大麻がPTSDの改善に有効であることが研究結果より明らかに
Study finds marijuana post-trauma benefits
2014年【the Jerusalem post】

 

(画像 http://consumeintelligently.com/2014/05/cannabis-and-post-traumatic-stress-disorder-ptsd/

 

合成カンナビノイドをトラウマ(精神的外傷)を与える出来事の直後に投与することで、そのトラウマの記憶を引き起こすものに触れた際のPTSD状の症状を防止することが可能であることが、ネズミを研究対象にした実験から明らかにされました。

 

この発見はイスラエルのハイファ大学精神学部のNachshon Korem氏とIrit Akirav博士によってなされたもので、Neuropsychopharmacologyという(訳注:神経学、精神学、薬理学を一つにした言葉)医学雑誌上に公開されたばかりです。

 

研究者:「カンナビスのPTSD(心的外傷後ストレス障害)に対する好影響を脳をベースに理解することに貢献するところが、この研究の重要な点です。


これにより、精神的外傷を与える出来事への反応としてのPTSDおよび不安感への発達を防止する可能性のある方法として分析するために、人体での治験を行う必要性があることを示しています」

 

総人口の約9%がPTSDに苦しんでおり、ホロコーストの生き残りや戦闘兵士、懲役受刑者、暴行の被害者、対立の境界線にいる市民などの一部のグループでは有病率はこれよりも高くなっています。

 

「トラウマ・リマインダー(trauma reminder)」という、本質的にはトラウマ的ではないにもかかわらず、トラウマを受けた経験の記憶を呼び戻す出来事に直面した際に、トラウマの悪影響がより強められることが、トラウマに苦しむ人たちに共通している現象です。

 

たとえば、「赤色」のサイレン(空爆の警報)の結果としてPTSD症を発症した人にとっては、トラウマ・リマインダーは大音量のカーアラームに続いて起こります。

 

Akirav教授は彼女自身が実施した以前の研究から、トラウマになった出来事が起きてから、一定の時間内にカンナビノイドを使用することでネズミにPTSDが発症する率が減少することを発見しました。

 

現在は博士課程の学生N.Korem氏と同研究が行われましたが、この中では患者がトラウマ・リマインダーに接した場合においても、カンナビノイドによってトラウマの影響を緩和させることが可能かを検証することが目的でした。

 

ネズミはストレスが多く、トラウマ的な出来事に反応する際に人間と肉体的な共通性が大きいために、研究者は被検体としてネズミを選択しています。

 

この実験の前半では、ネズミは電気ショックというトラウマ的な出来事を経験し、治験の3日目、5日目にトラウマ・リマインダーに直面しました。

 

この出来事の後で、かつ全研究で発見された時間内に一部のネズミにはカンナビノイド物質が注射されました。ネズミはその後、トラウマに対する消去処置を受けました(人間がPTSDの症状に対処する目的で受ける疑似体験療法に類似した条件付きの心理学的処置)。

 

カンナビノイド物質の注射を受けたネズミは注射を受けなかったネズミと比べ、PTSDの症状が起こりませんでした。この症状には、消去学習の障害や驚愕反射の増加、痛みの感度の変化、脳内の報酬中枢(側坐核)の可塑性の障害などが含まれます。

 

研究チームによると、カンナビノイドの注射を受けたネズミは、PTSDの症状を軽減に限定的な効果しかないものの使用されているセルトラリンという抗うつ剤を受けたネズミと比較しても、よりよい結果が出たということです。

 

実際のところ、カンナビノイドの注射を受けたネズミは、トラウマ・リマインダーに接していないネズミと一部の症状において同様の行動を取ったことが確認されました。

つまり、カンナビスによってトラウマ・リマインダーの影響が「消失した」ということです。

 

 

【参考】http://www.jpost.com
http://newmedia-eng.haifa.ac.il/?p=6774

http://www.ibtimes.co.uk/medical-marijuana-after-traumatic-event-prevents-ptsd-symptoms-1464037

 


(翻訳終了)
***

 

【コメント】

今週は学校の学期の中休み(ハーフターム)で、翻訳のペースが少し落ちています。

 

2014年と少し古い記事ですが、翻訳しました。

 

こちらはイスラエルの大学で行われた研究結果で、人体実験が必要ということでした。

しかしアメリカでは、戦争従事などでPTSDになった退役軍人がかなりの数になっており、さらに一部で医療目的の大麻の使用が認められているため、実際にPTSDの症状の軽減のためにカンナビスを使用し、成功を収めている退役軍人などのグループが多数存在しています。

 

そのうちの一つのグループの、Facebookページのレビューがこちら。
https://www.facebook.com/Marijuana-for-Trauma-Inc-447354378709859/reviews/

 

PTSDを負い、退役したものの真っ暗な闇の中で自殺願望と共に生活していた人たちがこのグループによってどれだけ救われたか、人生が変わったかを力説しています。

 

 

「イラク・アフガニスタンの退役軍人の50万人がPTSDになっています」

 

(画像 http://www.marijuanapassion.com/forum/showthread.php?p=976723

 

 

アメリカやイギリスでは、海外などで戦場に従事し、PTSDを負ったままの退役軍人が非常に多く存在しています。さらに2012年、アメリカでは戦場で死亡した人よりも自殺した軍人の方がとうとう上回ったという情報もあります。

 

 

 

(画像 https://www.statista.com/chart/2607/us-military-suicides/

 

 

 

そして、いつもとてもお世話になっている大摩邇(おおまに)様に大変気になる記事がありました。

 

「英国  大麻からの抽出オイル入りドリンク、健康飲料として発売」( 紙幣の不思議2さんのサイトより

http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/2010901.html

 

こちらから一部引用させていただきます。

 

「 『リラックス』という商品名で販売されている、このボトル入り飲料の成分は、ヘンプ・シード、カシュー、デーツ、ココナッツ・オイル、バニラ、水、そして大麻から抽出されたCBDオイル

 

デーツというのはナツメヤシのドライフルーツで、中近東で伝統的な食べ物です。その自然な甘みからローフードで甘みをつける際によく使用されています。しかもデーツは、栄養価が非常に高く、イスラム教の聖典コーランに「神の与えた食物」、旧約聖書には「エデンの園の果実」と記載されているのだとか。


おいしそうなミルクですね😋

しかし販売されるのは、現在のところ、イギリス全国ではなくロンドン市内の複数のカフェでだけのようです。このミルクは、生食(ローフード)、オーガニック(有機栽培)、ビーガンなどをキーワードに、飲食物を提供しているRawligionというカフェです。

 

「不安感に悩まされている皆さんへ朗報です!

カンナビノイド入りでリラックス効果のあるミルクが販売開始され、しかもおいしいのです」

http://metro.co.uk/2016/10/24/attention-all-anxiety-sufferers-you-can-now-get-relaxing-cannabidiol-milk-and-its-delicious-6206767/

 

 

今度ロンドンに行くことがあったら、ぜひ試飲してレビューをしたいと思います❤

元気丸様、とてもおもしろい情報をありがとうございますm(_ _ )m

 

PTSDになっている人の数の多さにも驚きましたが、そこまでの程度でなくとも大人であれば心に傷の一つや二つのある方も多いのではないでしょうか。カンナビスは鬱にも有効だとも言われていますが、同じような機構で働くのかもしれないですね。また関連記事があれば翻訳します。

 

医療大麻のビジネス利権についても非常に興味深い記事がありましたので、またその内に翻訳します。

 

 

 

【関連記事】

 

大麻(医療大麻)に関する過去記事一覧

http://ameblo.jp/wake-up-japan/theme-10079672657.html