杏奈は自らのために動いていただけ。
ろくに何も考えちゃいない。
そのために狂気に浸りきってでも守ろうとした愚かな亮介は、月花そっくり。
私がもしも、断章のグリムで最も共感したなら風乃。風乃は自らと同種の葉耶に生まれるべきでなかったと伝える。
風乃が亡霊として雪乃につきまとっているのは、きっと、雪乃が強く求めたからだ。
月花の、様に。
親友に思うのは、私たちって足手まといなのに無駄に愛されちゃったわよねってこと。
missingで実は叶野詠子に共感してた。
月花は亜紀。
どこまでも繋がらなかったものが交錯して悲劇になった。
詠子と亜紀ならまだ、よかったのに、風乃と雪乃、か…。
名前は忘れた黒服の双子。
残された黒服の狂気に、神野陰之が寄り添った。
私は神野陰之にも共感していたから、黒服が妙に愛おしかった。
人形作りを月花が絵で表現していたことを、重く哀しく愛おしむ。
きっと、私の愛では重過ぎるんだ。
「私の痛みよ、世界を焼け」
そして、笑えた風乃と、私。
親友は、葉耶。
世界との断絶、絶望、虐待、その思想、ハイパーレクシア。
成る程と思うけれど、
私は風乃の様に幸せな筈の家庭で孤立したと、
どこまで幻想にしがみつくんだろう。
孤立は兎も角、幸せな家庭なんかじゃなかった。筈、なのに。
私は心底、雪乃になりたい。
月花になりたい。
消えてしまいたい。
カウンセリングの前夜なんてこんなもの。