砂埃がなければいつまでも見ていれるのだが相手が自然なだけにそうもいかず
それと共に足も痛くなってくるので、景色を見ては浸り、疲れれば寝転んでを繰り返す
トイレをしたいのだがさすがにこの中でするのは気が引けたたくましすぎるぜ、モーリタニア人
そのうち辺りは次第に暗くなり
20:00ぐらいにはほぼ見えなくなる
することもないので、そのまま就寝
23:00ごろ物音と共に目が覚める
ん?
身体は起こさず、視線だけで周りを把握しようとするが電気もなくサングラス越しなので何も見えないし寝ぼけているので何事かを全く捉え切れないのだが満天の星空だけはしっかりと捉えていた
「うわぁ…」
と、ロマンチックな時間は一瞬で、すぐに止まったことに気づいた
いつ出発するかわからない列車を急いでおり、お小水Time
ふぅブルブルっ
気持ちいい…
「感覚だけで言えば我慢した小便は射精時より気持ちいいらしいで、男は」と二十歳ぐらいの時にウエッチが言ってた
あと3時間か
よし、ご褒美の時間にしようファンタ
缶の飲み口を入念に拭き一気に飲むと、ジャリっと音が…
そうか俺の口の周りに砂がついてるのかと少し可笑しかった
普段なら飲まないであろう温いファンタはすぐに飲み干した
口の中は物足りなさを感じていたが満足していた
冒険にはご褒美が必要だな
そこから何度か止まってたようだが
ずっと寝ていた
1:50
周りがシュムだぞと起こされる
貨車から降りる準備を済まし予定通り2:00にシュムに到着(シュムは終電ではない)
そこから若い子たちが荷物を降ろすのを手伝ってくれ、ピックアップ型のバンに乗り込む
荷台に荷物と人を乗せ真夜中の線路脇を走る1台のバンあれれ
これ冒険第二章じゃない
と思ったら10分ぐらい走った所で降ろされる
とりあえずは線路脇から人を運び出し
ここで朝を待つみたいだ
夜道の砂漠は危ないのだろうか
上着を脱ぎ砂を払う
マスク帽子サングラスも外し顔を拭うと顔中が砂まみれだった
何度も手で顔を拭うのだがヒゲか砂か本気でわからなかった
ふ、俺も旅人だなと悦に入る
薄暗い売店が開きキンキンに冷えたコーラの缶を200で購入できた。
これはかなり嬉しいご褒美。
飲み口に砂が付いてたので入念に拭き取り
キンキンに冷えたコーラを飲むとジャリっと音が…また口の方だったか
全員線路脇から運び終えたのか荷物をピックアップし始めた
胴元みたいなおじいちゃんがカバンと人をチェックしながら紙に書きながら指示をしている
若い子たちが荷物ってこれだけだぞと言っているので荷物代も取られるのだろう
バックパックとサブバックと指を指された俺の金額は3000荷物一つ500なのかな
2000だと聞いていたのだが
まぁもう勝手がわからないし、とりあえずここの地域に住む人の独占市場なのか、ちょっと高いなと思いながらも
言い値で了承した
そう言えば西アフリカに入りあまり細かい値段を気にしなくなってきている
これは西アフリカで訪れるストレスを軽減しようとしているのか。
いや、今度は少し違うような気がする
アフリカに入ると少なからず最初は黒人に警戒するらしいが全くそれがなかったので、旅が長くなり感動だけではなく色んなセンサーがバカになっているのだろう