恋人が亡くなってから間もなく一年が経ちます。
昨日は僕にとって大切な一日となったので報告します。
去年、
彼女の遺品を整理してた時、極端に彼女自身がうつった写真が少ないことに気づきました。家族や友人、風景、食べ物、僕のバンドのライブ写真なんかは山ほどあるのに、です。
そういえば彼女は写真を撮られることが嫌いで、僕が撮ったモノも隠し撮りした数枚程度。5年半付き合ったのに2ショット写真を撮ったことがない!
ただ皆さん、
2ショット写真が無い=愛が無い
なんて無粋な事は言わないで下さいね(笑)
そういうカップルも結構いると思いますから。
そんななか唯一見つけたのが3ショット。
彼女の古いガラケーから見つけたミッキーマウスとの3ショットでした。
その写真を見つけた時、皮肉にも僕に植えつけられたモノは
「この瞬間はもう二度と帰って来ない」という絶望とトラウマでした。
幸せな時間を過ごせていた場所が、人生で一番辛い場所となるという矛盾に似た感覚は、
事故や災害、テロや何者かの凶行により愛する人を奪われた、僕よりも遥かに辛く理不尽である思いを持ってる方々にも分かると思います。
そしてその中の多くの人がその矛盾や絶望と戦い、遅かれ早かれその場所に立つことと思います。
誰かに手を取ってもらい、あるいは背中を押され、あるいは孤独に耐える強さで。
つい先日、ライブハウスで病院関係者に会いました。
会いましたと言っても日頃からよく対バンしてる人でして付き合いは4年位でしょうか。
最近転職したという彼は、驚いたことに僕の恋人が亡くなった病院に勤めていることが分かりました。
変な話ですが、彼と集中治療室や霊安室なんかの話をしていると、ただ辛い事しか起こらなかった場所であるにもかかわらず、結局は彼女との思い出のひとつを話す自分がいました。
何故かつらくなかったんです。
「何事も捉えよう」なんて言葉は、他人から言われるのではなくて、自分で感じる事でしか意味はないのです。
きっかけは彼が偶然にも与えて下さいました。
このきっかけから逃げずに、あの日を一人で辿ることにしました。
昨日、まずは病院から。
あの日夜から夜明けまで6時間ほど家の方角に歩き続け、目が覚めてくれる様にと名前を呼び続けさまよっていた僕は、昼間のこの病院と周辺を知りませんでした。
容体が急変して駆けつけたのも夜でしたので。
桜が咲いてました。こんなに綺麗な場所だったんだ。
彼女は決まってこの時期には、花見がしたいなーと言ってた。花粉症のくせに(笑)
救命搬入口からは一般の人は入れない様なので、外から手を合わせます。
ディズニーランド。
すごく怖かったです。一人で来るなんて初めてだし、毎回彼女がプラン立ててリードしてくれてたから分からないことばかり。
大好きな自転車ピアニスト(?)さんを観て、まっすぐミッキーに会いにいきました。
カバンには彼女の遺影。
僕がここでしたいことは、彼女とミッキーで3ショットを撮ることです。
しかし、男が一人で列に並ぶなんて勇気がいることでした(笑)
それに二人なら120分とか平気で並んだのに、60分がやけに長く感じました。
はい お待たせいたしました。
彼は僕の中でカリスマでスーパースター。
はしゃぐ女子たちを尻目に僕はど緊張。
何を言おう。
「この人と二人で来たかったんだけど、天国に行っちゃったからこの3ショットでお願いできるかな? 」
ミッキー うなずいてくれました。
ありがとう。
おかげで悲しくなかったよ。
僕が生きていれば、あの瞬間なんていつでも帰ってくる。
トラウマなんて捉えよう、か。
あの日食べたピザとリトルグリーンまん食べて。
あの日観たエレクトリカルパレードをいつもの場所で観て。
あの日と同じ穴場の花火スポットで花火観て。
あの日最後に乗ったスターツアーズに2回乗って(笑)
そして、あの場所に立ちました。
あの日からずっと遠くに行ってしまったと思ったあなたは、
なんのことはない、ずっと前から僕の一部になってた。
なーんだ って、涙でそうなのに笑ってしまいました。
分かってると思ってたのに、実際立ってみなきゃ分からなかったこと。
そんな単純なこと。
ただ、一人で来なきゃわからなかったこと。
オレと出会ってくれてありがとう。
愛してくれてありがとう。
今日からはもう恋人ではなく僕の一部として生きて下さい。
つらい場所がある方々にきっと大丈夫、なんてことは言えません。僕には保証は出来ないから。
けど皆さんが自分を保っていられる強さだけあればきっと、大切な誰かの記憶と温もりを覚えてさえいればきっと、
自ずとそういうタイミングはやってくると信じます。
長い文章のわりに中身が少なくて申し訳ないです。
少しでも多く人に伝わればいいなと感じてます。
読んでくれてありがとうございました。