結局あのあと家に着いたのは朝の10時半。
蓮から【お疲れ!今日はありがとう^ ^あ、次また新宿来る予定とかある?】
とラインが来ていた。
マメだな。さっき別れたばかりなのに挨拶メールに加えて営業か??
と思いながら、スケジュール帳を開く。
新宿……明後日6日にちょうど友達と夜ご飯に行く予定が入っていた。
私は蓮にそのことを伝えた。
そしてもう一件愛華から。
【本当に蓮くんと映画見に行くの??私明日経つから夏休み中久美子になんかあっても対処できないんだからね(*`へ´*)】
と警告ラインが来ていた。
愛華は夏休みの2ヶ月上海に行くのだ。
中国語の勉強と暇つぶしらしい。だから、学校が始まるまでの間愛華とはご無沙汰しなければいけない。
久美子【気をつけてね!お土産よろしくー!映画見に行くかはわかんないけど、もしかしたら会うかも】
愛華【どこで??】
久美子【新宿】
愛華【は?お店に行くん??】
彼女の香川弁が少し顔を出す。
久美子【違うよ。ちょうどその日友達と新宿でご飯に行く予定だったからついでに?って感じ】
愛華【なるほー。だけどゼッッッッタイお店に行っちゃダメだよ。貢ぐなよ。】
久美子【大丈夫よ。お店には何があっても行かない!!】
愛華とのラインをしている間に別のラインが来たと携帯が音を鳴らす。
蓮【まぢ??んじゃその日会おうよ!!】
私はどこかでこの流れを期待していたのだろうか。
だから、愛華に蓮の返事も待たないで会うって言っちゃったのか。
また、蓮に会えるんじゃないか。神崎洋人に。会えるんじゃないかって。
会ってもお店には行かない。会うだけ。会って話して、もしかしたら映画見て。それだけ。
そのことを何度も何度も肝に銘じ続けた。