抗うつ剤はうつを治療せずむしろ悪化させている可能性について
Antidepressants May be Worsening Depression, Not Treating it

 

(画像http://www.wakingtimes.com/2015/01/23/business-sickness-must-protest-stopped/

 

 


2015年7月

何年もの間、うつ(鬱)病は脳内のセロトニンのレベルが低いことが原因となっていると言われてきました。

しかし現在、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のマーケティングは「作り話に基づいた」ものにすぎず、危険な誤解にすぎないという警告が発せられています。

SSRIの使用は、90年代初頭に急上昇しました。それまでは精神安定剤がうつ病に対する標準的な治療とされており、SSRIはそれよりは安全な代替役としてみなされたのです。

従来の三環系抗うつ薬(TCA)よりは効果が弱いながらも、SSRIは脳内のセロトニンレベルを修復させると考えられ、「そこから後に、SSRIは科学的不均衡状態を治療するという考えに変わっていった」ために人気を博したと、ウェールズ北部バンガーにあるハージェスト精神科の担当長であるデイビッド・ヒーリー氏は考えています。

BMJ(イギリス医学会会報)上に発表されたヒーリー氏の報告書によれば、90年代、SSRIがセロトニンのレベルを上昇、あるいは低下させるのかは誰も知らず、そもそもSSRIを用いた治療に治療の効果があることを示す証拠は全くないと記しています。SSRIは以前の治療薬よりは副作用が少なく、オーバードーズの場合にも比較的安全であるという点が人気の原因となりました。

 

 

ヒーリー教授の記述:「医師にとってSSRIは患者との間のコミュニケーションを簡単に、略式化するツールになりました」

「SSRIが異常な状態を修正するという考えから、患者は罪の意識を払しょくすることができるという道義的な勢いがありました。精神安定剤の箱には『精神的苦痛は弱さの現れではない』と書かれているものさえあり、一部の患者は精神安定剤を飲むことに罪の意識を抱いている可能性が考えられます」



うつ病は情緒的疾患としてではな、むしろ感染による病気に再分類するべきだとヒーリー教授は考えていますが、こう考えるのは彼だけではありません。

NY州立大学ストーニーブルック校のTurhan Canli教授によるとうつ病は寄生生物、バクテリアやウィルスに感染することが原因である可能性があり、彼の仮説を検証するさらなる研究が必要だと主張しています。

その仮説が正しい場合、うつ病の予防のためのワクチンを開発することが可能であると同教授は話しています。(この解決策が正しいものかについては私たちには断言できませんが

 

「大うつ病を情緒的疾患と概念化するのではなく、一種の感染症として改めて概念化するよう、私は提案しています」

気分障害と生物学に関するジャーナルの中で、Canli教授は次のように述べています。

「大うつ病の病因として因果的役割を果たしている可能性のある寄生生物やバクテリア、ウィルスを模索するためのさらなる研究が行われる必要があります」

一流の精神保健の専門家らは、うつ病の原因は単なるセロトニンレベルのみによるものではない可能性があることを知っていましたが、一般大衆はそのような情報を聞くことはありませんでした。

ロンドンの精神医学の大学の校長、サイモン・ウェズリー卿によると、SSRIは心理療法と併合された場合には効果があると考えていますが、「ほとんどの研究家はとっくの昔に古いセロトニン・モデルから離れています」とも話しています。

さらに、抗うつ剤を処方されている人のうち70%はうつ病ではないという報告書も存在しています。

薬学・病理学の専門家で国営病院の支部などの機関で代表を務めるデイビッド・テイラー教授は、次のように考えています
 

「ヒーリー教授は強硬に議論をしています。存在していたこともなく存在しない根拠の弱い考え方に反対しているのです。つまりSSRIが脳内でバランスを失ったセロトニンを『是正する』という考えを神話だとしているのです。

研究家や精神科医などは、SSRIは複数の障害に効果があることを認識していますが、どのような機構で効果があるのか、確実なところはわかっていません。

セロトニンに対して実証可能な効果はありますが、脳に多数の間接的な二次的影響を与えます」



薬学に関するジャーナルの元編集長であるマーシャ・エンジェル女史は、NYタイムズの本のレビューの中で広まっているこの仮説について次の通り見解を述べています。
 

「問題の向精神薬が脳内の神経伝達物質レベルに影響を与えることが発見された際、髄液内の分解産物のレベルが主な根拠とされていました。そして精神疾患の原因は脳内のこのような化学物質の濃度の異常であり、適切な医薬品によって特に対処できる、という仮説が立てられたのですが、(中略)これは論理の大きな飛躍でした。(中略)

そもそも神経伝達物質が疾患になんの関係がなかった場合でも、一部の医薬品が神経伝達物質のレベルに影響を与え、症状を改善する可能性は大いにありえます(さらに言えば、医薬品によって症状が改善された場合、まったく違う作用機序によって起きた可能性もあります)。

この論拠に立つと『アスピリンの摂取量が少なかったことが高熱の原因だ』と主張することができます!」

 


うつ病の原因が何であったとしても、その疾患を「治療する」ために使われている医薬品では改善されることはないとヒーリー教授は警告を発しています。

そして実際のところ一部のケースでは、新薬の安全性や効能は低下し続けています。
 

ヒーリー教授:「コンピューターや電子レンジなど私たちが生活の中で使用している他の分野の製品は、毎年改良されています。しかし医薬品はその例に当てはまらず、今年販売の治療薬が大ヒットの売り上げを叩き出したとしても、その薬は旧モデルよりも効能が弱く、安全性も低い場合があります」



抗うつ剤の使用は、うつ病の根本的な原因に対処しない可能性があるだけでなく脳の機能を危険に、かつ永久的に改変する可能性もあります。

マコーラ博士(Mercola)によると、患者はうつ病からより短期間で回復しているものの再発の可能性はより高く、あるいは部分的にしか回復せず、慢性的なうつ病の状態の場合は決して(抗うつ剤によって)完全に治されることはないということです。

臨床的にうつ病と診断され抗うつ剤治療を受けた人のうち、一時的に回復し、回復した状態が長期間続いた人はわずか15%しかいません。

残りの85%の人は再発を繰り返し、慢性的なうつ病になり症状に悩んだままの状態です。

医学ジャーナリストでピューリッツァー賞受賞候補にもなったことのあるロバート・ウィタカー氏はマコーレ教授に次のように話しています

 

ウィタカー氏:「90年代までにはうつ病の長期化という変化は明らかになり、ようやく研究者による取り組みが行われました」

「イタリア出身のジョヴァンニ・ファヴァ氏は『抗うつ剤の方向性が変わってきています。うつ病は一時的な疾患から慢性疾患に変わってきており、これについて取組む必要が本当にあります』と話していました。

それだけではなく、うつ病が(抗うつ剤を使用中の)人々の中でこれまでになく、より深く浸透しているのです」


向精神薬は実際に神経伝達物質を妨害し、普通の生物学的機能を維持するために必須である脳内の繊細なプロセスを乱し、精神疾患を模倣するような副作用をもたらす結果を招きますが、それが発症の原因である可能性が高いといえます。
 

「数週間、向精神薬を摂取した後には脳で補てんしようとする動きが損なわれ、医薬品の作用機構を反映した副作用が現れ始めます。

たとえばSSRIは、セロトニンの過剰による躁病の発症の原因となる可能性があります。

抗精神病薬の使用は、パーキンソン病に類似した副作用の原因となります。ドーパミンの枯渇(パーキンソン病でも枯渇する)がその原因です。


副作用が発現することで、患者は他の医薬品の治療も受けることになり、多くの患者が多数の診断名と、それに処方された向精神薬を摂る羽目になっています」




著者
ジュリー・フィルダー(Julie Fidler)フリーランスのライター、法律関連のブロガー、そして「Adventures in Holy Matrimony: For Better or the Absolute Worst」の著者である。
ペンシルバニアで夫と二匹のバカバカしいほど甘やかされた猫と暮らしている。
自分のブログではたまに尊大に話すことも。
 

 

 

この記事は当初、「naturalsociety.com」上で発表されましたが、許可をいただいて利用させていただきました。オリジナルの記事はこちらです。

 

 

 

 

(翻訳終了)

 

【参考】http://www.bbncommunity.com/antidepressants-may-be-worsening-depression-not-treating-it/

 

 

 

 

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