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改訂版「インボイス制度導入は消費税増税に向けた基盤整備である」(前半)三橋貴明 AJER2023.3.7

   

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植田和男新総裁誕生で、どうなる日銀の金融政策?[三橋TV第675回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/L5xQjKq_9cY

 

 三橋TV第675回で解説していますが、わたくしはインフレ率(※消費者物価指数変動率)について、十数年前から常にコアコアCPI(食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合消費者物価指数)で見ています。理由は、それが最も「固い」からです。


 ちなみに、上記日本のコアコアCPIは、アメリカのコアCPI(食品及びエネルギーを除くCPI)とほぼ同じです。欧州のコアCPIも、食料品やエネルギー、アルコール、たばこを除いたCPIになっています。(欧米にコアコアCPIという指標はありません


 つまりは、わたくしの「インフレ率はコアコアCPIで見る」というのが、グローバルスタンダードなんですよ、えっへん!


 ところが、日本ではなぜかコアCPIが「生鮮食品を除くCPI」となっています。いや、何で外国から輸入する食料とエネルギーを含んでいる? 生鮮食品だけ除いても、意味がないだろ。


 と、2010年頃から批判をしてきたわけですが、2017年、今度は総務省が、いきなり「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の発表を始め、これがコアコアCPIだ(以下「新」コアコアCPI)と言い出した
 

 ちょっと待て! エネルギーを除いたのは評価しますが、なぜに「生鮮食品」のみを抜く。外国から輸入している穀物や配合飼料の影響が入っていたら、国内の需給状況は分からんだろ!
 

 というわけで、わたくしは頑なにコアコアCPIについて従来の「食料(酒類除く)及びエネルギーを除くCPI」で見ているのです。


 ちなみに、直近(23年1月)のCPIを見ると、「新」コアコアCPIは前年同月比は3.2%の上昇であるのに対し、コアコアCPIは1.9%上昇に過ぎません。
 

 「新」コアコアCPIと、コアコアCPIとの間に、1.2%もの乖離があるわけです。つまりは、「新」コアコアCPIは「外国から輸入する食料価格の影響」を含んでしまっている。これは、(日本版)コアCPI同様にまずいでしょう。現実が分からなくなる。
 

 しかも、この(従来の)コアコアCPIにしても、エネルギー価格上昇の影響は確実に含んでいる。電気代が上昇した結果、美容院代が上がる(上がった)。軽油やガソリン代が上がった結果、運送代が上がる。


 美容院も、運送も、共に「食料」でも「エネルギー」でもないため、コアコアCPIには含まれます。とはいえ、これらのサービス価格が上がったのは、輸入物価の上昇によるものです。


 厳密に輸入物価上昇の影響を排除すると、コアコアCPIの上昇率はゼロに近いか、もしくはマイナスではないかと推測しています(この統計はありません)。

 

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資材が前年比1割増 肥料や飼料の高騰続く 1月農業物価指数
 農水省は28日、生産資材や農産物の価格変動を示す1月の農業物価指数を発表した。2020年を100とした指数で生産資材は122となり、前月より0・3%、前年同月より9・6%上昇した。前年同月を上回るのは32カ月連続となる。ウクライナ危機を受け、飼料や肥料などの高騰が長期化している状況だ。
 肥料は前月より0・9%、前年同月より40・1%上昇して154・7となった。使用量が多い高度化成は、前年同月を51・2%上回る170・3、尿素も同84・4%上回る222と高騰している。
 飼料は前月を0・5%下回る149となった。配合飼料は同0・8%減の148・6だった。JA全農は1月から、円安の緩和や海上運賃の下落を理由に、配合飼料価格を1トン当たり1000円下げており、こうした動向が反映されたとみられる。ただ、前年同月比では19・3%上回り、依然として高水準にある。(後略)』

 肥料は上昇中。配合飼料は高止まり。重油はわずかながら下落傾向。


 特に、配合飼料の価格が上昇すると、国内の畜産業の生産コストが上がります。結果、畜産業界は壊滅的な打撃を受け、鶏卵業も「値上げ」せざるを得なくなった。


 卵の価格は過去一年間で、1.7倍から2倍に上昇しています。


 これは、別に卵の需要が増えたためではなく、配合飼料の価格急騰のためです。「新」コアコアCPIは、輸入する配合飼料急騰の影響を含んでしまうため、国内の需要とは無関係に上昇するんですよ。


 だからこそ、消費者物価のインフレ率は従来のコアコアCPI(食料(酒類除く)及びエネルギーを除くCPI)で見なければならない。わたくしは、これを十数年間続けてきました。


 そもそも、総務省がいきなり「新」コアコアCPIという指標(※グローバルスタンダードに反しています)を発表し始めたこと自体が、わたくしにとっては意味不明なのです。
 

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