7月のある火曜日…


遠い西の町から空輸された1匹の保護犬が

 

群馬県で殺処分となりました。

 

遠い西の町で保健所に収容されたその子は、SNSによって

 

 

『誰かこの子を助けて!』

 

 

と言う情報を流され、たまたまその記事を見た群馬の人が

 

里親に名乗りをあげたそうです。

 

しかし、わずか1ヶ月でその子は、里親の手で殺処分に出され

 

この群馬の地で灰になりました。

 

 

 

なぜこんな事が起こってしまったのか?

 

 

 

SNSは、情報を拡散する手段としてとても効果的であり

 

それによってたくさんの命が救われている現実がある事は

 

私達も認識しております。

 

どうしても助けたい子がいるときに、私どもの団体でもSNSを使い

 

より多くの人の目にとまるよう拡散する事もありますが、

 

あくまで『一時預かり』を探すための拡散方法として使います。

 

預かり先に移動し、必要な医療行為を実施し、性格や癖を把握して

 

どんなご家庭に向いているかじっくり考えます。

 

里親になる場合は、情報の発信側と受け手側が情報交換を密に行い、

 

慎重に慎重に進める事が命を確実に引き継ぐためには不可欠だと思います。

 

 

 

今回のケースでは、情報を発信した人は、飛行機に乗せるところまで、

 

里親になった人は、羽田空港で貨物として運ばれて来たその犬と

 

そこで初めて会いました。

 

里親になった人は、1ヶ月その人なりに頑張ったようにも聞いています。

 

たまたま関わった群馬県内のボランティアさんが通って、犬も少しずつ

 

落ち着いて来た矢先だった…とも聞いていますが、

 

最後は、里親自らの手で殺処分に出したそうです。

 

 

 

犬の気持ちになってみると、不安で不安で仕方なかったのではないか…

 

と切ない気持ちで一杯になります。

 

『知らなくてごめんね。』と謝り、手を合わせる事しか出来ません。

 

 

『こんなはずじゃなかった…』

 

『こんなに大変だとは思わなった…』

 

『この子を心から可愛いと思えない…』

 

 

 

そんな事は保護犬、保護猫の譲渡では起きてはいけない事だと私達は考えています。

 

 

 

でも、実は同じ事があちこちで起こっているのです。

 

命を引き受けるには、その子の全てを包み込めるか? が鍵となります。

 

一時の感情で決めるのはとても危険な行為です。

 

命を受け取る側も、私達のような命を引き継ぐ側も

 

考え直す必要があるのではないでしょうか。

 

 

情報が氾濫し、命の期限が迫っている子を知ると

 

助けたくなる気持ちは理解できますが、是非、直接足を運んで

 

その子を見てから決めていただきたいと切に願います。

 

 

群馬わんにゃんネットワーク

 

理事長 飯田有紀子

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。