日本いけばな芸術展(第四次展)~日本橋高島屋 | 理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

花をどういけたらよいか? 自由花のいけ方、そのポイントをお伝えしています。

・日本いけばな芸術展(第四次展)~日本橋高島屋

斎藤です。

日本いけばな芸術展の最後の会期、
第四次展にも行ってきました。



1階正面の作品も、8日間
多くの方を迎えてきました。

お疲れさまです~

柿もまた少し色づいてきた・・・かな?


今回は、
作品全体のもつ流れを中心に
見ていきました。

1つ1つの花材は
少しずつ向きが違うのに、

作品全体を見ると
ふわりとした流れや動きを
感じる作品。

そんな作品が昔から好きです~


まず、同じ石川先生の社中の、
草月流 谷口千恵子さんの作品から。

人の意表を突く独創的な作品、
さりげなく技巧を凝らす堂々とした作品、
・・・さて、今回はどちらでしょうか?


今回はさりげなく技巧を凝らす
堂々とした作品の方でした。

作品の左側は、
キイチゴの葉?が連なり、

色彩を変化させながら、
下の方へゆっくり降りていく。

作品の右側は、
石川先生社中ならではの
枝のみを使った空間見せです。

わたしがお稽古で
集中的に手直しされる部分ですので(笑)


池坊。

池坊

枝や葉が、柱の内へ、外へと
ゆらりゆらりと漂います。

太い枝の先を切り落としていますが、
この部分が動きを一瞬止める、
音楽の休符記号のようです。


池坊


右下の松が
作品の中央へと力を吹き込み、

その力は、中央から手前へ、奥へ、上へと
空間全体へと広がっていきます。

その中でも、
手前3本の菊の配置は絶妙です。

一見無造作でありながら、
特に一番右側の1本は
手前に大きく突き出しています

そのことで、かえって作品全体に、
軽快さと親しみやすさを与えるのです。


池坊


いけばなの枝の線を
太い竹を使って表しています。

あ、こういう使い方もあるんだ!

ぬ~と手前にせり出してくる竹に
どこか動物的な感じを受けます。


未生流 肥原 慶甫家元

実りの秋。稲穂の表面を
さ~と爽やかな風が通り抜ける。

稲穂が動き出そうとする
その一瞬を捉えた作品です。

でも、どうやって立てているのだろう?
下の方を見ると、

アクリル板に無数の穴をあけて、
そこに茎を通しています。


草月流。

ごく細い線を使って、
作品全体の流れを生み出す方法は、
池坊の作品でも見られます。

でも、「あ、草月流だ」とわかるのは
花材の配置、色使いからなのでしょうね。


抱月流

これでもかというくらいの
うねうねとうねる曲線ですが、

ストレッチア、アンスリウムの向きに
神経を行き届かせ、

うねうねの流れに沿わせて、
違和感を感じないように仕上げています。

そこに、作品に心地よさを感じます。

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その他、気になる作品から。

草月流 

久保島一超先生 他の合作


センダンの実?が色鮮やかです。

いつもながらの圧倒的なスケールで
こちらに迫ってきます~


池坊


コスモスだけでなく、
淡い紫に着色した綿が愛らしいです~


大和花道 下田尚利家元 他


作品を実際に目で見たときは、
人の理解を拒むような
「なんだこれは?」という作品。

・・・でもこのように写真で写すと、
構図がきちんと整っていますね。

遠くから見たときと、近くから見たときで
作品の印象が変わる興味深い作品です。


古流松瀞会

古流松瀞会
花器は白薩摩かな?
作品もさることながら、
花器と敷き物に釘付けの私(笑)


最後は小原流から4点。

花器と敷き物といえばこちらも。

ターコイズ色の花器と
鮮やかさを抑えたガラスの敷板。

そこに、定番のアンスリウム、オンシジウムの
鮮やかな色だけでなく、

マユミのピンク色を合わせるところが
心憎い演出です。



一目見て、小原流とわかる作品ですね。
こんなお庭があったら、、、
なんて憧れを持ってしまいますね。



白く横に伸びるのはおそらく枝ではなく
・・・鹿の角?

これも別の意味で小原流らしいな、と
思って拝見しました。


金銅製でしょうか?
いえ、紅葉した葉っぱなんです。

紅葉した葉の表面って光沢があるんだな、
とあらためて気づかされます。


以上で、いけばな芸術展の
作品紹介はおしまいです。

・・・え、草月流の作品紹介が少ないですって?

いえ、もうすぐこれでもか!というほど
見られますよ(笑)

草月いけばな展
 いけばなは
 繪だという、
 音楽でも
 彫刻でもある

1期 10月29日、10月30日
2期 10月31日、11月 1日
3期 11月 2日、11月 3日