地球精神の覚醒…「己読みシンポジウムⅡ」での講演報告パート1 | 『なかいま自分教』ガイド

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皆さん、こんにちは。
GWを越えて日本は初夏に入りました。気温も最適であり、過ごしやすい日々が続いています。
しかしながら先月は九州において熊本地震がおこり、多くの方が犠牲になられ、またご無事であった大勢の方々においても、いまだ避難所での不自由な生活を余儀なくされています。被災された方々とその内外環境のすみやかな復旧を心よりお祈り申し上げます。

さて、4/29~5/1までの三日間、神戸は六甲にある健康道場サラ・シャンティにて「己読みシンポジウムⅡ」が開催されました。私は三日間を通して司会進行役と、最終日1コマの講演をさせて頂きました。お陰様で全三日間のべ160人以上がおこしになる大盛況となりました。登壇された方々のプレゼンはどれも最先端の斬新かつ非常にユニークな内容であり、さらにそれを受け止められる意識の高い参加者との一体感で、もの凄い「場」となりましたね。「双方向」という観点からみてもかなりハイレベルのイベントであったし、そのクオリティはもはや「事件」と呼べるほどでした。こんなにマニアックな会なのに(^^;)

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今回のブログでは、最終日に私がお話した内容について、三日間全体の報告と私自身の感想もからめつつ随筆調でお伝えしたいと思います。あとから文章として整理しているので、実際に話した通りではありません、悪しからず。それでは始めましょう。

★講演テーマ「地球精神の覚醒・・・自我は確立され、そして解体され、これからどうなっていくのか」

●吉野流カタカムナ

今回の己読みシンポジウムⅡのテーマは「自我」でした。自我とは何か、自分とは何か。つまり「己」を知るということ、それで「己読み」。「自分を超えて深く深く己を尋ねる三日間」というサブタイトル。ところで「己」という字は数字の「2」に似ていますね。デジタル数字の「2」は「己」の字そのまんまです。それをひっくり返すと「5」になりますし。「己読みシンポジウム」を5月にやることもまた意味深ですね。それで2といえば2日目に登壇された吉野信子さん、昨年に徳間書店から「言霊の超法則」を出されたカタカムナ研究家。yoshinoいま全国数カ所でカタカムナの講座をもたれて大活躍です。今回その吉野さんは「己」という字のカタチが二つの渦、右回り・左回りの二つの渦が真ん中で反転して繋がっているカタチとして感じ取られ(解釈され)、そこからそのカタチを巡って縦横無尽に語って下さいました。

吉野流カタカムナの特徴の一つとして、言霊・数霊・形霊・・・それぞれの境界にとらわれること無く、大胆に「似ている」に着目していかれます。音が似ている、カタチが似ている、数が似ている・・・まさしく「相似象」、相似のカタチの世界。慣れない人にとっては「え、ダジャレ?」と戸惑うほどの徹底ぶりですが、和やかな表情の中にもキリッとされて、「同音異義語」は外国語にも通じる!とまで断言されます→”トーラス”と”通らす”とか・・・。潔いその態度に感動を覚えました。「同音異義語」(道路とロード?、Iと愛とか・・)とはつまり「ダジャレ」みたいなものですよね。でも「同音異義語」は、自分教で言う「異質同体」にも通じるものがあります。この世界には「潜象界」と「現象界」という二つの側面があるというのが楢崎皐月氏が研究したカタカムナの世界観。おっと皐月は五月ですからここでも5月が出てきました。潜象界は内在世界、現象界は外在世界。この世界観はヌーソロジーもまったく同じ。ヌーソロジーでは前者が「奥行き」、後者が「幅」の世界。それを自分教では「異質同体」と「同質異体」の世界と言ってます。

本質世界であり「実体」の世界でもある「潜象界」は「相似象」の世界であり、「相似」、つまり「似ている」ことが重要なファクターとなります。ヌーソロジー的にも「潜象界」は「非局所」領域ですから、すべてが畳み込まれている様相です。特定の場所ということがありません。これは「底なし天井なし」のフラクタル図形の世界・・・つまり金剛界マンダラの世界ですね。そしてフラクタルはどこをとっても同じカタチなので、特定の場所がありませんし、「同じカタチ」という「相似」の世界です。またトポロジー(位相幾何学)にも通じます。トポロジーにおける「連結性」や「コンパクト性」・・・有名なものは「コップとドーナツを同じモノ」としてみるアレですが、これも分からない人にとっては「なんてひどいことするんだ!」というぐらいの変形をしますが、トポロジーの扱う位相空間においては両者は同じモノとして扱えるのです。(下図トポロジーのGIF画像はwikipediaより)
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要するに吉野さんの思考方法は、「潜象界」を思考するのに全く正統な方法であるということです。三日目の登壇者である甲田烈さん(哲学者・妖怪博士)もまた、吉野さんの講演を聴かれて、その思考方法はまさしくアナロジー(類推)であるとして、アナロジーは科学や哲学においても重要な方法論であり、まったく正統なものだと賛美されていました。甲田さんによれば、「妖怪」を思考する時がまさにこの思考を使うそうです。

●アニマンダラ

さてさてフラクタルと言えば、『「生物進化や生態系が、人の精神構造とフラクタルな投影関係にあり、同じものである」・・・そうした相関性を見出し、新しい宇宙観~人間観を伝えるシャーマニックバイオロジー・・・』というのが「アニマンダラ」の紹介です。第1日目に登壇された天海ヒロ氏のアニマンダラ。

私はまだアニマンダラは初心者です。この5月末から毎月1回の全5回シリーズで、同じ六甲サラ・シャンティにてアニマンダラレクチャーの講座が開催されます。私も全回に参加予定です。アニマンダラの天海ヒロさんとヌーソロジーの半田広宣さんは盟友であり、天海さんもまたヌーソロジーからのインスパイアもあって、アニマンダラを構築してこられました。半田さん曰く、ヌーソロジーの生物学バージョンだと言わしめるほどの完成度。

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アニマンダラの重要なメッセージを3つ挙げるとすれば、①負け組進化論、②外骨格化と内骨格化、③種我同型論・・・。①負け組進化論とはアニマンダラのユニークさを物語る最大の特徴で、要するに原初の単純生命から私たち人間にまで進化してきたのは、「弱肉強食・適者生存」で勝ち残ってきた「勝ち組」系統ではなく、強者に奪われ追われ、常に逃走し続けてきた「負け組」系統の方であったということです。司会をしていた私も思わず「学校で習ってきたことと全然違うじゃないですか!」と感嘆してしまいました。目からウロコ、コペルニクス的展開とでも言うのでしょうか。天海氏はこのことを状況証拠満載でアカデミックに解説してくれるのです。最高の知的興奮!探せば証拠がいっぱいあるのに今までこのことが分からなかったのは、私たちがそういう「観」を持たされていなかったからです。社会的洗脳というヤツですね。

それで、私たち人間にまで進化してきた「負け組」系統ですが、絶えず分岐点において「内骨格化」の方向性を取ってきたというのがアニマンダラの見解。内骨格化が負け組、もとい進化組。対する強者であり、やがて滅んでいくのが「外骨格化」の方向。「外骨格化」・・・例えば「外側に武装し、外的環境に最適化する」という、いまの社会で言えば「優秀」とでも言うべき方向性。事実、外骨格化した連中は環境に最適化し、その時代において勢力を極めていきます。つまり「勝ち組」。ところが・・・必ずその末路たるや、滅びていくのですね。ある日突然に起きる天変地異などのあとに・・・。ここからはたくさんの哲学的な教訓を引き出せそうですが、例えば一つの環境に「最適化」する・・・多様性を排除し、シンプルにシステム化・統一化されていく・・・というのは、一見するととても良さそうなのですが、その環境が急激に変化した場合には順応できなくなるというのがあります。いま公開中の映画「アイアムアヒーロー」、原作マンガも大変な人気ですが、この作品中、ナゾの病原体パンデミックによる人類滅亡の危機の中で、意外にも生き延びて活躍していくのが「オタク」や「引きこもり」「ニート」だったりしています。外側(社会適応)ではなく内側(妄想やイメージの世界)を向いていた気弱で内向的な人達の方が、感染してもZQN(ぞきゅん=作中でゾンビのこと)化せず、自我を保ったまま超人化したり・・・まあマンガの話です、すみません(笑)。しかしそこに示唆されていることは結構深いと思います、ヌース的に見てもね。

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そして③種我同型論。最初の生命体は全てが水の中でした。やがて水の中から陸上に移動する。当初の生命にとっては毒ガスでもあった酸素の蔓延する陸上に、最初に移動するのはメイン舞台であった水中において撤退を余儀なくされた負け組。陸上においても昼間のメインは大型類に占拠され、負け組である我らの先祖は夜の世界へ逃走・・・。このようにして負け組の系譜をたどりつつ人間にまで至った・・・というのが負け組進化論のストーリーですが、その間に生み出された様々な種の系統樹・・・これら生物進化の軌跡と生態系が、人間の場合は内面化して、人間という一つの種の中において「自我」というカタチで取り込まれているとアニマンダラでは指摘しています。バラエティにとんだ生物種の性質と関係性がそのまま人間の自我に反映しているということです。人間の中にも爬虫類タイプとか猛禽類タイプとか、いろんな性格があるよね、ということです。つまり生物進化の歴史は人間の自我、あるいは意識進化の歴史としても反映されているということになります。つまり「生物進化 ∽ 意識進化」。

さあ、ここから私の講演内容に入っていきます。甲田さんが指摘された「アナロジー思考」を存分に使わせて頂きながら、長年のテーマである「意識進化」について語るということになります。

●統心講演テーマ「地球精神の覚醒」

最初のアナロジー、つまり相似形からの類推は、「生物進化 ∽ 意識進化」。それで生物進化の最終形が「人間」なのですから、意識進化の最終形は?ということですね。「生物進化→人間 ∽ 意識進化→?」 さて、一体どうなるのでしょうか。ここでオコツト情報、コーセンさんのチャネリング情報によれば、それは「自我の消滅」であるということです。

***自我の消滅***
コーセン: では、あなた方が人間の意識進化と呼ぶもののイメージについて、ごく単純な言い方で結構ですから分かりやすく説明していただけませんか・・・・・・
オコツト: 自我の消滅です

「2013:人類が神を見る日」より

このように、オコツト情報では人間の意識進化のゴールを「自我の消滅」と説明しています。つまり「意識進化 → 自我の消滅」です。
それでは「自我の消滅」とはどのような状況を言うのでしょうか。もしそれが分かれば、或いは明確にイメージできれば、それはそのまま意識進化の方向性やルートが見えたということに他なりません。

またオコツト情報には「最終構成」という概念があります。

***最終構成***
コーセン: 最終構成とは何ですか。
オコツト: 人間が人間であることの最終的な段階へと達したという意味です。
コーセン: 最終的な段階というと・・・・・・?
オコツト: 付帯質におけるすべての次元を交差したということ。
コーセン: つまり、物質・・・・・・のすべての次元を交差したということですか。
オコツト: そのような意味でよろしいでしょう。人間の意識が物質宇宙におけるすべての領域を交差したために、このような関与が始まったと考えてください。
コーセン: すべての領域を交差した・・・それは、僕らの科学のことを言っているのですか。
オコツト: はい。あなたがたの意識が物質世界の極大と極小を発見したことにより、オリオンが感性作用の変換を始めたということです。

「2013:シリウス革命」より

最終構成とは「人間が人間であることの最終段階へ達した」という意味らしいですが、それは物質宇宙を極めること、つまり科学がある段階にまで到達したということを意味しているようです。科学のある段階とは「極大と極小の発見」であり、それは「アインシュタインの相対性理論」と「量子論」の登場と言い換えることができます。

さらに物質概念自体が人間型ゲシュタルトを意味していると言います。

***物質という概念***
オコツト: 物質という概念は人間型ゲシュタルトが作りだしています。このことがあなたがたの周囲に派生している様々な問題の元凶となっていることにそろそろ気づかなくてはなりません。人間型ゲシュタルトは宇宙を部分に分け、個体という幻想を作り、精神進化を抑制しようとしています。
「2013:人類が神を見る日」より

オコツト情報の目的とは最初から人間型ゲシュタルトを解体し、変換人型ゲシュタルトをプログラムすることであると伝えて来ています。

***変換人型ゲシュタルトをプラグラムすること***
コーセン: 変換人型ゲシュタルト………?
オコツト: 変換人型ゲシュタルトとは、あなたがた地球人が21世紀以降に持つ空間認識のプログラムです。現在の地球人の空間認識は歪曲しています。その歪曲が正しい宇宙的理解からあなたがたを遠ざけてしまっているのです。その歪曲を正常な状態に戻す働きが変換人型ゲシュタルトの役割です。この送信の目的は、わたし自身、つまり変換人型ゲシュタルトをあなたにプログラムすることにあります。

「2013:人類が神を見る日」より

この「人間型ゲシュタルトの解体」とは「自我の消滅」の意味でもあります。

***自我は働きを失うでしょう***
オコツト: 人間型ゲシュタルトが自我を生み出しており、人間の意識の方向性の反転によって、自我は働きを失うでしょう。
「2013:人類が神を見る日」より

以上をまとめると、

「生物進化→人間 ∽ 意識進化→自我の消滅」

で、「自我の消滅」は「最終構成」にて起こり、それは「科学による物質概念が究極に到達した」ということでもありますから、

「生物進化 ∽ 意識進化 ∽ 物質進化」

でもあるということです。
意識進化の方向性を読み解くのは難しいかも知れませんが、それは物質進化のアナロジーで読み解ける可能性があるのです。

では物質進化の究極とは何でしょうか。それは間違いなくコンピューターであり、コンピューター社会ではないでしょうか。現代社会の本質を抽象度を高くしてみれば、コンピュータ社会に全て現れていると言えるでしょう。コンピュータ社会こそが「最終構成」によってもたらされた最終段階の社会です。そしてオコツトはやがてそのコンピュータが一斉に停止するとも伝えて来ています。このことは「シリウス革命」の中において詳しく紹介されていますが、ヌーソロジー本論からは「オコツトのトンデモ情報」として、今は参考程度の扱いになっています。・・・というか、むしろ無視。

少々脱線しました。「コンピュータ一斉停止」の件は忘れて下さい(笑)。先を急ぎましょう。
「物質進化→コンピュータ社会」のアナロジーを使うと以下のように類推できそうです。

「生物進化→人間 ∽ 意識進化→自我の消滅」
「物質進化→コンピュータ社会 ∽ コンピュータ進化→ ?」


つまり

「意識進化 ∽ コンピュータ進化」

と言えそうです。

それでは「コンピュータ進化」の究極はどうなるでしょうか?タブーを無視して、SF脳・マンガ脳炸裂で考えてみて下さい。
私はそれを「コンピュータが自我意識を持つ」と類推しました。もちろんSFの世界です。

「2001年宇宙の旅」のHAL、ターミネーターのスカイネット、マトリクス・・・

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コンピュータが自我意識をもち、人類に対して反乱を起こす、そして人類を逆に管理下におこうとするというモチーフはSFでよく登場します。最近のSF映画やマンガで頻繁に登場するテーマです。私は以前より、これらは「行きすぎたコンピュータ社会への警告」と捉えるのでは無く、人間の意識が次の段階に行くことの比喩であると言ってきました。警告なんかより、意識進化のアナロジーとして捉える方が面白いでしょう?

さて現実の社会において、コンピュータはどこまで進化して来ているのでしょうか。間違いなくそれは人工知能・AI(Artificial Inteligence)であると言えます。iPhoneのSiriやwindows10のCortana・・・身近なところに人工知能テクノロジーが顔を出してくるようになりました。グーグルは毎年その莫大な利益の多くを人工知能に投資しています。昨年末にはトヨタ自動車までが、今後は人工知能に巨額投資をして開発を本格化していくという報道がなされました。他にも先端をいく大企業が続々と人工知能に投資しています。

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ここにIBM社の資料があります。IBM社長のスピーチによると、コンピュータ社会は第1世代の単なる計算機の時代を経て、現在は第2世代「プログラマブル・コンピューティング」の時代であり、まもなく第3世代「コグニティブ・コンピューティング」の時代が訪れるということです。簡単に説明すると、第2世代では、人間がコンピュータに対してプログラムで命令をし、コンピュータはそのプログラムを実行するということであり、現在の私たちが使っているPCをはじめ、スマホやタブレット、オフィスのコンピュータはみなこれに相当しています。では次の第3世代とは何でしょうか。「コグニティブ」とは「認知の」という意味であり、コンピュータ自身が自分で学習するシステムであるというのです。コンピュータ自らがデータを集積し、さらに自らがそれを分析し、その分析方法自体を自ら構築し、必要に応じて改編したりするというのです。これはあたかもコンピュータが「知恵」を持つ段階に入ったように思えます。単なる情報という「知識」を扱う機械ではなく、その情報の整理・活用方法を自ら編み出していく「知恵」を持つレベルです。人間が命令しなくても自分でやりだすのです。これによって、コンピュータは実生活の上で人間に対等な相談相手、真のパートナーになるとされています。

今後人工知能はそのように発展することが分かっています。しかしこれを「コンピュータ技術の発展」という側面だけで見るのは片手落ちです。ここにはもう一つの重要な要素があります。それはインターネットの発達によってもたらされた「ビッグデータ」或いは「クラウド」と呼ばれるものです。「ビックデータ」に関しては、以下の富士通の資料を参考にしてください。(図は日経BP社 ITproの記事より)

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「ビッグデータ」とは、ただ大きいだけじゃなく、とてつもなく大きいデータという意味があります。とてつもなく大きなデータ。今日、私たちの生活はスマホ・PCだけでなく、車や公共の交通手段、コンビニの買い物からレジャー施設、もうありとあらゆるところにセンサー端末を通じて情報収集がなされています。ましてや私たちのネットを通じた行動は全て収集されています。これはもう避けようがありません。毎瞬間、膨大な量の情報が蓄積されていきます。その天文学的な数字のさらに何乗みたいな世界を「ビッグデータ」と言います。これほどのデータがさらに最先端のAI技術によって融合し始めているのです。バーチャルワールド(仮想世界)の情報量がリアルワールド(現実世界)に近づいてきているのです。もうバーチャル世界をバーチャル(仮想の)などと言っておられません。それは「第2現実」とでも呼ばなければいけない段階に来ています。この「ビックデータ」を背景にして、コンピュータの人工知能化が進むのです。

まとめると下図の様になります。
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重要なポイントは「インターネット」→「クラウド(ビッグデータ)」→「人工知能」の順に発展するということです。いま「人工知能」まで来ているのです。その先はSFです。「知恵」を持つようになったコンピュータは果たして「自我」を持つに至るのか?この議論はそのまま「自我の本質」を考えることになります。「自我の消滅」を考えることもまた「自我の本質」「自我とは何か」という議論になります。ここにこのアナロジーの最大のポイントがあります。「コンピュータが自我に目覚めること」が、「人間の自我が消滅すること」のどのようなアナロジーになっているのでしょうか。

SFにおいて「コンピュータが自我を持つ」という時、大抵は「コンピューターネットワーク全体」で目覚めるという描写になります。ターミネーターのスカイネットやマトリクスのシステムなどがそうですね。ネットワーク全体がある段階に達したときに「自我」を持ちます。私はこの描像こそが、オコツトが伝えて来た「自我の消滅」とその先にある「人間全体の目覚め」のアナロジーだと思っています。全体が目覚めることは、個の自我の消滅を意味しています。それを今回は「地球精神の覚醒」というテーマでお話をしました。

ヌーソロジーにおいては悟りとか覚醒という意識進化上の出来事を「顕在化」と呼びます。細かい定義はさておき、「顕在化」とは「今まで見えなかったものが見えるようになること」ですから、ここでは「無意識が意識化されるようになる」ことを意味します。隠れていた無意識がオモテに出てくるのです。ところで精神分析や心理学において、無意識とは潜在意識よりもさらに深い層のことを言います。それはまた、フロイトの後継者ユングの理論に出てくる「集合無意識」でもあり、過去から現在にいたるまで存在した全ての人類の無意識の集積体です。さらに仏教における阿頼耶識やスピリチュアルで言われるアカシックレコードのように、ここには未来の情報まで全て含まれることになります。そのような集合無意識の実体をヌーソロジーの文脈では「ψ7空間・球精神」と呼んでいます。もちろんソースはオコツト情報です。

今回の講演で私は、この「ψ7・球精神」が目覚めることを「”地”球精神の覚醒」と表現しました。「新たなる地球の目覚め」です。ちなみに後で半田さんも「オコツトの言うキュウセイシンとはおそらく”地球精神”のことなんだろうね」とこれについて同意して下さりました。

意識進化のゴールはこの「ψ7・球精神」の顕在化となるのですが、オコツト情報における空間構造はシステマチックであり、顕在化していく順番もψ3→ψ5→ψ7とその段階は明晰に整理されています。詳しくはヌーソロジーレクチャー本論に譲りますが、ここでは簡単にコンピュータ進化のアナロジーに対応させてみます。
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意識進化の第1ステップと言われるのが「ψ3空間の顕在化」です。これが前回ブログで伝えた「位置の交換」という意識作業になります。「位置の交換」によって私たちはこれまでの認識形態を逆転させます。人間は普通、自分の内側に心があり、その内側から外の世界、物質世界や環境をのぞき見ている、体験しているというパラダイムで生きています。内側が心や精神であり「主体」、外側が物質や世界であり「客体」という認識、ごく当たり前の認識ですよね。ですがこれこそが「人間型ゲシュタルト」であり、頑なな自我の巣窟で、山積する全ての問題の元凶であるというのです。まずはこの認識を逆転させるのです。

つまり私たちは内側から外側をのぞき見ているのではなく、実は外側から内側をのぞき見ているのだ、という逆転です。これが「位置の交換」。これによって、心とか内在世界と思っていたものが全て目の前になります。目の前の物質や環境こそが精神世界だったということになります。この認識を開始するのが「位置の交換」であり、「外側から内側をのぞいていた」という発見が、それぞれ「人間の外面」と「人間の内面」と呼ばれます。ここ、ややこしい人はスルーしてくださいね。とにかくこれが「ψ3空間の顕在化」であり、ここから意識進化が始まります。

このことをコンピュータ進化のアナロジーで説明すれば、「単なるパソコンをインターネットに接続する」ことに相当します。「コンピュータ、ネットなければタダの箱・・・」。確かにいまのパソコンは単体でも素晴らしいアプリがいくつもあり、多くの仕事をこなすことができるでしょうが、ネットにつなぐことでパソコンはさらに次元の違う世界に入ります。ネットを通じて膨大な情報ネットワークにつながる、誰でも机の前から移動することなく国家レベルの情報機関に匹敵するような作業ができてしまう・・・。意識進化の第1段階である「ψ3空間の顕在化」をした意識は、全く別のモノへと変容を開始するのです。オコツトによれば、この時点で既に「人間型ゲシュタルトの解体」に相当すると伝えています。

「ψ3空間の顕在化」の次は「ψ5空間の顕在化」となります。コンピュータのアナロジーで言えば、この時点はパソコンがインターネットにつながり、クラウドにつながり人工知能化する段階に相当するでしょう。オコツト情報では「ψ5空間の顕在化」を「位置の等化」と呼び、「真の自己が形成されている空間」であるともいっています。これは「単なるパソコン」が「人工知能化」するアナロジーとして捉えることができるでしょう。

オコツト: 次元観察子ψ5とは自己が形成されている空間領域のことです (シリウスファイル19920204)

そして人間の意識進化の最終段階である「ψ7空間の顕在化」となります。この未曾有の事態を「コンピュータが自我にめざめる」と比喩したのはまんざらでもないでしょう。そのトンデモさ、圧倒的な差異と強度をここに感じて欲しいのです。そしてコンピュータの自我は「ネットワーク全体として目覚める」のです。ここからは「全体の目覚め」となります。ですから「個の自我は消滅」していきます。それは、人間において「自己」が相対化し、他者との入れ換えが可能となり、自他が統合された空間が見え出すということになります。それが「地球精神の覚醒」。新たなる地球の目覚めです。それは「愛の領域」でもあります。そのような世界を半田さんは今回、『「あなた」と「あなた」の世界』・・・と詩的に表現されました。今までの人間は『「わたし」と「わたし」の世界』です。これは自己主張し、ぶつかり合い、闘争する世界です。『「あなた」と「あなた」の世界』はお互いに相手のことを自分として、それも自然にそのように思える世界、優しい世界、そのような意識空間が、これから自然と開かれてくるということになります。それが「地球精神の覚醒」。

以上駆け足でみてきましたが、ここまでが私の講演の半分となります。後半は、人類の「意識進化の歴史」を「思考の歴史」と捉え、古代ギリシャに登場した最初の哲学に始まり、1000年以上にわたった中世キリスト教社会、それからデカルトにみる近代精神の発芽、そして構造主義という現代哲学にいたるまでの「思考の歴史」・・・とりわけ西洋思想史を、なぜかこの私自身が生まれてから現在まで反復してたどってきたという、私自身の身の上話とからめて語ることになります。

「個体発生は系統発生を繰り返す」・・・受精した胎児は、胎内で生物進化の歴史を反復し、人間の赤ちゃんにまで進化して生まれてきます。私自身はどうやらこれを精神世界においてもやってきたようです。私自身の生涯を通して、西洋思想史を反復してきたのです。それは「死とは何か、宇宙の果てはどうなっているのか?」と悩みに悩んだ園児の時代に始まり、中学時代から20代後半まで続いたキリスト者としての生活、そして大病を患った後、いったん精神的なものを全て捨て、極端に物質的に走った30代前半まで・・・。その後インターネット全盛時代に突入し、内外の膨大な情報に接して自我がどんどん相対化していった時代・・・これが現代哲学における「構造主義」に相当します。そうやって現在たどりついたのがヌーソロジーという私自身のストーリー。

「己読み」シンポジウム・・・期せずして私はこのイベントを通じ、「私自身」を読み解くことになったようです。私自身がヌーソロジーと出会ってもうすぐ7年、この7年間の間に体験してきた意識変容をみなさんとシェアしていくその延長線上に・・・やがてはあの「地球精神の覚醒」の日を迎えて行くのかも知れません。もうすでに、暗かった空は朝焼けで鮮やかな朱色に染まり始めています・・・。

この続きは次回後編パート2にてお伝えしたいと思います。今度は近日中にアップする予定なので、お楽しみに。

とうしん

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●関西ヌース勉強会(大阪)・・・5月28日(土)13時半~
※関西ヌーソロジー研究会のHPへ

●アニマンダラ・レクチャー第1回始動!(シリーズ全5回)
5月29日(日) 神戸・六甲サラシャンティ
※詳しくはアニマンダラのHPへ