私を、返せ! | ばいばい

ばいばい

遥か望む彼方の光
君を照らし出さなくていい
狂おしい花びらを舞い散らせて
堕ちる桜を抱いて 眠る

私は虐待への順応という苦痛を隠すサバイバルを止めようとしている。
私の孕んだ父親の子供、流産。
ずっと知っていてそれどころか父親の死後、私を監禁致傷という罪名になるであろうとある男からのデートDVに引き渡した母親への憎悪。
初めて気づいたのだ。あの赤ちゃんは私の子供であったと。
私はトイレに赤ちゃんを産み落として、それを全てなかったことにされたのだと。
それは私に対して為された諸行だと。
月花の過去だけではない。これは私の過去なのだ。
剥がれ落ちていく順応が痛い。
それでも私はあの時からずっと叫びたかった。
私を返せ!と。
小説に描き出された私の死は深い意味を持っていた。それをささやかに売り出そうとしている。
そのための準備に追われているがその前に、カウンセラーに私を知ってもらいたいのだ。
小説の手元に置く自分用が完成したら、カウンセラーに第一の読者になってもらうのだ。
私がそれほどまで死を見つめ続けた結果と今の意味を見てもらうのだ。