【ジャスティスプロジェクト】①起動。 | 「うえしまクリニック」〜縁の下の整体師〜

「うえしまクリニック」〜縁の下の整体師〜

20年弱、サスペンションとセッティングに明け暮れて、いつの間にやら職人と呼ばれるように。

コンプリートセットアップしてこそクルマは変わります。

2022年9月。フリーランスとして起業しました。
足回り調整屋さんです。

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うえしまの大のお気に入り。ENKEI RPF1rs


【遠州軽金属】社製だから、浜松住みうえしまにとっては地場産品。地産地消だし。 

 
・軽量
・8J
・カッチョイイ
・比較的安い
 
と、4拍子揃ったホイールなんだが、どうしても1点だけ許せないトコがあった。
 
【オフセット+28】
 
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許せないケド、これはこれでこのオフセットはENKEI渾身の作だと思う。
 
「建て前」として企画されたのは、NDロードスターのインチダウンホイールとして。
 
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純正16インチホイールではタイヤの選択肢が少ないから、インチダウンして15インチを履きたいユーザーがいるだろう。
 
インチダウンすれば、205/50R15サイズが履ける。となればモータースポーツにも使い易い。
 
205幅なら、せっかくの社外品。チョットは引っ張ってサイドウォールの剛性高めてステアレスポンス上げたいねって事で8J。

 で、NBのRSやNR-Aグレードのビッグキャリパー対応。
 
ここが素晴らしい。
 
NDロードスターの純正ホイールは6.5J+45 16インチ
 
恐らくENKEIはNA/NB/ND共に使えるサイズにして、需要を多くしようとしたのだろう。
 
手元にNDが無いうえしまは知らないが、NA/NBに嵌めてもツメ折りをしなくて純正サイズのタイヤなら若干のシャコタンでイケちゃうのだ。
 
 
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ちなみにコレがNDロードスターにRPF1rsの様子。カッチョエエ。
 
 
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コチラが「ツメ折り無し」でのチャッピーさんのNBロードスター。
 
ENKEIさん良くやったよね! 素晴らしいゼ。
 
しかし、+28
 
ツメ折りシャコタンのうえしまとしては「ちょっとザンネン」なんだ。ツラにならないから。(笑)
 
なんだよ見た目の問題かよーって、見た目だよ(笑)
 
まぁ、ヘリクツ言うとあるんだけどね。
 
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20年ほど昔の「富士フレッシュマンレース」では、14インチで+20くらいのオフセットを使っていたと聞いた。
 
現在でも「N1サイズ」と名づけられて売られているホイールは14インチ6.5J+15
 
「ツラナベ」と言われた定番のワタナベRS-8Bタイプは6.5J+14.5
 
むぅ。これってアレだな。「マジックナンバー」だな。+15~20の辺りに「そこまでゴリゴリ弄らない方向での走りの最適値」があるぞ。
 
「マジックナンバー」ってあんまり言わないかもしれないけど、例えばNA/NBロードスターの場合、足回りだと8k/6kや10k/8k、12k/10kがマジックナンバー。
 
車両のサイズ、重量、重心等から出てくる「定番仕様」と言うヤツだ。
 
幾多の先達やショップが長年トライして導き出されたその数値は、その車種でのバランスが良いところの目安になる。
 
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ホイールオフセットの方も、うえしま自身14インチ時代にいろいろ変えてみて、やはりオフセット20以下にすると歴然と安定感とタイムが向上した記憶がある。
 
+15~+20 これが恐らくマツダからの謎解きの解。
 
ノーマルボディで、かつ走行性能を高める為の程よいシャコタン。それならホイールオフセットはその辺りが最適だぞと。
 
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「トレッド幅数値」というのは、タイヤのツラ加減ではなくて、「タイヤトレッドのセンターから、反対側のタイヤトレッドのセンターまで」を指す。
 
オフセット変更とは、トレッド幅変更なんだね。
 
トレッド幅が拡がれば、ガニ股に開いて立っているのと同じように転倒しずらくなる。だからコーナリングが安定するんだ。単純明快だ。
 
つまり、ガニ股は正義。ジャスティスだ!
 
 
よーし。タイトルがやっとコール出来た(笑)

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 +28を、+15〜+20にしたい。

28-15=13。ふむ。13ミリ外に出せば良いか。+20狙いなら8ミリだね。ふむふむ。

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 「なんだ。ワイトレ15ミリ噛ませば良いんじゃね?そしたら+13になるし」

とまぁ、普通なら考えるんだが、


コレがダメなんだ。

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若干のシャクレスポークの為にハブ取り付け面を薄くしたデザインのRPF1rsは、

ワイトレ15ミリを挟んだ時に突き出す純正ハブボルトの「逃げ」が足りない。逃げ量は実測で4ミリ。

(ちなみに純正ハブボルト。ブレーキローターハブ面から26ミリ飛び出している)

つまり、RPF1rsをワイトレで外に出そうとすると、25ミリ厚のを組んでオフセット+3となる。

ヘラフラじゃあるめーし、こんなんで走らせるなら腹打ち上等のドシャコじゃなきゃダメ。

ワイトレ案。却下。(笑)

んじゃアレだ。

「ワイトレ15ミリ組んで、突き出す純正ボルト切れば良いんじゃね?」

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試しに計測してみたら、「切るは良いけどワイトレ外したら、ホイール留まらないぜ」

と言うことがわかりコレも却下(笑)


ぬー。。。コレもアカンか。


ならば、

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そうだ!純正のハブボルトをロングに打ち替えれば解決じゃね?

大手メーカーのKYOEIさんに電話問い合わせ。

「NA/NBロードスター用のロングハブボルトは、フロントのみ10ミリロングなら販売しております。

  リヤ用の10ミリロングボルトは特殊形状で、かつては販売/在庫しておりましたが、現在では【廃番】となっております。

 図面、型は残っておりますので【1ロット100本単位確約】ならば、再生産は可能です。特注ボルトは1本およそ2,000円。

1ロット100本ですと20万円ほど一括支払いとなります。」


うーん。うーん。高い・・・。

しかも、再生産しても15ミリスペーサーがなんとか挟めるロングボルト。

それだとちょっと足りないんだよなぁ。

どうせなら「20ミリスペーサーが挟めるロングボルト」が欲しいよね。

他にメーカーは無いし、イチかバチかでKYOEIさんに聞いてみた。

「あのぅ。前後共15ミリスペーサーが挟めるロングボルトって、特注作製可能ですかね?」

「えーと、とりあえず御希望の寸法をお知らせ頂ければ、生産可能かどうか返答致しますよ。」

!!!

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「もしかしたら、今までに無いパーツが作れるかもしれん!」


早速実測、データ採りしてKYOEIさん連絡。

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KYOEIさんの過去の図面に、うえしま仕様の寸法を記載して送り返し。

返答が来た。


「うえしま様 御要望の特注ハブボルト。作製可能です。ただし、前後それぞれ特注となりますので、合計200本単位での注文となります。」

マジか!通った!すげーぜKYOEIさん。


と、言うわけで、

うえしまクリニックオリジナル【15ミリまでのスペーサーを挟める、KYOEI製特注ロングハブボルト前後】製作準備OK。

略して【ジャスティスプロジェクト】起動。

1台辺り16本のボルトを使用するので、200本÷16=12台。


うえしま以外に11人の勇者の協力で、今までに無いパーツが作れる事になりました。


気になるお値段は、「1台分3万円」です。

RPF1rsのような、逃げの無いホイールで困っていた貴方。

純正ホイール愛好家で、「もうちょっと、あと1センチくらい外に出したいんだよな」って貴方。

うえしまと夢を共有して、手に入れませんか。

とりあえず今回はここまで。


このネタは後日も続きます。