NANCYの特別天然記念物『土佐のオナガドリ』飼育挑戦奮闘記

NANCYの特別天然記念物『土佐のオナガドリ』飼育挑戦奮闘記

皆さんも特別天然記念物の尾長鶏を飼育して、ギネス記録目指しましょう)^o^(

16日に、高知県からお客様が!!

2020年に高知県長尾鶏聖地巡礼の旅の際にお会いした漫画家の藤村勇太先生が、

車で私の飼育場まで来てくれました😁



一緒に、白の尾長鶏メス2羽も来ました。

早速、我が家のハクレグのメスと喧嘩😅💦


https://x.com/westseaoftree/status/1769183571456188509?s=46&t=pAcqxj1VhJjGwfygnrVtsg


我が家の尾長鶏を色々見学して行かれました。



四国には美味しいお蕎麦屋さんがないとのことなので、一緒に美味しいお蕎麦屋さんへ!


メインを十割蕎麦のかもせいろにして、


ここは3種類の蕎麦があるので、全て注文して食べ比べ照れ


デザートに蕎麦がきぜんざいも🤤



蕎麦を食べた後は、父の飼育場に、鶉矮鶏も見学に行きました。

ちょうど雛が孵化していました。


白笹の鶉矮鶏も抱卵開始してました。


これから、どんどん雛が孵化しそうです。



飼育場に戻ってから、高知のお土産を頂きました😋

長尾鶏の玉子

初めていただきましたが、美味しいですね🤤

今度高知に行ったら買おうと思いました。


これは何だったかな???

味噌汁に入れても美味しいと聞きました🤔





この日撮影した映像はこちら↓












手土産?に我が家のオスを1羽お渡ししました☺️


高知県に無事に着いたとの連絡がありました☺️



今度は私が高知に行かなくては〜

父の飼育場から、婿に行った黄笹の鶉矮鶏のオスが、盗まれたと連絡が来ました。

鶏冠が切れているので、分かりやすいと思います。

もし、SNSやペットショップ、愛好家の飼育場でこの子見かけたら、ご連絡下さいませ🙏



多分、私のYouTubeを見て品定めして盗みに来た顔見知りの犯行と思います。


気が付きませんでしたが、コメント欄に個人名が書かれていました。


私もたまにやってしまういますが、気を付けていても、背景に場所が特定されそうなも物が写ってしまっている事があります。


コメント等書いていただく時など、ご注意下さい。



鶏仲間を作るために載せた動画で、一定の反響があり、YouTubeの動画を見て知り合った鶏仲間も多々居るだけに、今回の件は、非常に悲しいです。


盗まれた鶏が大切にされるわけもないですし、、、


欲しいなら、一声言ってくれれば良いのですが、、、


でも、声かけてもらっても誰にでも分かるわけではない。


ちゃんと人は選びます。





今朝の3時30分頃のこと

庭から尾長鶏の悲鳴が聞こえた

急いで庭に出てみると、



大きなアライグマが尾長鶏のメス1羽を咥えている。




体感では、豆柴くらいの大きさがあるのでは?と思う毛並みのしっかりした大きなアライグマだった。

小屋の入り口の上の部分から入った様で、


出口を見失ったアライグマは中でしばらく狼狽えていた



動画や写真をゆっくり撮る時間さえあるくらい時がゆっくりと過ぎていく




私は、咄嗟に地下にあった脚立を掴んだ



出てきた瞬間に殴り殺してやろうと思ったからだ




しかし、そんな効くわけもなく、



アライグマは一瞬の隙をついて逃げて行った




その逃げる際の足音の無さにもビックリした



昨年で350頭のアライグマを


現役時代の通算云千頭のアライグマと対峙して方が、こんなにも見事なアライグマは見た事がない。



いや、


同じなのかもしれないが、



客に頼まれてアライグマを捕まえにいく気持ちと



自宅の庭で愛鶏を殺しているアライグマに対峙するのでは、気の持ち様が全然違う。




しかし、今朝私に出来ることといえばそれくらいしかなかった。



目の前に居る敵に何も出来なかった



元アライグマハンターの悔しい一夜だった





アライグマは憎い



しかし、恨む気持ちは起きなかった




憎いとしたら、彼らを連れてきた業者や逃した元飼い主だ


可愛いから。珍しいから。他の人が飼ったいないからと、野生動物を輸入して飼育する人が私は好まない。


その中には、後に外来種として忌み嫌われる様になる物と大量に捕獲され、密輸され、サイテスに記載される。



全て人間のせいですね。





は〜、、、、


元アライグマハンターが被害に遭うとは、、、


いや、、、



被害に遭うのは分かっていた。



当時から、いずれ日本では、外で動物を飼えなくなる時代が来ると思っていた。



遅かれ早かれ、被害に遭うのは目に見えていた。


もう一つの鶏小屋では、

2022年に鳩が全滅させらる事件がすでに起きていた。

https://x.com/nancy65094154/status/1529124428315246592?s=46&t=pAcqxj1VhJjGwfygnrVtsg





さて、さて、、、


自宅の庭ではこれからどんどん雛を育てる時期なので、どうにか対策しなくてはいけないが、完璧は不可能。


ある程度の対処しか出来ない。


予防策だ!


手始めに、市役所に連絡して、罠を持って来てもらうことにした。


しかし、市役所の罠は、貸出期間が2週間と短い。


おそらく捕まらないが、忘れた頃にやってくるはずなので、自分自身でも捕獲の申請を出そうと思う。


申請には、約1〜2週間ほど時間がかかるので、役所から借りる罠はそれまでの繋ぎだと思えばいい。


アライグマの有害捕獲の期間は、半年なので、半年毎に更新しなければならない。


また、私の住む県では、『アライグマ防除計画』で、『アライグマ防除従事者研修会』を開催しており、従事者になると、アライグマだけだが、捕獲する事が出来る(ハクビシン、タヌキ、ネコ等は放獣)


しかし、これも年に数回しか講習がなく、しかも、一番被害の増えるこの時期(3〜4月が出産時期で、家屋被害や住宅街での被害が増える)は、新年度等で役所の人の移動や業者の選定時期なので、不慣れな人達の対応になる場合が多い。

来年度の研修会の予定もまだ掲載は無いが、6月以降だろう。





アライグマに対しての対策としては、被害に遭う前の捕獲が一番効果的だ。


忌避剤は効かないし、刺刺の部材なども効果はない。

一度、ハクビシン用の皮手をつけないと人の手に刺さるくらい痛い商品を使用した事があるが、軽々と突破された。


電気柵も触れなければ効果はなく、住宅地では、フェンスや屋根伝いに侵入される。


コレをすれば完璧と言える方は方法は、四方を剥いで囲む事だらうか?


しかし、それでも、迷い込みや突破してくるアライグマは居る。


頑丈な工場でも侵入されている現場は何度も見ています。




取りあえず、絶対数は減らさないと、被害拡大するだけなので、頑張って獲っていくしかありません。




現在、市役所の委託業者が罠を持ってくるのを待っている状態。



17時30分追加


15時頃かな?市役所の委託業者さんが罠を持って来てくれました。

あ〜〜

踏み板式か〜😅💦💦💦

この踏み板式の罠は、壊されやすいんですよね〜💦



しっかり、アライグマの見分け方も教えてもらいましたよ☺️






早速餌を揃えて設置しました。





今朝の個体は捕まらないかもしれませんが、徘徊個体が捕獲されれば良いかな🤔


家の前の通りはこの様に開けていますが、


裏は、この様に人目に付かず動物が移動できる環境




罠を置いていたら、良い話も聞けました。


ご近所の方が来て『ネコの捕獲ですか?』と聞かれて、アライグマですと答えたら、


ご近所では、野良猫の捕獲も数軒で行っているらしい事が分かりました。


通りで最近ネコが少ない訳だ☺️


有難い🙏有難い🙏✨✨


錯誤されたら、私もボランティアさんに引き渡そう。




アライグマの罠の設置のついでに、





ネズミの毒餌も交換しました。







少し喫食を確認。




今年は、天井裏への侵入も無いし、上手く防除出来ているようです。



あとは、アライグマのみ、、、、




すここ最近、発酵飼料を作る事にハマっています😁

米糠ともち麦と胡麻を混ぜるだけ😁

発酵すると暖かいですね〜照れ

甘くて良い香りもします照れ



続いて、

17日に、数年振りに新宿二丁目へ

お目当ては

こちらのお方ドキドキドキドキドキドキ

WAKUWAKU♡サセコ様ラブ


昔々、夜の仕事をしていた時、

やる気ない時にサセコ様の動画を見てスイッチを入れていました。

引退後、お会いしに行こうかと思いましたが、その頃にはお店に引退しておられ、会えずに居ましたが、この度、生サセコ様にお会いできました爆笑

アクスタ(1000円)もお買い上げ😁


生サセコ様感動です。

気になる方は見てね〜😁



YouTubeの先走り〜😁笑



さて、さて、


そんな日があった次の日に、


今度は鶏関係のお付き合いで、

神奈川県の愛鶏家さん2名を訪問


1人目は、2019年の品評会の時から仲良くさせていただいてるおっちゃん😁


去年の11月にも訪問していますおねがいウインク


そこに、、、

昨年、種鶏を引退して、持って行った尾長鶏が居たのですが、、、

めちゃくちゃ綺麗に育ったいたラブ

尾羽の質も良く、蓑毛も良く、


そして何より、今年

雄鶏が不足していたので、

おっちゃんにお願いして、返してもらった😅あせるあせる

代わりに、2019年に貰った白の尾長鶏の曾孫をお渡ししてきました☺️


↑このオスの父親↓


祖父↓

父親は既に他界しております。




一緒にいた蜀鶏のメスは2019年の時に3歳過ぎだったそうなので、現在8歳くらいかな?



元気ですが、卵はもう産まないそうです。



一緒に行った鷹匠のお友達のメンフクロウをパチリ📷




そのあと、


寒川神社に行って、




この写真を撮ったわけです😁

子孫繁栄を祈願😁


神社の出店のジャガバタのバターがヤバい😁




翌る日


連れて帰ってきたオスを合流


姪っ子の白藤のメスと白のメスを一緒にしました。

上手く雛が生まれますように🙏✨




続いて、



雛を回収しましたウインク



お目当ての漣尾長鶏も元気に育っていますウインク







どう育つか🤔




昨日、尾長鶏の若1羽を公園デビューしてきましたチュー









抜尾した尾羽は、順調に伸長中










この子の弟分が、現在病気中で看病していますガーン

顔色が悪いえーん


緑便がえーん

コクシジウムの薬を飲ませ、強制給餌をして看病しています。


2日目から、糞も正常に戻ってきましたウインク

まだまだ気が抜けません。




以上

今週の月曜日のお話

牛久ペットセンターへ行ってきました。



店内は、撮影禁止なので、私の購入した鳥のみ写真載せます。


先ずは、南京軍鶏のメス








師匠よりの鶏の嫁を見つけたら、お願いします🙏と頼まれていたので、目に止まり、そのまま連絡して連れて帰ることに照れ





25日に婿さんのところへ連れて行きます。


が、

それまでは、我が家に置いておくので、

先ずは外部寄生虫の駆除

肉眼では、ハジラミ等は確認出来ませんでしたが、念の為ウインク


お尻周りにも居なさそう🧐


なかなか良い鶏だと思います。


これから、良い南京軍鶏、越後南京の作出に役立ってくれると良いです。

理想は、大軍鶏をそのまま小型化した様な顔の鶏が理想との事です。

シャモバンタム😁



続いて、セキセイインコ

これも私が飼うのではなく、父が種親として使いたいので、良い物を仕入れてくれと言うので、私が選びました。



続いて、鶉矮鶏(白色種)の雛が1羽孵化しました。

母鶏孵化での誕生なのですが、いや〜困りましたよ💦

先ずは、このメス自体の卵は全て無精卵。

で、孵卵器に入れた他の卵(約20コ)をと思ったのですが、1個を除き、全て無精卵ガーン


仕方なく、この発生していた白の鶉矮鶏の卵を抱かせたところ、無事に1羽孵りました。


寒さもありましたし、鶉矮鶏は、交尾が下手なので、尾羽の周りの羽を切るのですが、まだ一切切っていなかったので、上手く掛かっていなかったのでしょう滝汗あせるあせるあせる


今年も、日本鶏の品評会が無いとの事なので、

この度、鶉矮鶏の尾羽をバッサリと雌雄共に切り、雛を採る事に専念する事になりました。

もったいないですが、次の世代に期待します。


鶉矮鶏では、


三色碁石のメスが誕生しまして、

知人のところでもオスの三色碁石が誕生したそうなので、日曜日にお借りしてきます。






続いて、先に孵化していた雛達の様子。

元気です☺️



おまけ





木曜に、去年生まれで私のお気に入りの尾長鶏のメスがようやく産卵しました。


残念ながら、最初は床に産んでしまい、ヒビが😅


そして、金曜日

無事に巣箱に産んでくれました照れ


夕飯のすき焼きに使用





これからは、人工授精して、種卵を採りたいと思います。




一昨年、昨年と尾長鶏の卵を送った愛媛県の方から、今津と言うポンカンに近い柑橘🍊を送っていただきました🙏✨✨



これが、甘くて美味しい事爆笑ラブ照れチュー


最高です音譜音譜音譜



声良鶏

image

声良鶏 雄 (黒鶏と白柳系の交配種)

 

三枚冠、赤耳朶、黄脚、シャモに似た大型鶏であり、200から300とも言われる鶏の品種数の中で唯一の低音で長鳴き、しかもほとんどの雄は嘴を閉じた状態で鳴くと言う不思議な習性を持つ『声良鶏』

 

この特異なニワトリは一体いつ、どこでこの世に出現したのか?

 

その年代は?

 

その成立に関与した品種は?

 

その原産地は?

 

そうした疑問を解消するにはタイムマシンを持たないと我々としてはその体型、習性、特徴等から、又、古い文献や古老の伝承話、あるいは血液や遺伝子の分類によって「多分こうなんだろう」と推測するしか方法が無いのが現状です。

 

まあ、そう言った古代のロマンに想いをめぐらせる事は、私も大好きですし、時間を忘れて没頭してしまう時もあります。

 

そんな訳で今回この世に現存する声良についてわずか50年の飼育経験と今までに関わった方々から譲り受けた知識を基に少しばかり書いてみようかと思います。

 

まあ、この世界、よく「10年やってチョッピリ モノ言え」「20年やってチョッピリ チョッピリ モノ言え」と言われますが、私の場合は、50年ですから「チョッピリ」×5のつもりで書きますね。

 

断っておきますが、あくまでも私見ですのでクレームは受け付けません。

そこのところは悪しからず。

 

餌を食べる声良鶏の群れ


まず成立に関してですが、どんな鶏を起源とし、どんな鶏を交配して現在に至るか様々な説がありますが、その一例をあげてみると

 

⑴ シャモと蜀鶏との交配による(これが一般的)

 

⑵ ⑴の交配種にブラマ(ダーク)の血を入れたもの

 

⑶ それ以前に小国鶏の関与があった

 

等の説がありますが、そこでまず声良鶏の体型的な特徴について考査してみようと思います。

 

しかし、くれぐれも低音で長く鳴く事が声良鶏の最大の特徴であると言う事を忘れないでくださいね。

 

声良鶏と言う鶏を短い言葉で説明するなら

「シャモをやや毛深くして咽喉垂皮を発達させ姿勢をやや前傾させて上品に老けさせた感じの鶏」

になると思います。姿・形だけはネ!

 

つまり、シャモ系統の鶏がその中核を為している事は疑いようのない事実と思われます。

image

大軍鶏(白笹種)雄

 

蜀鶏 雄

 

 

ダークブラマ 雄

 

小国鶏 雄 柳脚のタイプ

 

まあ、シャモと言っても原種であるマレーや大型アジールが日本に渡来したのは江戸時代初期かあるいはそれよりも少し前らしいですから、源は同じでもそこに関わった鶏種によって、一方は世界最強と謳われる闘鶏に、一方は世界で唯一の低音長鳴鶏に分化してものじゃないでしょうかね。

 

ここで、マレーとアジールについて少し説明しておきます。

 

マレーゲーム(https://www.poultryhub.org/all-about-poultry/species/fancy-chicken-breeds/malay-game)

 

 

アジール各種

 

 

この両種ともにその用途はゲーム(闘鶏用の鶏)と肉用です。

 

分布は広く東南アジア全土に及び、すなわちマレーシア、ベトナム、タイ、フィリピンなどの国々でその歴史は家鶏の中でも最も古く、遥かローマ時代にまで遡るといわれており、現在の世界中の闘鶏用の鶏種はこの両種の血脈を受け継いでいると思われます。

 

また、この両種はその歴史が古いだけに、地域によって体の大きさや特徴に大きな差があり、それがまた様々な亜種となって別の品種を新たに産み出す元となった場合も多いと言う事です。

 

日本に於いてのこの両種が与えた影響はマレーと中型のアジールがシャモ作出に於いて、小型アジールが大和軍鶏の作出に於いて大きく関わっている事が挙げられます。

 


大和軍鶏(赤笹種)雄

 

 

では、本題に戻って声良の各部を細かく見ていきましょう。

 

まず、頭部、顔面から見ていきます。

 

(雄) 冠はシャモによく似た三枚冠です(いくらか大きめかな?)

 

系統・個体によって傾冠のものも多いですね。

 

中には片方の目が見えなくなるぐらい倒れているものもあります。

 

頭は大きく、眼骨が張り出して、目は金目、銀目、水晶目などがあります。

 

眼光鋭く、威厳に富み、シャモとはまた異なる雰囲気を醸し出しています。

 

嘴は太く短く強く、これまたシャモとよく似ており、色は黄色かやや黒味がかった褐色の混入する黄色になります。

 

肉垂は無いか、あっても極めて短く小さい。耳朶は赤く細長く袋状に大きく発達した咽喉垂皮につながって、頭部、顔面をより大きく見せています。

 

頸は長く太く強く頸羽はシャモより豊富で大きな頭部を支えています。

 

胸は広く充実して肉付良好(ちなみに声良は肉量が多く肉質も極めて良好で一部のブロイラー関係者は肉用種として利用できないか本気で検討していた事を聞いたことがあります)で味は申し分無く美味だそうです。

 

肩はシャモのようなイカリ肩ではなく、丸味を帯びた地蔵肩で胴は広く深く充実し、背は長く傾斜して、特に雄はシャモより幾分ではあるが、前傾姿勢ではあるものの直立気味の勇壮な姿で、気品と堂々たる風格にあふれています。

 

脚部もこれまたシャモによく似て、長く太く強く指数は4本。

 

主尾羽はシャモと違ってよく開帳し、謡羽及び覆尾羽は豊富で特に謡羽は長く地面に接するものもあります。

 

尾の角度はシャモと同じです。

 

胸と腹にかけての竜骨部周辺の皮膚の露出部はシャモほどではないが、やはりほかの品種と比較すれば大きく露出して毛細血管が発達して、赤く色付いており、この点もシャモと良く似ていますね。

 

体重については系統、個体による差がけっこうあって、小さい雄で3.3kg。大きなもので5kgを超えるものも少なくありません。

多くは、3.75kg~4.2kgぐらいです。

 


声良鶏の群れ


(雌)

冠は小さな三枚冠で雄と同じ傾冠のものも多いです。

 

体型的には雄と同じですが、姿勢は直立に近い雄に対して、前傾度が強く水平に近いものもおります。

 

体重は小さいもので2.5kg。大きいもので4kgを超えます。

 

体高は雄で55cm~75cm位で、系統、個体によって若干異なります。

 

とにかく声良といっても様々な系統が存在します。

 

細いものもあれば、幅広い体型を有するもの、立冠のもの、倒冠のもの寸高のもの、地平型(ジビラガタ)のもの、色々です。

 

それらを含めて、プラス低音長鳴を楽しんでくれればいいんじゃないですかねぇ~。

 

次に羽色ですが、昭和の頃の関連文献には、ほとんど「白笹」とありました。

 

一体どこをどう見れば、あれが「白笹」に見えるか筆者に聞いてみようと思いましたよ。

 

後に「五色」になりましたが、アレを五色と言われたんじゃ五色の小国鶏が怒りますよ!(もっとも本当の五色羽装の小国鶏は超レアモノですが…)

 

大体「五色」は黄笹と白笹の中間的な羽色です。

 

すなわち、白・黄・赤・黒・緑の五色です(雄)

 

雄の頸羽が(白)またはクリーム色。蓑羽が(黄色)または、頸羽より濃いクリーム色。肩が(赤褐色)。胸、腹、尾羽は(黒)そのに(緑)の光沢が煌く。で、五色ですから、これを声良に当てはめるのはチョット無理があると思いますよ。(元々は尾長鶏の先祖のひとつでもある五色鶏の羽色です)

五色に近い鶏 (蓑曳矮鶏 五色種 雄)

 


五色(左)と白笹(右)の比較

 

声良は、あの独特の羽色があってこその声良なんですから、無理矢理基準の羽装に押し込めるのは品種の特徴を損なう事にもなりかねません。そう思いませんか?

 

あえて例えれば、

「白笹と五色の中間色で雄は頸羽、背、簔羽に系統、個体により濃淡のある黒色条斑が入り、その程度にも差がある」でしょうね。

 

声良鶏 雄 の肩の羽


詳しく書けば、

 

(雄)は一般的に頸羽、簔羽に黒条斑が入ったクリーム色、簔羽は頸羽より濃い色彩となる。背、肩は系統、個体で異なるが、灰色じみた褐色が混入する銀灰色から赤みを帯びたものまで様々で、胸、腹は「笹」であるから当然黒色、尾羽は主尾羽は黒色。覆尾羽も黒色であるが、謡羽も含めあ色々の刺羽が入る事が多い。

 

(雌)は頭は黒色、頸羽もほとんど黒色。胸、腹は黒味を帯びた鮭色。上半身は濃い灰色じみた褐色に黒色の覆輪が入ります。

尾羽は、主尾羽はほとんど黒色で、覆尾羽は上半身と同じ濃い灰色ですが、尾羽に近くになるにつれて覆輪は尖斑に近くになる傾向があります。(他品種でこの羽色を有するのは、竜神地鶏の雌のみ!)

龍神地鶏の雄雌(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%AF%E3%83%88%E3%83%AA)

 

 

また、雌に於いては、灰色の部分が淡色化するものもよくあり、中にはシャモの柏に近いものまで淡色化するものもいますよ。

オオシャモの柏の雌

 

雄に於いては、稀に黒色に近いもの、白色のものも突発する事があり、私の場合でも50年の中で純白色のものが2回。ほとんど黒色のものが4回出現しています。

 

白色のものは、1羽が純白色。1羽はやや黒い刺羽が入った色々で、どちらも体重は3.2kgほどで、顔も少し小さい感じでしたね。

謡も声質やや高く、10~12秒ぐらいでした。

 

まあ、声良としてはチョッと迫力不足でした。(美しくはあったけど…)

 

これに対して黒色のものは、大型で謡も荘重な低音でした。

秒数も4羽共全て20秒を超え、その中の29.8秒(実声)が今までの私の飼育鶏の最高記録です。

 

 

羽色の説明の最後に「黒鶏(クロケイ)」について少しお話します。

この系統は主に昔の南部領(青森県二戸~八戸、岩手県盛岡近辺)と呼ばれた地域に多く飼養されていたと言われるもので、他の声良とは若干の形態変化が認められ、これは純系に近ければ近い程、その特徴が良く発言され、他の系統と較べれば、顔だけで区別できます。

 

image

 

声良鶏 黒鶏の顔

 

この「黒鶏」という呼称は恐らく羽色から来ていると思いますが、本当に黒っぽいんですよ(特に雄に於いては…)

ですから、品評会には不利な系統です。

 

よほど声良に精通した審査員でもないと評価してもらえません。

 

でも、この系統の魅力は、その頭部・顔面と体型にあります。

 

鶏冠はほとんど倒れがちで、酷いものは、片目が見えないぐらいに倒れており、内側の皮膚が不潔になって、ジメジメして匂うんですよ。

 

私の場合、ほとんどがこの黒鶏でしたから、この点だけは何とかならんかな~~~と思ってました。

 

やっぱり鶏冠は直立していた方がカッコいいですもんね。(皮膚の衛生面のためにも…)

 

顔面は、咽喉垂皮の発達が著しく、それがまた長い耳朶とつながり、他系がやや老けたシャモ顔とするならば、黒鶏はシャモはシャモでも大和軍鶏の顔面を呈します。もう、グロテスクとも思える程で、特に雌の垂皮は大きく目立ちます。もう七面鳥なみ!!かと言って、そんな事愛好家の前で言っちゃいけませんよ!!

ヘタしたらブン殴られますからね!

 

あの顔に何よりも魅了される飼主も多いんだから!(私も含めて…)

 

黒鶏の声良鶏 雄

 

黒鶏の声良鶏 雌

 

体型は地平のシャモ型でインディアンゲームに近い感じですね。

 

インディアンゲーム 雄 (https://poultrykeeper.com/chicken-breeds/indian-game/)

インディアンゲーム 雌 (https://poultrykeeper.com/chicken-breeds/indian-game/)

 

すなわち丈が低く、腰幅が広く、やや短めの脚部を呈する。

 

ドッシリ型で声良の中では最も重量感にあふれて系統です。

 

体質は弱い弱いといわれる声良の中では比較的強健で、昔から「黒の血を入れないとトリが弱くなってしまう」というのが愛好家の間の常識だったとよく私の師匠から聞かされました。

 

謡については、黒鶏は若干声質が高めだったとも聞いています。

確かに私も経験上「そうかな…」と思うところがありますが、黒鶏全て音質が高い訳ではなく、声良らしい謡をしてくれるものも数多く存在し、何事にも例外はあるものです。

 

この他に有名な系統として津軽白柳系があり、一般的に声良というと大体この白柳系が文献などの写真でも多く出ていると思いますよ。

 

黒鶏に較べると寸高で羽色に黒味が少なく美しい感じがあり、垂皮み小さめで立冠のものが多く、体型もやや細目で、シャモに近いです。

 

 

そして、羽色について最後に雄のエクリプスについて、

(え?エクリプスって何だ?と言う人は、鳥類の羽装について勉強して下さい。そこまで面倒見切れません!)

 


エクリプス(非生殖羽)の声良鶏 黒鶏 胴音(ドウネ)鳴きする個体



雄の頸羽のみですが、多いもので3分の2以上が黒い丸羽の非生殖羽になります。早いもので5月頃から始まり、換羽気が終了する頃には元に戻ります。ま、野鳥の世界ではよくあるケースなのですが、ニワトリでは声良以外では、私の経験上あまり見ません。

 

もっとも、他の人に聞いても異口同音で「エクリプスって何?」と言われるのが関の山でしたけど…

 

その現象は、土佐地鶏にも出現すると鶏友のS・A氏から知らされました。やはり換羽気が終了すれば元に戻ると…

 

土佐地鶏(土佐小地鶏)


この現象、他の鶏種にも発言すると判明しましたが、ほとんど聞かないのは何故でしょうか

 

やはり鶏だけの世界しか興味の無い方が多いせいか、そして、そこに生じる疑問について追及する方が少ないせいか知りませんが…。

 

そこで私は言いたいんです!

 

様々な事象に対して欲望(知識欲)を持ってほしいと!

 

鶏が好きならば、鶏に限らず動物全般、生物全般に対して学ぶ姿勢を持ってほしいと!(特に鶏ならば、洋の東西、品種を問わず全ての種類に!!)

 

そうして知り得た知識でコトに当たれば様々な、本当に様々な道の事実が見えてくるのではないか。今まで気にしなかった事が明快に理解できるのではないかと思うのです。

 

自分が好きな鶏種だけを追い求めることを否定している訳ではありません。

 

まして、他の品種も飼え!と言っている訳でもありません。

 

趣味の世界ですから、好きな品種を飼うのは当たり前です。

 

私がどうこう言える立場でもないし、又、言うつもりもありません。

 

ただ他の鶏種の事を知るのは、自分が好きな鶏種を更に深く知り得る事でもある事を知ってほしいのです。

 

諺に「百薬を舐めて一薬を知る」とありますが、正にこの一言が私の言いたいこと全てです。絶対にマイナスにはなりません!

 

※声良も最近は色々他の地域交流もあって交雑も進んでいるようで、それぞれの血統の特徴も薄れがちになっているようで気になります。

 

 

ここで声良の成立についてですが、

 

その前に秋田と青森の愛好家・研究家の説を挙げてみます。

 

①青森県 K・F氏

 ◎本県原産の天然記念物・声良鶏の成立史は、古代に有する。

 ◎青森県津軽郡岩木町大字高岡に津軽公歴代を祭る高照神社に津軽家二代藩主・信政公の槍の大鳥毛に声良の簔羽が用いられている。

 ◎津軽家の抱画師、鵜川益弘(常雲)に描かせた声良鶏の絵がある。

常雲が寛文二年(1162年)津軽四代藩主、信政公時代に招かれて描いたものは現在の津軽の白柳系の鶏である。

(これは今から370年前に描かれたもの)

 

 

②この方は、東京のS・K氏

 説1 秋田県能代から四里の山中、桧山地方が成立の地である。

 説2 同県、数の地方に岩手の南京地方から原種鶏が入ってきて、そこで長鳴鶏となった。

 

 

③青森県 K・N氏

 ・声良は、南部領が原産である。そして津軽為信が勢力を強め南部の領主が抑えた頃より、南部領内で飼われていた声良を津軽に取り寄せて祭事には鳴き合わせ会を推奨し、盛大に行われた事は伝説としても、又、色々な地方の記録に残っている。

(※声良を南部鶏と呼ぶのも事実です)

 

 

④秋田県 K・M氏

 ◎徳川時代の中期まで流行を続けた闘鶏に代わり、秋田、津軽地方で長い冬の農閑期の健全娯楽として声良が飼われるようになった。

 ◎今から300年前、秋田地鶏に越後から日本海を船で能代に運ばれた蜀鶏が川船で米代川を往復する北秋田郡・鹿角の米代川流域の人達によって運ばれ、その交配種に山本郡の一部と北鹿二郡の米代川流域に飼われていた地鶏との交配が行われ、当時の人達の趣味嗜好に改良された。

その頃の地鶏にはすでにシャモの血が入っており、現在の声良の姿・形の原型が出来あがった。

 

まあ、これが代表的な説ですが、いずれの説にも声良の謡についてはほとんど触れておりません。

 

体型等についても今イチ、ピンとこないんです。

 

ですから、ここは声良は、現在の秋田、青森、岩手三県を中心とした東北地方原産という事で良いと思います。

 

さ~て、ここから本題に入ります。

 

そう声良とはどのような進化を経て、今この世に存在しているのか?

 

まず声良が日本で作出されたのなら、あれだけの希有な特徴を持つ鶏ですよ。とっくに昔に有名になって公認されて私達の耳目に入ってますって!

 

確かに長鳴鶏は日本だけの専売特許ではありません。

 

海外にもベルギーには、ベルギッシュクレールが。トルコには最長45秒とバケモノじみた記録を持つデニズリーが存在し、他にも2~3種品種名は不明ですが、その存在が確認されています。

 

 



アヤム・プルーン

 

 

 

デニズリー

 

 

しかしながら、低音での長鳴きではないという事です。

 

ホントにいないんですよ。低音で鳴くというのは。

 

品種名は?ですが、ブラベンダーに似て前方に傾く毛冠を持ち長鳴きする鶏がいますが、その声たるや、首を絞められて今にも死にそうな声で、ギャ~~~~~~~~と鳴くトリをネットで見たことがありますが……

 

ホントに太く低い声で朗々と長く鳴く鶏は、私の知る限り外国種では聞いたことがありません。

 

ですので、声良という鶏は日本で作出された至宝とも言うべき鶏。というのは過分ですかね。

 

では、その進化のプロセスは?

 

前にも触れましたが、その成立にはマレーとアジールの大型のものがその中核を為していると思われます。

 

この両種の体型とこの両種とも野太い声で鳴く事が証明されている事が私がこの両種を源とする根拠です。

 

大きさでは、マレーが1700年前半にイギリスがインドに出征していた兵士によって(この頃は東南アジアも国々はほとんどイギリスなどの列強国の植民地になっていたので、珍しい産物は動物であれ植物であれ全て支配国に持ち去られる仕組みとなっていた)本国に導入された時、体高81.3cmあったというからハンパじゃないデカさですよね。

 

アジールにしても普通のアジールは雄2.7kg、雌2.0kgぐらいで丁度、シャモと大和軍鶏の中間的な体型のシャモといった感じの中型鶏なのですが、様々な亜種が存在し、マドラスアジールなどは体型も大きさも日本の戦闘用シャモそっくりです。

 

中でも変わっているのは、体重は雄5kg以上に達し、嘴がオウムやインコのように厚く太く大きく、これニワトリか?とも思えるような姿で、しかも尾羽(覆尾羽)が非常に長く、大型シャモの姿に小国鶏か東天紅のような尾羽を付けたようなその名もパロットビーク(オウムの嘴)アジール又は、アジールロングテール(長い尾羽のアジール)と呼ばれる品種も存在します。

 

アヤム・アジール パロットビーク(https://aseelparrotbeakindonesiafarm.wordpress.com/2018/07/26/ayam-aseel-parrot-beak-indonesia/)

 

 

パロットビークロングテールの嘴(https://m.facebook.com/100407622146508/photos/a.100415985479005/298511672336101/?type=3)

 

 

 

そして、この両種が太く低い声で鳴く事は私の以前の勤務先にタイとベトナムから来ていた人に私のシャモを見せて確認しました。

 

この方々のうち1人は相当な鶏好きで、自宅にスマトラ、マレー、アジール、更に日本のシャモ等を飼育していたと言う事で写真も見せてもらいました。

 

現地の愛好家に確認してもらいましたから、間違いないでしょう。

 

おかげで、当地の闘鶏にもけっこう詳しくなる事が出来ました。

 

そして、マレーいついてもうひとつ

 

ブラジル産のインディオギガンテという鶏が存在しますが、鶏の中で最も体高がたかいもので、大きさは1mを超えるものもあり、マレーの直系とられており、その姿は咽喉垂皮の大きいシャモといった感じです。

 

 

 

インディオギガンテ(https://galogigante.com/produto/galo-indio-gigante/)

 

アジールとマレーについてはこの辺にして、ここでなきごえについて一言

 

大シャモの鳴き声 ゴッゴゴッゴ!!と短く強く吹っ切るでしょう

 

飼主はこれを相手の首を「取って来いよ(ゴッゴゴッゴ)」と聞きなしていたそうです。

 

この声をそして鳴き方を頭において想像して下さい。

 

大シャモが静かに鳴き出して、そのまま長~~く鳴いたら声良に似てると思いませんか?

 

そして体型にしてもほとんどソックリでしょう

 

シャモと声良の異なる点といったら鳴声を別にすれば、声良がシャモよりやや毛深い事、姿勢がやや前傾している事。シャモほど筋肉質ではない事。(と言ったって、他の鶏からか較べればかなりマッチョです)それぐらいですよ。

 

では、この両種にどんな鶏が交配されて声良がうまれたか

 

さて、前述のように声良が日本の表舞台に出現した時代となったのは今から約300年位前の時代です。

 

とすれば成立としては少なくとも徳川時代中期にはその中核が出来ていなけらばなりません。

 

とすると、その原型の始まりというのは徳川時代初期以前に遡るか遅くとも鎖国状態となった徳川時代の幕開けの時期となります。

 

その頃の日本の鶏事情はどうなっていたか?

 

マレー等については有名な「長崎見聞録」にその記述があり「この鶏は我が国にいまだに見られざる剛鳥なり、その脚を高く掲げて歩く姿、又格別なり」と記されており、マレー(又は大型アジール)の大きさ、強さ、カッコ良さが良く表現されています。

 

たとえ鎖国とは言っても、全面的な出入り禁止ではなく長崎の出島などには多くの外国人が出入りしており、国内の外国とも言える様々な国々の物産展が華やかに開催されており、世界中から動物・植物・鉱物・その他全ての物資が集まったと言われています。
 

何せ日本は当時世界でも重要な市場だったでしょうからね。

 

動物でもゾウ・サイ・トラ・ライオン・ヒョウといった大動物から、世界中の珍しい鳥類、魚、虫、植物等出島の一角は、さしずめ世界の動物園・植物園といった感じだったと文献にもあります。

 

とにかく売れるとわかれば、それこそ目の色を変えて商人がそれこそ世界のあらゆるモノを持ち寄りますから、その中には当然ニワトリも含まれるでしょう(マレーなどもその中のひとつだったと考えられますよね)

 

獣肉を嫌う当時の日本国民の食性に於て最も手軽に入手できて簡単に処理できるタンパク源は、鶏こそ唯一無二の存在です。

 

卵用としても肉用としても当時、国内の実用鶏を生産性に於て綾賀するような鶏、又、好事家に高値で売れるような変わったニワトリなどはもう引く手あまただった事は容易に想像できます。現にポーランド(ポーリッシュ)などは、蘭鶏と呼ばれて大変な人気だったらしいですよ。


ポーリッシュ 雌3種類(左から、バフレース、ゴールドレース、シルバーレース)

 

そんな鶏達の中には現在では絶えてしまった品種もあったでしょうね。

 

そんな中に長鳴性をもって居なかったとは誰も断言できないでしょう。

 

もし、マレー(又は大型アジール)とその鶏が交配され、偶然生まれた太い低音で鳴く鶏(長鳴性は優性なのでFには遺伝する場合が多い)…(ま、秒数はともかく…)が愛好家の目にとまり、やがて様々な経路を辿って雪深い東北の山間地に於て独自の改良、交配による形質の固定を進化させ、やがて世界でも例を見ない低音長鳴鶏の誕生となったのではないでしょうか。

 

これが声良についての私の仮説Ⓐとなります。

 

続いて仮説Ⓑですが、弥生時代にはすでに地鶏タイプの鶏が国内で飼われていた事がハニワなどの出土で確認されています。

 

やがて時が移るにつれて大陸からは色々な鶏が入ってきたでしょうね。

 

平安時代には小国鶏やその他の昆鶏(コンケイ)と呼ばれる薩摩鶏タイプの鶏や単冠の大型鶏(大蜀鶏)が渡来し、その中に声良の原種となる鶏がいたのかも…(ほとんどは現在の中国からでしょうが…)

 

それらがその後マレーなどと出会い仮説Ⓐのような経路を辿って声良となった。

 

そして最後に仮説Ⓒ

 

今のロシア、旧ソビエトから南下してきた鶏との出会いがよそうされるケースです。

 

品種名は不明なのですが、ロシアにも長鳴鶏が存在すると聞いた事があります。

 

単冠で脛羽のある品種だと言う事ですが…

 

この脛羽というのが気になるんですよ。

 

というのは、10年前に東京で獣医をしている東北出身で声良の研究家でもある北林氏から明治の頃の声良を描いた絵馬の写真を頂いた事があります。

 

美しい白笹で豊富な長い尾羽を地に曳いた雄の絵馬でした。

 

まあ、美しい白笹と長い尾羽はややデフォルメされた感があるとしても、特筆すべき事は、その雄の脛に多量の脛羽が密生していたのです。

 

そう、声良は初生雛から大雛期にかけて必ずと言っていいほど雄・雌を問わず脛羽の発生が見られます。本数の多い少ないはありますが…(もっとも現在はあまりみられないと言われますが…)

 

ほとんどは成鶏になれば痕跡的になる場合が多いですが、中には完全成鶏でも3~4本の脛羽が残ってる場合もあります。

 

その事から考えてもそんな鶏との出会いが、マレーなどとあったのではないかと考えられない事もないと思われます。

 

そしてそんな血を継ぐ鶏(マレー等の姿と長鳴性、そして脛羽を有する)が東北地方に…。あとは仮説Ⓐと同じ

 

でⒶⒷⒸの仮説となる訳ですが…

 

次に蜀鶏・ブラマ(ダーク)・小国鶏との関係です。

 

第1に前にも書いた通り、声良とはシャモと蜀鶏との交配で生まれた説はかなり根強く広がっています。

 

それにブラマ(ダーク)を交配して声量豊かな声良を作出したと言う意見もけっこう知られています。脛羽があるものもブラマの血が入っている証だと…。そりゃあれだけ脚羽が豊富ですからね。

 

そして尾羽の配列が小国鶏から受け継いでいると…。

 

それに小国鶏は長鳴性があるかと…。

 

実は私、シャモと蜀鶏、そしてブラマとの交配は実施した事があるんです。

 

しかも何百羽単位でネ!

 

今から約40年前になりますが、私が友達(福島県)が鶏肉がすきなのを利用してもらって私から大シャモ(赤笹・雄5.8kg、雌4.5kg)と蜀鶏(真黒・雄3.7kg、雌2.8kg)を提供し、その交配種を食用にして良いから、せめて生後1年までは食べないという約束でネ。

 

何せ広い場所での放し飼いでしたから色々なシチュエーションが実施できました。

 

雄・雌の配合を変えたり、戻し交配させたり自分では世話しないもんだからもう楽で楽で。私はたまに様子見に行って確認だけすればいいんですからね。

 

おかげで様々なデータが取れました。

 

都合4年ほど続け、ざっと500羽ほどの鶏の出来具合を見る事ができました。(ちなみに雄は300羽程でした)

 

結果、最初から嘴を大きく開いて高い声で勢い良く鳴いて7~8秒鳴くモノは出ましたけど、低音で静かに鳴き始める雄は1羽も出ませんでした。ただの1羽も!

 

まあ、体重が大きくても4kgに達しない現在の蜀鶏と4.5kg以上のものも普通に存在したという昔の蜀鶏とでは若干結果も異なるものになったかもしれませんが、一応のデータとしては検証に足るものになったと思います。

 

この結果を見れば「ホントに声良ってシャモと蜀鶏との交配でできたのか。そう言っている連中は試してみたのかねぇ」と疑りたくもなるでしょう。

 

そして、これらの交配種にダークブラマを交配してみたけど、声は高くなってしまうし、又、短くなるしもう散々でした。体型の方はいくらか細身で寸の高いブラマって感じで中々カッコよかったですけどネ!(声良にブラマを交配したこともあったけど同じでした)

 

最近のネットを見たら横斑プリマスロックを交配したってありました。

 

プリマスロックはその成立に於て交配記録が克明に記録されており(海外実用種はその作出工程が明らかになっているものが多い)

 

黄斑種が最初に展示されたのは、1849年ボストンで、今からたった163年前です。(日本に輸入されたのは1887年(明治20年)です)

 

500年以上の歴史を持つ声良にどうやって関与するんですかね?

 

全く少しは歴史について勉強してからコトを行ってほしいですよ。

 

横斑プリマスロック 雄

 

次に小国鶏との関連ですが、小国鶏と言えば言わずと知れた地鶏の次に古い鶏種とされその尾羽の配列などから地鶏・シャモと共に日本鶏の成立に多大な影響を与えた日本鶏の祖とされる銘鶏です。

 

あの気高さと凛とした佇い。その完成形はタメ息が出る程美しいニワトリですからね。私も大好きな品種です。

 

でも、声良との関係と言われれば正直かなり薄いと思います。

 

その理由のひとつ。古い文献に必ずあるんですよ。

 

小国鶏は長鳴性があるって記述が。

 

でも私、この世界に入って53年になりますが、長鳴きする小国鶏にはこれまでお目にかかった事がありません。

 

本当に長鳴き性をもっているなら、1羽位出会ってもいいと思うんですけどね。

 

それともその頃とはトリが違うんですかね。

 

尾羽の配列にしても200とも300とも言われる鶏の品種の中で小国鶏以外にその尾羽の配列を持つ鶏はいないのか。

 

すでに絶えてしまった鶏でシャモ型でその尾羽を有する鶏は、存在しなかったのか。そして存在しなかったと断言っすることはできるのか。私ならばとてもできません。

 

だって証明できないでしょう。存在したかなんて…

 

従って小国鶏の関与が100%無かったとは言いませんが、あったとしてもごくわずかじゃないかなと思います。

 

で、シャモと蜀鶏、ブラマ、小国鶏との関連が一応済んだところで、出てくるのが前出の④K・M氏の説です。

 

今から240年前。秋田地鶏と蜀鶏それにシャモの血が入った地鶏との交配、選抜、改良の結果というせつですね。

 

具体的に品種名が出てきたのはこの説だけですが、ぞれぞれの特徴、体型について蜀鶏以外わかりません。

 

秋田地鶏?雁鶏か比内鶏かあるいはそれ以外のモノか?

 

シャモの血の入った地鶏?脛羽があるのか?

 

まあ大体は想像できますが、この3種の交配だとシャモ型になりますかね?やや姿勢が直立して尾角の高い比内鶏タイプになりませんか?じゃあ鳴声は?長くなるのか?太い低音で嘴を閉じて鳴くのか?

 

ですので、この説も今イチわかりません。

 

結局のところわからないというのが事実なんですよ。

 

色々書いてきましたけど、血液とか遺伝子の分類でも、現在のところはまだ結論はまだ出ていないという事ですから、今は想像するしかないですね。楽しんで想像しましょ!!

 

次、声良の最大の特徴、謡についてです。

 

声良の謡は

 

1、出シ・・・鳴き始め、嘴は閉じて(ゴッゴゴッ)

 

2、付ケ・・・声の調子を一段階下げて、口ごもる感じで(オ~~~~)

 

3、張リ・・・声良の謡の真骨頂と言うべきうなり声とも思える低音で朗々と謡う

 

4、引キ・・・嘴を徐々に開きながら、なだらかに止メに向かう。

 

5、止メ・・・最後は消えるように終わる事が望ましい。

 

の五段階に分けられさらに

 

・音色・・・色々ありますが(後記)

 

・太さ・・・細い声より太い声が好まれます。(あたりまえ)

 

・長さ・・・6秒以内は失格。基本的に15秒以上が理想。

 

の要因を考察して、判断するとされています。

 

といった感じですが、

 

要は、太い低音で長く鳴けばいいわけですね。

 

鳴き方が1本調子であろうが長鳴鶏は長く鳴いてナンボですから!

 

いくら声が太くて低くて節回しが良くても6~7秒よりは、1本調子でも20秒近く鳴いた方が長鳴鶏として素人にも認めてもらえますよね。

 

ただ最初から嘴を大きく開いてゴッゴゴオーーーーッ!と短く終わってしまうようでは声良としてはどうかなとは思いますが…

 

なお謡が鳴き終わった後も声は出ていないのに嘴を開いて鳴いているように見えるのを空鳴き(カラナキ)と言いますが、鳴きの秒数にこの時間もプラスして加える所も中にはあるそうですが、これはいただけませんね。

 

やはり、実際に声が出ていなければ鳴いているとは言えないですので…

 

中には空鳴きの時間も含めて、やれ20秒だ何だとか自慢する人もいますが、それを言うなら以前私のところで30秒超えるトリもいましたよ。

 

やはり、計測は実声で計測して頂きたいですね。

 

声が出ていないのにその分まで計ってどうするんですか!

 



声良鶏の鳴き声(15秒) 新潟県弥彦村 弥彦神社内 長鳴鶏鳴き合わせ会にて撮影




秋田県鹿角市で開催された天然記念物全日本声良鶏謠合大会撮影 古鶏


秋田県鹿角市で開催された天然記念物全日本声良鶏謠合大会撮影 新鶏



秋田県鹿角市で開催された天然記念物全日本声良鶏謠合大会の様子



(謡い方について)次のような種類があるそうです。

 

1、上声(ウワゴエ)・・・軽くて高い音質

 

2、丸声(マルゴエ)・・・上声よりやや低い音質

 

3、平声(ヒラゴエ)・・・渋さを持ち底声より若干高い音質

 

4、底声(ソゴエ)・・・声良で最も理想とされる荘重な謡声

 

5、うなり声・・・最も太く低い音質。私はこの音質の中でも胴音(ドウネ)と呼ばれる響きのある声が一番好きです。

 

これ以外にも中間型とか色々あるが単に声の長短高低より、堂々と朗々と一定の形式を備えた声であるのが最良との事!

 

 

 

以上好き勝手書いていきましたがどうでしたか?

 

今回は声良でしたが、私、鶏であるならば何でも好きです。

 

大型であろうが小型であろうが、また洋の東西を問わず、純粋であろうと雑種であろうが関係なし!

 

1羽でも多くこの目で見たいです。生きているうちに…。

 

1羽でも多く触れ合ってみたいです。体が動くうちに…。

 

今、私の所には声良を始めとして、大軍鶏、小軍鶏、矮鶏、鶉矮鶏、簔曳矮鶏、比内鶏、蜀鶏、東天紅、簔曳鶏、小国鶏、烏骨鶏、土佐地鶏。

洋鶏では、ブラマ、コーチン、黄斑プリマスロック、北京バンタム、ポーリッシュ、シブライトバンタム、モダンゲームバンタムと計19品種。それと最近加わった尾長鶏を含め合計20品種123羽の鶏に囲まれていますが、年金暮らしの身ではコレが限界です!


今まで飼養した品種は上記の他に日本鶏では大和軍鶏、河内奴、地頭鶏、南京軍鶏、黒柏、薩摩鶏、他にウタイチャーン、名古屋、天草大王、胴切九斤。洋鶏は、白色・褐色・黒色のレグホーン、黒色ミノルカ、銀色点斑ハンバーグ、ロードアイランドレッド、ニューハンプシャー、黄斑と白色のプリマスロック、サルタン、コーニッシュ、スマトラ、フェニックス等がおりましたが、もっともっと色々な鶏を手元に置いてみたいです。

 

洋風の庭園に良く似合うフランスのファブロール。

 

大きさでは3本の指に入るアメリカのジャージージャイアント。

 

大きな体に短い脚。イギリスのドーキング。

 

ブラマの弟分のようなアメリカのワイアンドット。

 

その名も赤い帽子。大きなバラ冠を頂くイギリスのレッドキャップ。

 

もうキリが無いです。

 

でも、私が生存期間はせいぜいあと20年ぐらいですからね。

 

まずムリです。

 

ま、好きな道ですから、このまま進んでいきますよ。

 

何せ、鶏は私に生まれてきた意味を教えてくれた存在ですから!

 

※こんな調子だから結婚できなかったんだようなァ・・・。(後悔×10)

 

終わり

 

 

著者:岡山七五三男

ここ2日間は、愛鶏家さんとのお話の日々でした☺️


先ずは、昨日ですが、
2020年に高知県南国市に尾長鶏聖地巡礼の旅の際にお会いした愛鶏家のT様とビデオ通話でお話しし、尾長鶏達を見せて頂きました☺️
その後、写真を送って頂きました☺️

一部紹介


昔ながらの止箱(トメコ)





尾長鶏達































尾長鶏も美しいですが、お庭も美しいですね😍



この写真の中の1羽の種卵を2020年に頂いており、現在、その孫、曾孫が我が家におります。


この鶏が2020年に頂いた種卵の雄親なのですが、


おそらくこの鶏が同一人物ではないかと🤔

↓↓↓


冠切れが一緒なのと尾長鶏にしては鋭い目つきなのがそっくりかなと思います。


この遺伝子が我が家の鶏にも流れていると思うと、、、

将来が楽しみで仕方ありません🤤


この尾長鶏達を産む雌達

白藤のメス


褐色のメス

奥の個体は、色が濃いですね🤔

油種?

雄がどの様な色に仕上がるか気になります🤤


白色種のメス


こちらでは、3内種全て飼育されていますが、現在は、止箱の数の問題と尾羽の質の問題で白色と褐色の止め雄は居ないそうです。



尾羽の質と言いましたが、これは尾長鶏を飼育した事がある方は分かると思いますが、尾長鶏の尾羽にも固いもの柔らかいものなど、個体によって様々です。

一般的には、柔らかく柔軟性のあるのが好まれます。

好まれると言うより、柔軟性のあるものでないと、将来的に折れる事があるのです。


同じ兄弟でも、その差はかなりあるので、その見極めが愛鶏家に求められます。


系統差や内種差もあるので、他の内種でも柔軟性のあるしなやかな尾羽の尾長鶏を作りたいですね☺️




同じく、尾長鶏の話題で、

昨日、愛知県の愛鶏家さんから、尾長鶏の卵9個を送って頂きました☺️

雌親は、昨年私が送った卵から孵化した個体で、


雄親は、

このような個体です。


遺伝的にどの様な背景があるかは謎ですが、近親交配の回避の為に役立ってくれればと思います☺️


孵化予定日は、3月3日です。




続いて、本日ですが、


岩手県からわざわざ尾長鶏を見に、声良鶏愛好家のKさんがいらっしゃいました🤗


Kさんとの出会いは、昨年の秋田県鹿角市の声良鶏謠合会の時になります。

詳しくは↓


昨年の6月に軽くお話しし、11月には声良鶏のメスを2羽譲っていただき、LINEや電話でたまに連絡を取り合っていたのですが、尾長鶏が見たいとの事で、この三連休を利用して、わざわざ来てくださいました☺️


狭い我が家の止雄の飼育場の見学と尾長鶏の見学が、私の繁殖場へ移動して、茨城県の声良鶏愛好家のO氏と鑑賞バト愛好家のT氏と合流して、鶏談義がスタート照れ


12時30分頃に集まり、気が付けば、15時に😆笑


まだまだ話し足りないのですが、帰りの新幹線の時間もありますので解散




そして、、、



なぜか、、、






私のところに声良鶏のメスが爆笑


また家族が増えてしまった😆



この他にも、茨城県の尾長鶏愛好家のS氏とも電話でお話ししました。

Sさんは、私の元兄弟弟子で、同じ血統の尾長鶏を保存しており、昨年オスを1羽譲っていただき、たくさんの雛を孵化する事に成功しました。

残念ながら、その時のオスは、放し飼いで順調に尾羽が伸びていたのですが、止まり木に尾羽が絡んで、ぶら下がってしまうと言う事故に遭い、そのまま亡くなってしまいました😢


Sさんから頂いたオスです↓




↓↓↓これら全てが息子になります。

(※メスは3羽使用)







さ!どう育つか😁







おまけ







昨年から始まった漣尾長鶏作成作戦


先日の雪の日に孵化し、無事に歩き始めました。


F1なので、雛にも色々な色が出ますね。


横斑柄が3羽。白藤系が6羽(内2羽程は、白藤に縞模様が出るタイプになると思う)















さて、この中に良い鶏はいるか🤔








昨日は、久しぶりに関東も大雪が降りましたね。

鶏小屋周辺も雪で覆われました。



さて!さて!!

このメスが抱いていた卵が昨日〜本日にかけて孵化しました🐣


10個中9羽孵化しましたでした。


こちらの雛の父親は、

この横斑です!


このオスは、横斑プリマスロックと尾長鶏白色種のF1個体です。


それに、映像にも映っている尾長鶏白藤種を戻し交配しました。



3分の1が横斑になりました。



さて、この先どう育つか🤔


新しい内種を作るのは、大変ですが楽しいですね☺️



祖父の横斑プリマスロックくらい綺麗な柄の物が生まれると良いのですが、難しいですね💦



まずは、この様な鶏を作らなくては!!