大工工事も本日完全に終わり、設備機器の設置のステージに入るとのことです。

外壁も、そろそろメインである、キラテックタイルの貼付が始まろうとしています!!

でも、ちょっとまったー!!パーパー
その前に、パナホームに限らず、「タイル接着剤張り工法」に関しての注意事項をお伝えしますウインク


①接着面下地の清掃は必ずやってもらう
当然汚れがあると、接着力の低下による"浮き"が出てくるリスクが上がります。
パナホームでは通常、外壁の洗浄は行っていないとのことです。
しかし、現場監督経由で貼付前のサイディング外壁面の洗浄工程を加えて頂きました。(←めんどくさい施主だと思われてそ~)チュー
これは、モルタルへのタイル接着剤張りでも同様で、モルタルの場合は高圧の水で洗浄しておくのがおすすめです。

②接着面の歪みが直に影響するため、貼付前に確実に歪み補正をしてもらう
うちも一通り隅々まで確認しました。許容は3mm以内です。しかし、この過程で、な、なんと5mm以上の大きなゆがみが確認されたガーン
出隅が直線にありません!
貼付前にさっそく直してもらうことに。

タイル貼付は専門の業者なので、家の歪みもそのままに貼付していくことしかしませんし、貼った後では、直すのも非常に大変になります。
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③接着剤を壁面に塗ってから、30分以内に貼り終えているか確認する
冬場は60分でも大丈夫ですが、夏場は30分以内でないと大気中の水分により樹脂が段々と硬化するため、接着力が弱くなります。

④小雨でも厳禁。作業を延期してもらう
この接着剤は水分により硬化(ゴム状)していきますので、小雨時はもちろん、雨のすぐあとで貼付面が乾いてない場合も厳禁です。 接着面の浮きだけではなく、雨天時施行により、数年後のタイル剥離の事例も報告されています。

⑤タイル外壁メンテナンスについて10年後などの予定を確認しておく
タイル仕上げの場合は、建築基準法第12条(特殊建築物 の調査義務)に基づき、定期的外壁診断に加えて、竣工 または外壁改修等から10年を経た建物の最初の調査は、 外壁全面打診調査が必要となっています。主にモルタル接着のときは問題となったことが多かったものの、接着剤工法ではほぼ大丈夫と思われます。しかし、ちゃんと施工業者は認識しているのでしょうか。。


以上は最低限確認しておいきたいところです。

(薄々お気づきでしょうが…)、私は結構凝り性なので、この辺りかなり調査済ですニヤニヤ  調べるのはある意味職業病みたいなもんです…  後半に根拠資料等を載せておきました~


使われる接着剤についても簡単にまとめておきます。 

【弾性接着剤について】
パナホームで用いる接着剤は、一液タイプの変成シリコーン系の弾性接着剤TOTO ペアフィットTE」です。TOTOといっても、TOTOが作っているわけではなさそうですし、流通もしていないです。
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外壁には通常 変成シリコーン系が使われます。
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同様のQ-CAT認定品が様々なメーカーからでていますが、あるクライテリアを何も満足した上での認定のため、メーカー間に大きな差はなさそうです。


弾性接着剤はその名のとおり、接着後にゴム状弾性体となり、
・衝撃や振動を吸収し、剥がれない。
・粘着力が持続する。20年の施工後調査が論文にあり。
・伸びるので3mm程度の歪みでもタイル剥離が起こらない。
・水や光、酸素もほぼ通さないので目地コーキングの劣化を殆ど起こさない。
という高性能万能接着剤です。モルタル接着の場合、硬いだけなので、衝撃や振動により徐々に剥離が進行するということがありましたが、弾性接着剤はそれらを克服したものといえます。

唯一デメリットとしては、接着剤の厚みの確保ができないため、躯体精度がタイルの仕上り面精度に顕著にあらわれてしまうという点になります。
なので先程の②の注意事項なのです。


【参考文献】
以下の文献は確認済みです。ウインク (ないと思いますが…)興味があったら見てみて下さい!
・サイディング外壁におけるタイル接着剤張り工法の耐久性に関する研究 その1 熱劣化試験および促進耐候性試験.パナホーム(株)、セメダイン(株)、TOTOマテリア(株)、明治大学(株)
・サイディング外壁におけるタイル接着剤張り工法の耐久性に関する研究 その2 温水浸漬乾燥繰返し試験および凍結融解試験.パナホーム(株)、セメダイン(株)、TOTOマテリア(株)、明治大学(株)
・サイディング外壁におけるタイル接着剤張り工法の耐久性に関する研究 その3 熱劣化試験および促進耐候性試験の長期耐久性.パナホーム(株)、セメダイン(株)、TOTOマテリア(株)、明治大学(株)
・サイディング外壁におけるタイル接着剤張り工法の耐久性に関する研究 その4 ひずみ追従性試験.パナホーム(株)、セメダイン(株)、TOTOマテリア(株)、明治大学(株)
・サイディング外壁におけるタイル接着剤張り工法の耐久性に関する研究 その5 長期促進劣化試験後のひずみ追従性試験.パナホーム(株)、セメダイン(株)、TOTOマテリア(株)、明治大学(株)
・サイディング外壁におけるタイル接着剤張り工法の耐久性に関する研究 その6 開口部を想定した試験.パナホーム(株)、セメダイン(株)、TOTOマテリア(株)、明治大学(株)
JASS19陶磁器質タイル張り工事
・Q-CAT: 窯業系サイディング下地への外装タイル弾性接着剤張り標準施工マニュアル


【本工法の歴史について】 
・1993年、建設省建築研究所が官民連帯共同研究有機系接着剤を利用 した外壁タイル・石張りシステムの開発」を開始。1996年終了。
・2006年、JIS A5557(外装タイル張り有機系接着剤)が制定。工事仕様の標準化へ。
・2010年、日本建築仕上学会から「ALCパネル現場タイル接着剤張り工法指針()・同解説」が刊行。
・2010年、全国タイル工業組合が「外装タイルと有機系接着剤の組合せ品質認定制度(Q-CAT)」を発足。
・2012年、日本建築学会の「JASS19陶磁器質タイル張り工事」中で「有機系接着剤によるタイル後張り工法」として規定。
・2013年、屋外壁への接着剤張り 「公共建築工事標準仕様書」から新規に採用

と、歴史はまだまだ浅くとも、着実に標準手法として認められつつある、信頼性の高い工法であるのがわかります。
なお、官が加わっているならすごい特殊な技術なのでは~ というのは、私も今、別分野で、官民共同研究班に民間から加わっている立場ですが、イメージだけです。。ショボーン
(初め、別のパナホーム営業さんに、国が協力して作った特殊な接着剤なので安心です。 みたいに言われたのですが、技術は企業オリジンかと…)


特にパナフォーマーズ(パナホームキラテック施行前の方々)には、Q-CATのHPにある窯業系サイディング下地への外装タイル弾性接着剤張り標準施工マニュアル(PDF)  を一読することをお勧めします!!ウインク

施行についてわかりやすく述べられていますよ~!爆笑





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