救世主キリスト大聖堂の不思議な歴史
ロシアを代表する教会建築の一つ
Храм Христа Спасителя
救世主キリスト大聖堂
モスクワ川のほとりにそびえたつ約103mのその姿は
とにかく「大きい!」の一言につきます
これは正教会の大聖堂の中では一番の大きさ
1812年、ナポレオン戦争の終結を記念して建設が計画され、
1883年にやっと完成となった救世主キリスト大聖堂 は
大きさや内部の豪華さだけでなく
この大聖堂 は建設当時、
モスクワで一番の高さをもつ建築物だった上に
最新技術によって作られたその内部の巨大な空間に
12年の年月をかけて完成したフレスコ画をはじめ
彫刻や壁画など隅々まで意匠を凝らしたため
完成までに44年もの歳月がかかった超大作でした
しかしロシア革命後、すべての宗教を禁じた
ソビエ政権によりその運命は一変します
レーニンの後継者スターリンによって レーニンに関しては → コチラ
1931年、大聖堂は爆破されてしまうのです
Иосиф Сталин ヨシフ・スターリン
大聖堂の跡地にはソビエト共産党の党大会議場となる
世界最大のビル、ソビエト大宮殿が建設される予定でした
巨大レーニン像が頂点にあるなんともすげーデザイン
しかし、調査の結果モスクワ川に面したこの土地は
軟弱で巨大なビルの建設には不向きだったため
大宮殿の建設は永久中止となってしまうのです
では、爆破された救世主キリスト大聖堂跡地には
大宮殿の代わりに何ができたのかというと…
なぜか温水プール
一体誰が何をどう考えたら
「大聖堂を爆破し大宮殿を作る」という計画が
温水プールをつくることに変更になるのか
私にはまったくわかりません
そしてまた、大聖堂を爆破するような人達が
なんでまたプール建設という代価案をOKするのか
そのへんのところもさっぱり理解不能です
これが「のほほんロシアマジック」なんでしょうか
しかもすごいのは大聖堂→大宮殿→プール
というわけのわからん発想だけではないのです!
このプール、野外プールだというのに
真冬でもオープン
ワーニャ曰く「だって温水だもん」だそうですが
温水だろうとなんだろうとマイナス30度の真冬に
野外プールにワイワイと入る国が
ロシア以外にあるんでしょうか
デートスポットとして人気だったというこの野外温水プールですが
ソビエト崩壊後、救世主キリスト大聖堂の再建のため取り壊され
爆破から約70年の時を経た2000年、
この場所に再び大聖堂が戻ってきたのだそうです
結果だけ見ていると
野外温水プールのために
44年もかけて作ったのに壊される
というわけのわからん歴史をもつ
なんともロシア的ですごい救世主キリスト大聖堂 なのでありました
って言い出したのか、知ってる人はだれか教えてー