田園都市国家構想 | 日経ほぼ朝コメント

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13日(日) 日経11面 日曜に考える

『田園都市国家構想(1980年) 

最後の羅針盤

大平氏、命燃やした国土計画』

 

1980年(昭和55年)、

首相大平正芳が命を燃やして編んだ

田園都市国家構想は、

国民が共有した最後の指針だ。

 

都市に田園のゆとりを、

田園に都市の活力をもたらし、

活発で安定した都市と田園との

交流をうながす。

 

閉鎖的な農業社会ではなく、

移動や選択の自由、多様性を

人々に保証する。

 

この、開かれた新しい地域主義は

国土計画として

個別の産業政策や農業政策への応用が利く。

 

大平は首相に就くやいなや、

自らの諮問機関として大平政策研究会を組織し、

文化人や学者の英知を集結、熟成させることに

心をくだいた。

 

はっとさせられるのは、

各省庁から選りすぐった課長の参画だ。

 

官僚にも自由に発想させ、

それをうまく使いこなす力量が

政治にあった時代。

 

大平は時間が許す限り研究会に出て

議論の白熱にじっと耳を傾けた。

 

「わたしの世代にこの事業が完成しなくとも、

次の世代が力強く引き継いでくれるから」

 

遺志は継がれ、

2代のちの首相中曽根康弘は

大平研究会の陣容と成果を

政策にとり入れることに腐心した。

 

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フランス人青年が東京の街をスケッチした

『東京散歩』という本を読みました。

 

東京は「迷子になるのには最高の街」。

 

フランスではオフィス街と住居など

目的に合わせて街が区分けされていて、

東京の雑多な風景は

それ自体がひとつの魅力的な共同体を

形成していると。

 

確かに

表参道ヒルズの再開発でも

建物の高さをケヤキ並木より低くし

土地の傾斜を活かした設計を取り入れるなど

その街の良さを残しながら

街は変化しています。

 

大規模な国家構想というのは

成熟した社会では難しいかもしれませんが、

国や街を愛する気持ちは

色んな場所で形となって

受け継がれていくように思います。

 

(『東京散歩』はこちら↓)