J-HipHop入門編的なMCバトルまとめ | Rotten Apple

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MCバトル…ラップのフリースタイル(即興)で相手を言い負かし、観客がその勝敗を決める(審査員が決める場合もあり)全員参加型イベントのこと。映画「8 Mile」でやってたやつですね。最近では高校生RAP選手権が一般層にも人気だったり様々なイベントが乱立して話題を集めています。有名な大会だとULTIMATE MC BATTLE戦極MCBATTLEB BOY PARK MC BATTLEなどなど。
ということでヒップホップに馴染みがない方でも楽しめるであろうMCバトルをちょっとまとめてみました。最初におすすめMC3人、そして番外編としていくつかあげてます。



■R指定


梅田サイファー発、UMB2012,2013を連覇している今一番強いバトルMCです。R指定はパンチラインやライミングなど全てにおいてスキルが高く、詰まることなく繰り出されるラップに早口フロウやサンプリング、そして憎めない毒舌で相手を追い込んでいくスタイル。アンチはいるものの今の地位は一時揺るがないかなと思います。
このバトルは2009年と少し古いんですが韻踏合組合ERONEのラップを全てカウンターで撃ち返し最後にはこの日出演予定だったRhymesterを引用して締め、満場一致で勝利というオーバーキルバトルです。
他にはわめきちらす相手に対し冷静に返り討ちにしていくオロカモノポテチとのバトル、同じコッペパンというチームに所属していたKOPERUとのバトルがおすすめです("聞き取れないだからお前言ったろ言語障害 マジでコッペパンの営業妨害"とか言われたら仲間でもへこむよね)。



■チプルソ


大阪のMC/トラックメイカー。ライブではクラシックギターにビートボックスとサンプラーを駆使したNoDJスタイルで叙情的な一面を見せますが、バトルではユーモアを排除したスキルフルなパンチラインで相手を刺していく好戦的なスタイル。あまりにアンサーが完成されているのでネタっぽい(即興じゃない)と言われることもありますがそれだけ引き出しが多いということにしときましょ。
同じく好戦的スタイルのSIMON JAPとのバトルではもう彼のどの曲よりも有名な最後の畳み掛けが圧巻("ほらほらここでワックMCお仕置きだ わかるお前のラップはパッとしねえ 首カットしてさっさと死ね キックで言うところのMCU 足りないバイブスとテクニック")。
他にはチプルソにユーモアだらけのラップをぶつけるDOTAMAとのバトル("バトル賞金は博打じゃない 努力の賜物薄利多売 優勝の資格はワックにはない 俺にはもうラップしかない" とかネタっぽいけどさいこう)、ネタっぽさを指摘されつつも華麗に返すe.K.yとのバトル、パンチラインで刺してくるチプルソに対しフロウで返す黄猿とのバトルがおすすめです(黄猿のウォルトディズニー返しがうますぎる!)。



■鎮座DOPENESS


上にあげた2人はどちらかと言うとパンチラインで場の空気を持っていくタイプなんですが、鎮座はライミングやパンチラインはなくとも変幻自在なフロウ(言い回し)でグルーヴを生み出し場を味方につけるタイプで、フリースタイルは鎮座が最強だと言う意見もいまだに根強いです。とりあえずその特徴的なスタイルは観てもらえればわかるかと。
このバトルは黄猿が真っ向勝負でフロウ対決を挑みフリースタイルで一曲作ってしまうようなおもしろいバトルです。UMB2010,2011連覇した晋平太とのバトルではストレートな勝負を求める晋平太をのらりくらり交わす鎮座が痛快。SIMON JAPとのバトルでは延長に縺れ込みながらも証言の引用で勝負ありな感じでした。



■ガチンコ編


そんな感じで3人あげたんですが、とりあえず押さえるところを押さえとけば勝てるというようなスポーツっぽさが出てきてるという話も話題になりました。もっとバチバチしたバトルが観たいという話題になったときに知ったのがこのMol53とJack Flashのバトル。アウェーな空気の中トラブルすらも全て自分のものに変えてしまうMol53に満場一致で呑み込まれましたね。
最近ではSIMON JAPとMr.SMILEのバトルもスリリングで話題になりました。ZEEBRAの取り巻きと煽られ本気で頭に来ているSIMON JAPに脅されつつも "殺しじゃねえの 出ちゃうぜ反吐 脅せば負けると思ってんじゃねえの?" とさらに調子が乗っていくMr.SMILEにハラハラします。



■なんだこの展開編


アラフォー独身貧乳と自虐していくNAOMYに対し、サ上が熟女好きをアピールして口説いていくという本当になんだこれって展開のバトルです。こういうよくわからん展開になるバトルもちらほらあって、DOTAMAとガッティのバトルでは客の方ばっかり見てんじゃねえって煽られたDOTAMAが後ろ向いてラップしちゃうという返しが彼らしいですね。KEN THE 390とDEJIのバトルはお互いリスペクトしている場合によくある褒めちぎり合いバトルっていう感じで胸が熱くなります。



■この人もやってます編


MCバトルで名を上げて売れていったMCも多く、このPUNPEEとKEN THE 390という豪華な組み合わせは早口でまくし立てるケンザを飄々と交わすPUNPEEが痛快です。
他にもAAAという身バレを怖れながら出てたという話も有名なSKY-HI、ちょっと時代先走りというかフリースタイル向きじゃなかったSEEDA、鎮座DOPENESSとのKAKATOとしてもよく出てた環ROYなどなど。
そしてこの人、B-BOY PARK MC BATTLEを3連覇という輝かしい記録を残したKREVA。20002001の動画はあがってました。この時期は完全にリズムを無視したKREVAのようなスタイルが流行っていて、これを観るとMCバトルって本当レベル上がったなって思います。レベルの上がった今のシーンではKREVAは優勝できないと言う外野を黙らせるB-BOY PARK~冬の陣~のフリースタイルも痛快でしたね。



そんな感じで。MCバトルはヒップホップにおけるカルチャーの1つであるラップの中のごく一部にすぎませんが、それをきっかけとしてヒップホップに入ってくる人も最近は多いらしいので取っつきやすそうなのをいくつかあげてみました。誰々が入ってない等の意見はあると思うので他におすすめがあればぜひ教えてください。
さて本当にまとめ記事ネタ切れです。なんか下さい。