東北の旅〜⑩東北の古刹、山寺へ〜
“閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声”
東北旅行の最終日は、松尾芭蕉が名句を詠んだ場所としても有名な“山寺” へやって来ました。
奥の細道の旅で、芭蕉がこの地を訪れたのは1689年のこと。
それから約320年後、芭蕉が登ったその同じ山を登ります。
松尾芭蕉像のすぐお隣にいらっしゃったのは、芭蕉の門人の曽良。
曽良は芭蕉に伴われ一緒に旅をしたのです。
芭蕉の名句が生まれた瞬間を知る唯一の人間かもしれませんね。
山寺の正式名称は“宝珠山 立石寺”(ほうじゅさん りっしゃくじ)
860年に天台宗の慈覚大師が開山したと伝えられる霊山です。
山寺の登山口近くに車を停めるや否や、駐車場のおいちゃんが「はい、1015段ぽっちだから頑張ってね‼︎」と…(^^;;
ありがたい応援に感謝です☆
序盤は本堂などを眺めながらのんびり散歩。
さぁ、ここからはいよいよ道のりが険しくなってきます。
煩悩を払拭すべく、いざ修行に参ろうぞ!p(^_^)q
鬱蒼とした木立ちの中、苔むした石段が続きます。
道すがらの案内板。
まだ三分の一か……こりゃぁ、えらいこっちゃ。
“せみ塚” は、芭蕉が石の塚を立て、閑かさや…の句の短冊を納めたと伝えられる場所。
静けさを感じようにも、聞こえてくるのは異様な程にドキドキの自分の鼓動。
日頃の運動不足を実感(^^;;
あと、どれくらい?と見上げるも、そこには険しい岩山が立ちはだかっております。
まだ半分にも満たずです。
“弥陀洞” は、凝灰岩の岩肌を長い年月の風雨が削り、4.6メートルの阿弥陀如来の姿を作ったのだそうな。
仏様に見える人には幸福が訪れるとのこと…
も…も…もちろん、私にも仏様が見えましたとも!^_^;
岩盤には岩塔婆が刻まれ、数多くの卒塔婆もたてられています。
“死後の魂は山寺に還る”という、独特の庶民信仰がこの地にはあるのだそう。
仁王門の辺りから、美しい紅葉が見られるようになってきました。
見上げる空はどこまでも青く澄み渡っております。
登ってきた石段を振り返った先の山並みが美しい。
こちらがゴールの奥の院。
ようやく登りつめました。
境内にある青銅製の灯籠は、日本三大灯籠にも数えられる立派なつくりです。
奥の院の手前の脇道を入ると、国の重要文化財である“三重小塔”があります。
大きな岩をくり抜いた中に、朱塗りの塔が祀られていました。
重要文化財の横には、恐らく民家がありまして…。
この場所での日々の暮らしはどのようなものなのでしょうね。
1日1回、回収される郵便ポストが設置されていたのにもビックリしました。
この右手の道の先に五大堂があり、山寺随一の絶景が望めます。
眼下に見えるのは、苦労して登ってきた石段と、紅葉に色付く険しい岩山。
我ながら、よく登ってきたものです。
この苦労が報われる絶景は、もう目と鼻の先です。
ari-kaz ♀