旅立つひとの棺やなきがらを
涙で濡らすのは
旅立つひとにとって重荷になるそうです
体がなくてはできない宿題を終えて
光の世界に旅立つひとにとって
ひとしずくの涙さえ
後ろ髪を引く重荷となるといいます
逝く準備をしているひとが聴きたいのは
泣き声ではなくて
命のつながりをよろこびあう
歌なのだそうです
大切な友だちが
長年連れ添った伴侶とのお別れを迎え
教えてくれました
35年の思い出は
さぞかしいろいろあることでしょう
涙が重荷になるからと言われたって
お別れの辛さはどうしようもありません
「涙が溢れたら
ありがとうって感謝することにしたの」
とおっしゃる気丈さは
とても力強く美しく見えました
老いること
ともに老いること
別れが来ること…
当たり前のことですが
今をとにかく大切に過ごそうと
あらためて思いました
memento-mori
ひろの