道路工事などに3千億ドル、その他のインフラ工事などに7千億ドルを投じることで、老朽化が目立っている国内の公共基盤の再整備を行い、同時に雇用の創出するというものになります。
率直に書きますが、真っ当だと思います。と言いますか、アメリカの経済規模を考えると「少ないのでは?」と思ってしまいましたが。
ちなみに、「財政」について、トランプは今年5月13日の時点で、
「米国政府なのだから、まずデフォルトになることはあり得ない。紙幣を印刷すればいいだけの話だろう」
と、言い方はともかく、事実としては正しい認識を示しています。
アメリカ政府がデフォルト(財政破綻)するなど、ありえません。普通に「金融政策+財政政策」により、国内のインフラを整備し、雇用を創出する。アベノミクス初期を思い出せばわかりますが、財金ポリシーミックスという政策は、あくまで国内の話なので、比較的速やかに実行可能です。
トランプは、上記に加え、大型減税(アメリカにおいて、減税は日本よりは効果はあります)等の経済対策を、就任後100日以内に実行すると宣言しています。
100日計画には、もちろん「十年で1兆ドル」のインフラ整備も含まれています。
『トランプ氏、改革100日計画 減税・財政同時に
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H42_Q6A111C1EA2000/
米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ氏は来年1月の就任後、巨額減税を柱とする経済再生策を100日間で断行する構えだ。「経済成長を加速させ、最強の経済をつくる」と宣言した同氏にとり、景気浮揚のスタートダッシュは政権の安定運営のカギを握る。大型減税や財政出動による景気刺激策を市場は好感しているものの、財政悪化やインフレ懸念も拭えない。(後略)』
法人税の大型減税の目的の一つは、アップルやグーグルなど、高税率を嫌う米大企業が節税のため海外に資金を逃避させるのを防ぐためとのことです。また、大企業が海外で貯蓄している2兆ドル(約210兆円)を、アメリカに還流させようとしているのです。
というわけで、アメリカ企業が海外資金を米国に戻す際の税率は、10%と大きく軽減されます。(アメリカ国内の企業は15%に減税)
さて、TPPです。 共和党のマコネル米上院院内総務は11月9日、TPP法案について、17年1月の新大統領就任前に採決は行わないとの認識を明らかにしました。これで、オバマ大統領就任中のTPP批准の可能性は消えました。
そして、トランプはTPPについて「就任初日に離脱」と宣言しています。(TPPどころか、NAFTAも見直すようですが)
すなわち、TPPは死にました。
それにも関わらず、懸命に批准プロセスを進めている安倍政権は、確かに異様です。
異様ですが、問題の本質はそこではありません。TPPという「アイコン」ではなく、その中身、すなわち日本国の各種安全保障弱体化や、国民の食の安全崩壊、貧困化と引き換えに、我が国に「自社のための規制緩和」を求めるグローバル企業は、別にTPPがなくなろうとも諦めることはない、という話です。
そもそも、アメリカを中心とするグローバル企業が日本市場で「利益を最大化したい」と考え、膨大な規制緩和を一気に実現しようとしたのが、TPPなのです。TPPが死のうとも、日米二か国間協議により、我が国が「グローバル企業の利益最大化」のために規制や法律を変えさせられるのでは、同じ話になります。
イギリスに続き、アメリカもまた、グローバルではなく「国民第一」の政治に舵を切ろうとしています。それにも関わらず、相変わらず周回遅れのグローバリズムを推進している我が国の有様に、わたくしはむしろ危機感を高めているのです。
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