石油の臭いで目が覚めた

気のせいだったみたい

食パンは198

予想通りの味がする


左手はグローブみたいに腫れてく

右手は小枝ぐらいに痩せてく


おなかがすくのは嫌い

食べたいものはない

まるで生きてるみたいだ

笑っちゃうね


空気はうっすら緑色

なんか泳いでるみたい

一つ目鬼の鉛筆画が追いかけてくる

何かしたかな 


瞼の裏を這いずる光る虫

寄せては返すシンバルの音


わざと焦点を合わせない

見ない なにも見ない

流れる音の 絵の海

つかれたなあ


喉の奥から 何かが のぼってくる

ぬるぬるのいきもの 目がない

俺の中身はそいつに食い尽くされたらしい

葡萄の皮みたい なさけないな


おなかがすくのは嫌い

見つめ合うのも嫌い

畳の上だからいいか

浮かんでたい