23シーズンリーグ戦にかける想い コーチ編vol1.GMけい | 東京大学運動会ラクロス部女子Celesteのブログ

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Celesteとはスペイン語で「空の、天の、空色の」という意味を持ちます。東大のカラーである淡青をユニフォームに背負い、どこまでも天高く上る無限の可能性をもったチームになりたい、頂点を目指せるチームでありたい、そんな思いが込められています。


GM、それは長期的な視点から組織運営を考える立場。単年の結果に囚われず、持続的に成長する勝ちパターンを見出していく役職。

「23シーズンにかける思い」

そんな私が解釈するこのテーマは、正直他のチーム員と全く異質であると自覚しています。
あくまで「中期的なチームの成長」を優先して考える私は、このチームで唯一、「23チームで勝ちたい/成し遂げたい」という気持ちを優先してはいけません。私が思い描くべきは1代から36代、そしてそれ以降全てのCelesteが組織として強くなる姿。
だから私の中で「23シーズンが目指す先」は広く言えば通過目標であり、思い描く全体像の一部でしかない。
例えば今年掲げていた一部昇格というところで言うと、捉えようによっては私は1番一部昇格に冷めていて、1番一部昇格に飢えている。

唐突に語り始めてしまいましたが、就任2年目になりこの立場の難しさを痛感している次第です。
23チームのことだけ考えてはいけない一方、まずこのシーズンで結果を残さなければその先に目指すべき未来もない。この矛盾には幾度となく苦しめられてきました。

部活は4年で人が総入れ替えする組織です。こんな流動性の高い組織って他にないと思います。故に文化、戦力、戦術、マインドは定着が難しく、組織としての持続性を求めるのはとても難易度が高い。

3年後、5年後、10年後のCelesteがどうなっているか思い描き道筋を描こうとしても、やっぱりまず今年破綻してはいけないので、「まず今年1年生をたくさん入れるにはどうしたら良いか」「ユニを一新しないと」「コーチも急いで探さないと」「協賛していただける体制を整えて財政基盤の安定化を」…
上げたらキリがないですが、常に目の前の課題で飽和状態。精一杯育てた4年生も、一丁前のマインドだけ醸成できたと思えば引退してしまいます。彼女たちに、「Celesteの将来まで見据えて運営して!!」なんて押し付けられるわけないですし。
素晴らしい指導者の元、一部で安定的な地位を獲得している他大学や他部活を見ていると良いなぁ、と恨めしい目で見てしまいます。(私が見えていない部分もきっとあるのでしょうが)

本当は各学年の構成員全員に、自分たちで考えて行動する文化が浸透していれば、指導者という立場から中期的な組織の成長を考える人間を置かずともそのチームが滅びることはないのですが、大学生にそれを求めるのは難しい。
しかもその観点で言えばCelesteというチームは輪をかけて脆い。構成するメンバーは「このレールの上を走ってごらん」と言われた時に模範解答の如く忠実に正確にその上を走ることが出来る、所謂「優等生」達。
自分たちで考えて、リスク取って、という思考から最も遠い人間の集まりだと理解しています。
「〇〇はどうしたいの/どうしたら良いと思うの?」そんな問いの後はいつも決まって「…どうしたら良いと思いますか?」が返ってきます。

正直に言えば何度だって放棄してやると思いましたし、現役に必ずしも「求められていない」立場であると理解しています。でも、二部にいる時から「一部で戦う姿」を、「日本一を目標に掲げて活動する姿」を、思い描き戦略へと落とし込もうとする人間がいることで、いつか本当にその目標を達成することができた時に、それが「そのシーズンだけで成し遂げた」事にならなくなる。過去全てのCeleste関係者で成し遂げた事になる。そうして得られる喜びは計り知れない大きさになると信じています。

いやそう思って自分の存在証明をしたいだけかもしれないですね。笑

結局エゴかよ。
ええ、エゴです。

そんな私のエゴに共感頂ける方が1人でもいることを信じて、これからも突き進みます。

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今年のCelesteはかなり苦しいシーズンを経験していると思います。降格を経験した人間もおらず、こんなスパンの短いリーグ戦を経験した人間もいないので、コンディション・メンタル、全ての整え方が手探り状態でしょう。人数もスポーツ経験者も少ない中、よく頑張ってくれていると思います。
でもこのチームがスポーツで勝てたら、その先にはめちゃくちゃおもろい世界が待っていると思っています。
応援してくださる皆さんの期待に応えられるチームである事をこれからも証明していきますので、今後とも何卒宜しくお願いします。