声がする方に近づいて

覆い被さるように生える手前の草を分けやると

そこには名もなき小さな花

そっと視ていると

少しずつ花びらが開いてくる

そっと触れると

少しずつ蜜が溢れてくる

顔寄せ軽く息を吹く

まん中が覗いてと応える

そっと匂う

厭らしいほどの甘い匂い

いくら小さな花でも

優しくこの指なら大丈夫だよね

果肉にかわる受粉の部分

そっと そっと


あなたに
そんなに
見つめられると
照れてしまう

でも
あなたに見てほしくて
がんばるの

頬染めながらも
ほほえみかけるの
あなたの笑顔が 見たいから
あなたの全てを 受けたいから



都会のざわめきのブログ-フェラ影
花が語る

ほんとは名前もない

私が産まれる前もそう

でも生きている

美しいと思える

そんな花に

ありがとう




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