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『改めてデフレを知ろう①』三橋貴明 AJER2016.11.29
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連日の地方出張に、「おはよう寺ちゃん活動中」の出演が重なると、さすがにきついでございますね。本日も大阪出張なので、新幹線睡眠に頼ります。
さて、実質消費減少や、韓国の朴槿恵大統領の進退など、取り上げたい話題は多々あるのですが、本日はやはりこちらを。
『首相「全農刷新を断行」 政府、農業改革方針を決定
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H0W_Z21C16A1MM0000/
政府は29日午前、農林水産業・地域の活力創造本部を首相官邸で開き、全国農業協同組合連合会(JA全農)の組織刷新などを盛り込んだ農業改革方針を決めた。全農に改革の自主計画を作ることを求め、国が進捗状況を確認する。安倍晋三首相は「全農は新たな組織に生まれ変わるつもりで、抜本的な改革を断行していただきたい」と語り、来年の通常国会に関連法案を提出する方針を示した。
改革案は、肥料や農薬をメーカーから仕入れて農家に販売する全農の購買部門の縮小を提言。農産品を買い取って消費者に売る販売部門の機能を強化し、農家の手取り増につながる事業への見直しを促す。強制力はないが、全農自ら数値目標を入れた改革の年次計画を作り、国が進行度合いを確認することで実効性を担保する。(後略)』
最終的な規制改革推進会議の提言は、以下になります。
【第6回規制改革推進会議 農協改革に関する意見 】
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20161128/agenda.html
生産資材について、元々の提言は、
「全農は、仕入れ販売契約の当事者にならない。また、全農は、農業者に対し、情報・ノウハウ提供に要する実費のみを請求することとする。」
と、民間事業者に商社ビジネスを禁止するという、信じがたい行政介入(しかも、規制改革推進会議には何の権限もないにも関わらず)が書かれていたのですが、今回は、
「全農は、農業者・農協の代理人として共同購入の機能を十分に発揮する。また、全農は、農業者・農協に対し、価格と諸経費を区別して請求する」
という表現に改められていました。
また、農産物販売については、
「1年以内に、委託販売を廃止し、全量を買取販売に転換すべきである」
と、これまた極めて乱暴な介入になっていたのが、、
「全農は、農業者のために、自らリスクを取って農産物販売に真剣に取り組むことを明確にするため、農協改革集中推進期間内に十分な成果がでるように年次計画を立てて、安定的な取引先の確保を通じた委託販売から買取販売への転換に取り組むべきである」
となりました。
骨抜きと言えば、そう表現できないこともないのですが、そもそも論として、
「なぜ、農協が組合員であり、組合員の総会が【意思決定機関】であるはずの全国農業協同組合連合会(全農)のビジネスに、政府がくちばしを挟んでいるのか?」
という、根本的な疑念をぬぐい去ることはできません。しかも、国会議員ですらない、規制改革推進会議が、なぜ全農を潰そうとするのか。
日本の食料安全保障の根幹を担う全農グレインを、カーギル(様)に献上するため、以外に説得力がある理由を聞いたことがありません。
全農は子会社の全農グレインから、配合飼料の原料となる穀物(とうもろこし、大豆、こうりゃん、小麦など)を数百万トン輸入しています。しかも、コスト高になるIPハンドリングを継続しつつ。
全農や全農グレインが外資系穀物メジャーの手に落ちると、我が国は最終的に「遺伝子組み換え作物の巨大市場」と化してしまうでしょう。日本の消費者は「食の安全」について選択肢を奪われるのです。
嫌な話ですが、日本国民のほとんどが遺伝子組み換え作物を(事実上)強制されたとしても、お金持ち層は「自分及び家族」のために、安全で健康的な食料を手に入れるルートを確保します。といいますか、お金持ち層向けに、非・遺伝子組み換え作物を提供する「ビジネス」が生まれるわけです。
こうして、我が国は遺伝子組み換え作物を食べないお金持ち層と、「食べないという選択肢」を持たないマジョリティの国民に二分化されていくことになります。
ちなみに、中国には「中国共産党官僚ご用達」の農場があり、美味しく、安全な農産物が「共産党官僚」には提供される仕組みになっています。
我が国は、世界屈指の自然災害大国です。大地震が頻発する日本国において、国民を「少数の上位階層」と「多数の下位階層」に分けることが、どれほど危険か。少しでも想像力を持っているならば、理解できるはずです。
日本国が「日本国民のための日本国」であるためにも、全農解体に代表される、安倍政権の「日本の安全保障を壊す構造改革」に反対しなければならないのです。
「安全保障を弱体化させる構造改革に反対する!」にご賛同下さる方は、
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