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『世界の歴史はイギリスから動く①』三橋貴明 AJER2016.10.25

https://youtu.be/2Ywfmm4KoJs

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 ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領が、ビデオ声明で、来年1月20日に大統領に就任した初日に、TPPから離脱する意思を通知する方針を示しました。


TPP離脱「初日に通告」 トランプ氏が明言
http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM22H25_S6A121C1MM0000/
 トランプ次期米大統領は21日、オバマ政権が推進した環太平洋経済連携協定(TPP)について、就任初日に「離脱を(他の参加国に)通告する」と明言した。トランプ氏は選挙戦中から「雇用を奪う」などの理由でTPPに反対してきた。日本とともに交渉を先導してきた米国の次期大統領が正式に離脱を表明し、世界最大規模の通商協定の実現は一段と不透明になった。(後略)』
 
 そもそも、トランプはNAFTAという自由貿易協定で割を食ったラストベルト地帯の労働者に向け、グローバル化を批判することで支持を得た結果、大統領選で勝利したわけです。TPP離脱通告は、当然の結末です。


 TPPは、二年以内に六カ国以上、GDP85%の国々が批准しなければ発効しません。アメリカが離脱すると、その時点でTPPは「ジ・エンド」です。


 日本の安倍総理や財界は、
「トランプ氏に翻意を促す」
 と言っていますが、それって内政干渉ですよ


 トランプは公約として「TPP反対」を打ち出し、NAFTAについても再交渉し、アメリカの要求が通らない場合は離脱すると宣言した上で選挙戦を戦い、勝ったのです。アメリカの民主主義がTPP離脱を容認したにも関わらず、
「翻意を促す」
 って、いつからアメリカは人治国家になったのですか?

 逆の立場で考えればいいのです。日本国民が民主主義で決めたことを、外国に「翻意しろ!」と迫られたとして、間違いなく内政干渉でしょ? 日本国には、
外圧を利用して、国内を改革する
 などと、独立国家の国民としてはあるまじきことを平気で主張する連中が少なくないため、内政干渉について鈍感になっているような気がします。政治家も、財界も、国民も。


 普段、民主主義、民主主義とうるさい人たちが、総理や財界の「アメリカに翻意を促す」という内政干渉を問題視しないのは、本当に不思議です。要するに、自分の頭では、何も考えていないんでしょ。


 それ以上に問題なのは、安倍政権がこの期に及んでも、TPPについて「今の条件」で批准しようとしている点です。


 トランプは、TPPは離脱し「二か国間貿易取引」を交渉すると明言しています。すなわち、今後、アメリカとの間で日米FTA(もしくは日米EPA)の交渉が始まる可能性が高いのです。


 それにも関わらず、現時点でTPPを日本の国会が批准してしまうと、二か国間交渉の際に、「TPPの日本の譲歩条件が、スタートライン」になってしまいます。何しろ、国会で批准したわけですから、
まずは、TPPの条件は(日本側は)飲んでもらうとして、そこからどこまで譲歩できるの?
 という交渉になってしまうのです。国会で批准している以上、そうならざるを得ません。


 すなわち、安倍政権は批准しても発効しないTPPを強引に進め、将来的な交渉を不利にしようとしているのです。


 日本国の国益を真剣に考えるならば、TPP批准プロセスは現時点で停止するべきなのです。


「TPP批准プロセスを停止せよ!」に、ご賛同くださる方は、 このリンクをクリックを!
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