トランプ:アサドを攻撃すればアメリカは「ロシアと戦争する羽目に」と警告
Trump warns that by attacking Assad, US will ‘end up fighting Russia’

11月12日【RT】

 

 

大統領選挙直後、WSJから初めてのインタビューを受けたトランプ氏(70)は「シリアに関しては多くの人たちと反対の立場に立っている」ことを明らかにした。

 

シリア紛争開始後から、バラク・オバマの外交政策はイスラム国(ISIS)を打倒するとされていたいわゆる「穏健派」の反抗勢力を支援し、訓練することで、アサド政権を転覆させることに焦点が向けられていた。

 

 しかし今年、アメリカ政府がロシア政府との合意に基づき、国際的に悪名高いテロリスト集団とアメリカの穏健派抵抗勢力を分離させるという約束を反故にしたため、上記の取り組みは暗礁に乗り上げることとなった。

 

その一方、アメリカはシリア国内の政権変更を追求するのではなくイスラム国と戦うことに専念するべきだ、とトランプ氏は金曜に述べている。

 

「あなたはシリアと戦い、シリアはISISと戦い、あなたはISISを取り除なかなければならない、というのが私の考えです。

 

ロシアはシリアと完全に同調し、今ではイランもそこに加わりました。そしてこの動きは私たち(アメリカ)がシリアと同調することでさらに強力になるでしょう・・・

 

今私たちはシリア政府に抵抗している反乱軍を支援していますが、この人たちがいったい何者なのか、私たちにはまったくわかっていません」

 

アメリカが穏健派抵抗勢力に供給している武器がシリア国内の過激派の手に渡っているということは広く証拠が記録され、報道されてもいることだ。この兵器は最終的には聖戦主義の過激派に使われ、市民の居住地区への攻撃やシリア政府軍に対抗するために配置されている。

 

大統領選に勝ったトランプ氏は、アメリカがアサド氏を攻撃した場合にはアメリカは「ロシアやシリアと戦う結果となる」と警告した。9月17日、アメリカ主導の連合軍がデリゾール市近郊に駐留していたシリア政府軍を爆撃したことで、米露間の停戦協定が崩壊している。


しかし米露間の親交関係は、トランプ氏がロシアのウラジミール・プーチン大統領から「美しい」手紙を受け取ってから回復の兆しが見え始めている。トランプ氏によると、電話での対談も間もなく行う予定だということだ。

 

プーチン政権の大統領報道官であるドミトリー・ペスコフ氏は、AP通信に対し、ドナルド・トランプ氏とウラジミール・プーチン氏は「国際情勢に対する基本的な姿勢が非常に似ている」と話している。

 

報道官:「(トランプ氏は)ロシアとアメリカは世界に対する戦略的な安定、防衛に関して共同で責任を負っているため、両国間の良好な関係をゆるぎなくサポートし続けています」

 

トランプ氏の大統領選勝利の直後、プーチン大統領からはロシア政府がアメリカと二カ国関係を再構築することを楽しみにしていると祝辞が送られた。

 

しかしアメリカ軍部のエスタブリッシュメントはすでに、トランプ氏の政策に反対する動きを見せている。

 

国防長官のアッシュ・カーター氏はCBS局の番組で、ロシアに対する非難を集中砲火のように浴びせている。

 

彼曰く、シリア国内でのロシアの軍事活動は同国内で進行中の破壊行為に「火に油を注いでいる」とし、「アメリカが(シリア国内で)行う必要があると考えていることを、ロシアが行っていない」と主張。

 

【関連記事】シリア国内でロシアによる反ISIS作戦開始から1年・5つの主要な業績(RT、英語)

 

カーター氏:「ロシアはテロリズムと戦い、アサドを(政権の座から)外すと言っていたのを覚えているでしょうか?」

「ロシアはそのどちらも行っていません。その何もしていないのです」

 

一方、ロシア政府はシリア国内でのイスラム国やアルヌスラ前線などのテロリストの撲滅には取り組んでいるものの、バシャール・アサド大統領を強制的に引きずりおろすことに関与するとは一度も言ったことはない。

 

番組の司会者が「ロシアはアサドを援助しているのですか?」と質問すると、カーター氏は次のように答えた。「その通りです。これによりシリアの内戦が激化しています。そのため、ロシアがシリアで行っていることは、完全に後進的なことなのです」

 

「だからこそ、ロシアが正しいことを行い始めない限りは、アメリカ自身がロシアと関係し、共に働くことに賛成することはできませんし、大統領に勧めることもできません」

 

 

【参考】https://www.rt.com/news/366647-trump-syria-isis-russia-relations/

 

 

(翻訳終了)

 

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【コメント】

 

ようやくアメリカからシリアに関して至極まともな考えが明らかにされたのは非常に嬉しいことです。

 

そして米軍部エスタブリッシュメント側が「ロシアがアサドを(政権の座から)外すと言っていた」とネットがなければそのまま通用しそうな大嘘を公言したことに対するRTの返しがいいですね。プーチンは何度も「アサドを政権から外すことは望ましくない」と言い切っていますし、国家の主権を考えると外国が口出しをするべき問題でもないでしょう。特にシリア国内でのアサド政権の人気は絶大なものがあります。民主主義国家を名乗る国が、他の国の国民の意見を無視するのはどうかと思いますが。

 

また、シリアのアサド大統領もトランプ氏当選を歓迎する発言をしています。

 

アサド大統領側近:シリアはドナルド・トランプと協力する準備ができている

President Assad: Syria is ready to co-operate with Donald Trump

11月11日【Independent】

http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/donald-trump-syria-assad-ready-to-co-operate-russia-putin-war-a7409096.html

 

アサド大統領の相談役:

「アメリカの市民は世界に対し、素晴らしく非常に重要なメッセージを送ったと私は考えています」