群馬と東京の骨董水道公共栓(蛇体鉄柱共用栓) | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

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マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。



管理人が初めて古そうな水道の共用栓を目にしたのは、高崎市の街角。「公共栓」と書かれているだけで、他に何の説明もありませんでした。蛇口に当たると思われる部分も壊れているようでした。


同じ群馬県の前橋市の水道資料館にほぼ同じと思われるものが展示してありました。こちらにはちゃんと蛇口が付いています。


その資料館の一階にはさらに立派な逸品が。
前橋市の公式HPの「前橋市の上水道の歴史7」というページによると、これは同県伊勢崎市出身の高名な鋳金家の手によるデザインなのだとか。(メーカーは東京)


この資料館のある敷島浄水場内には、同様のデザインの共用栓があり、出来たて新鮮な水道水が飲めます。井戸水を原水としており、案内の水道局員の方が「おしいいですよ!」と自信たっぷりに薦めておられました。こことは別の栓からちょっといただいてみましたが、確かにおいしかったなぁ。まあ、暑い日に歩きまわった後だったせいもあるけれど。


この水道資料館訪問のしばらくのちに、今度は東京・西麻布の民家(もしくは事務所)の入り口のわきで同じようなものに出会いました。果たして、水道敷設当時からあったものなのか、趣味でどこかから持ってきたものかはわかりません。そもそも東京都内(市内)にもこういった公共栓があったのかどうか?


それなら調べてみよう! というわけでもないのですが、たまたま本郷給水場にある東京水道局歴史館に開館時間に間に合うように行けました。


そしたら、ありました。麻布で見たのと同じですね。「蛇体鉄柱共用栓」。明治時代末から大正時代ごろまで使われていたそうです。明治十五年に「麻布水道」が引かれたそうですから、↑↑の共用栓がその当時からここにあったものとしてもおかしくはありません。そうであって欲しいですがどうでしょうね。



ちなみに「蛇体鉄柱共用栓」が「蛇口」の語源とも言われているそうです。

都内に、他にもあるのかどうか分かりませんが、是非、お目にかかりたいものです。


(2013.6.21追記)
 東京都水道局によれば、公共栓は都内に2~3ヶ所ほど残存が確認されているそうですが、当時のままではなく改良されているものもあるとのこと。いずれにしても西麻布にあったものは貴重なようです。

 高崎の公共栓については、先輩ブロガーrzekaさんが、詳細な解説記事を書いておられます。是非こちらもチェックを!→高崎市で見つけた水道公共栓