ホームレスの人達が福島の除染作業に「リクルート」される
Japan's homeless 'recruited' for cleaning up Fukushima nuclear plant



12月30日【RT】http://rt.com/news/homeless-recruited-fukushima-nuclear-965/


産業化した世界の中で最も避けられている仕事、つまりチェルノブイリの事故後、最悪の原子力関連の大惨事となった稼働不能の福島原発で放射性降下物の除染を行う作業に、ホームレスの男性らがリクルートされていることをある特別な報道が主張している。


ホームレスの人のリクルートを行っているササ・セイジ(Seiji Sasa)は、日本北部の仙台市で「採用人員」を探す方法と場所を、ロイターの取材に対して話している。このヘッドハンター(人材スカウト係)は、福島の災害現場の請負業者にホームレスの人を一人あっせんする毎に、100ドルの報奨金を受け取るという。


「私のような人材リクルーターが毎日、ここにこうやって来ています」


ササが説明した。冬の寒い気候の中、貧窮し段ボールの上に寝ている人達の横を通りながら、これ以上何もなくすもののなさそうな人材を探すのだという。


一方、同施設の完全な除染作業には、期間にして30年、費用として最高で10兆円(1,250億ドル)がかかる可能性があるとされている。これは、日本の国内総生産(GDP)の約2%、または日本政府の年予算の11%に相当する。


福島第一原発の廃炉作業を行っている運営会社の東電(Tepco)によれば、2015年だけでも12,000人の作業員を必要とするというとのことだ。しかし、同社およびその下請け業者はすでに、従業員不足に面しているという。





政府のデータによると、福島原発には現在、8,000人前後の従業員がいるものの、人員数のうち25%は募集を行っているということだ。


そしてこの人員不足は、ホームレスや路上生活をする無職者によって埋められるのが通常である


先月のレポートによると、これらホームレスの中から壊滅状態の原発施設の除染作業に採用された人達は、最低賃金よりも安い賃金で働かされ、さらに、日本の悪名の高いヤクザというギャングに連れてこられた者もいるという。


RTのレポーター、Aleksey Yaroshevskyはある調査ジャーナリストと会うことができた。福島原発内に覆面捜査のために赴き、隠しカメラ機能付きの腕時計で撮影を行っていた人物である。
 

ある建設計画について、迅速に多数の労働力が必要になった際には、日本人のボスがヤクザに電話をかけるのが普通だ、とその覆面捜査を行った調査ジャーナリストは言う。


11月のRTとのインタビューで、スズキ・トモヒロ(Tomohiko Suzuki)氏は次のように話している。


「福島の場合は、政府が東電に対して緊急の措置を取るように命令し、東電が自分達の下請企業に中継し、東電の下請企業では常に作業員が不足しているため、最終的に下請けがヤクザに援助を要請する、というという流れなんです」


現在、福島県では50のヤクザ組織から1,050人が活動を行っていると、日本の警察は公表している。


今年の早い時期には、最初の逮捕者が出た。

壊滅状態の福島原発に、免許を持たないのに作業員を連れて行った嫌疑に対し、一人のヤクザが拘留されたのだ。アライ・ヨシノリは作業員の賃金を一部受け取り、二年の間に6万ドル(約630万円)を着服していた。

また、大量の放射能に被ばくしていた除染作業員の多くは、被ばくしていることにさえ知らされておらず、健康上の被害に対する保険もなく、放射線測定さえ行われていなかったことが明らかになった。


2011年3月の地震と津波による壊滅的なダメージにより、1万9千人近い犠牲者を出し、何万人もの人が家を失い、福島原発では何度もメルトダウンが発生し、広範囲に渡って放射性物質を噴出している。

メルトダウン後の避難区域の半径は、香港よりも大きい。原子力の専門家は、一部の地域は何年も汚染されたままであるだろうと予想している。


現在のところ、日本の原子力発電所のすべては稼働停止している。

原子力規制委員会は稼働停止中の原発で安全確認を行った後に再稼働する予定としているが、NHKが最近行った意見調査によると、調査対象者の半数近くがそれに反対しているとのことだ。この計画に反対しているのは45%いるものの、賛成しているのは19%に過ぎなかった。

他の質問では、第一原発の施設からの放射性物質に汚染された水の漏えいの対処についての満足度を聞いていたが、70%近くの回答者が不満であると答えている。


東電の核災害に対する対応は大規模な失敗により滞っており、その中で批判が広まり、福島関連の作業を政府の統治下に要請する声が高まっている。


今月上旬、日本政府は東電の半壊の原発の除染作業に、税金をさらに割り当てる予定であることを発表した。

日本政府の次の三月までの財政年度における補正予算の新案では、原発で増加し続ける汚染水の対応や、メルトダウンした3炉の廃炉作業に4.8億ドル(約504億円)近くを割り当てている。

さらなる除染計画については、国の公共事業予算を通して資金が提供される見込みだ。