チャーチのクラウンコレクションという、20万円以上するラインナップの物があります。今度表参道のチャーチへ見に行ってみようかと思いますが、買う予定はサラサラありませんね。素敵ですが、20万円払うならガジアーノのダイヤモンドチップが欲しいので、要りません。その前にお金もありませんしね(^_^;)
でも、他の方々のブログにも商品紹介しかなく、履いた、買った、磨いたという記事はありません。
「試着」ですが、書けたら良いなとも思いましてね(^^)


では、チェットウィンドを磨いていきましょう!チェットウィンドの倍の値段ですからね!あ、もうこの話は終わります。。


道具編はコチラから

埃、汚れ落とし編はコチラから

保湿編はコチラから

今回は靴クリームの作業を行います!

こちらが前回までの「保湿」が完了したチェットウィンドです。


これに油分補給、補色、防水、艶出し、保革の意を込めて靴クリームを塗っていきます。

この靴はエボニーという紫掛かった焦げ茶色なので、ブートブラックのボアブラウンを使います。

靴に合ったクリーム、靴に合った色、それを完璧にすれば異常に綺麗な色艶が出せます!

「何もクリームを絶対合わせなくたって良い」という意見もありますが、それについてはまた別問題となってきます。
なぜなら、茶靴に青や赤のクリームを塗ったりする事もあるからです。
それは全く持って否定しません。
むしろ、靴の新しい表情を見られるのでそれはそれで良いと思います!

しかし、焦げ茶靴に薄茶クリームを塗ったりすると、モヤッとしたハッキリしない気持ち悪い艶になってしまいます。
たとえ光っていても、強弱の無い変な物になってしまいます。
その逆をすれば、染みになったりして大変です。

要するに遊ぶなら中途半端にやるなという事です。

赤、青、紫、緑等は、パティーヌの様な芸術的な色合いを出せるので、技術を身に付けてからやると良いです。

しかし、茶靴に焦げ茶色のクリームを塗る等の中途半端な事はしない事です!


どちらにせよ、靴とクリームには相性があり、それを見付けるのは非常に大変です。

「黒靴はこのクリームが合う」
「このメーカーの靴はこのクリームが合う」
「A国の靴にはA国のクリームが合う」
「高級な靴には高級なクリームが合う」
「安靴には安クリームが合う」

こんな事はほとんど無いと思いますよ!
事実、今回のイギリス高級(中級?)靴チャーチだって、日本の中級クリームのブートブラックが最適なのですもの。

他にも、日本の中級靴リーガルの03DRCDはイギリスの高級クリームのイングリッシュギルドが最適です!

だいたいがコロニル シュプリームを塗っておけば光るのですが(だから応急措置班となっている)、それと相性が悪い靴もあるので、これに関してはもうご自身で探して頂くしかございません。


とにかく塗りましょう!

ペネトレイトブラシに写真位のクリームを取ります。多く取りすぎたら瓶の縁に付けたり、いま丁度塗るパーツ以外のどこかにちょびっと付けておいて下さい。
多く塗りすぎると光りにくくなる他、ペッカリとした厚化粧な艶になったり、次に磨く時には落とさなければならなくなり、面倒臭いです。落とすのにも時間が掛かってしまいますので、薄く塗って下さいね。

ちなみに、油分が異常に足りない、でもラナパー程ではない、そんな時には指で塗り込みます。その後、細かい所はペネトレイトブラシで補正していく形になります。
指で塗る時はなるべく薄く、ギュッギュしてきたら次のパーツへ移るという感じで。

意外とそういう事もあるので、そこは使い分けて下さい!


クリームを取ったら円を描きながら塗り込みます。

満遍なく塗り広げて下さい。


保湿の時と同じ様に、ギザギザ(ピンキング)やパーフォレーション(穴飾り)、コバやウエルトの間等の細かい所もしっかりと塗り込んで下さいね!

水分補給と同様、ボール部や羽根部等のシワの部分はなるべく染み込まさせて下さい。

取り切れなかった埃もあると思います。それを隠す様に塗る事も大切です。


塗るとこうなります。

曇っていますね。塗ったクリームがまだ乾いておらず、当分待つ様になります。


ですから、先程使ったペネトレイトブラシに何も付けず、サッササッサやっていきます。力は入れず、サラサラ(完全には無理です)するまで適当に流します。

こうすれば乾く時間を待たなくて良いですし、厚塗りも避けられます。また、ブラッシングが簡単になり、すぐに艶が出てきます。


ペネトレイトブラシによるブラッシング後はコチラです!

これで少しだけ待ったら、かなりスベスベしてくると思うので、ブラッシングに入ります。


こしのある馬ブラシを用意して下さい。
豚ブラシでも…構いません。

前回、前々回と同様の文を使用しますが、
馬ブラシでブラッシングしている所を何度も往復させ、なんとなくスベスベしてきたと思ったら別の場所に移るという感じでやっていきます。
だいたい同じ場所を素早く50往復くらいさせれば完璧ですかね。

「場所」というのも、パーツごとに分けてやりますから決めておいて下さい。
先程の塗る時と同じです。

私は、
左側面→真上→右側面→爪先→踵→ウェルトやコバという順でやる気がします。
これを二、三回繰り返します。

余裕があれば山羊ブラシもやっておくと良いです!

なびるだけでは意味が無いので、上の説明の通りにやって下さい。


スベスベしてくるので、次にストッキングを用意します。

この様に二本の指にシワの無い様に巻き付け、、

素早くポリッシュしていきます!

この時は円は描かなくてもよろしいです。
全体がほとんどベタつかず、スベスベしたら次の工程へ。

しかしまぁ、拘りが強いのならばもう一度軽く馬ブラシでブラッシング、山羊ブラシで更なるブラッシング、ストッキングと、繰り返してもっとスベスベにするのも良いです!

というかした方が良いですね。私もいつもしております。

ブートブラックを一度塗りした完成品がこちらです。

…艶が足りませんね。

私は透明感を出す為に「ニュートラル(無色)」のクリームを使いました!
先程と同じ様に塗るだけです。
ペネトレイトブラシで薄く塗って下さい。指で塗った方も同様にペネトレイトブラシを用いて下さいませ。

馬ブラシ→山羊ブラシ→ストッキング→馬ブラシ→山羊ブラシ→ストッキングと、また繰り返して完成です!

二度塗りは良くないとも言いますが、艶出し、防水、保革効果が最大限に発揮され、履いた後のブラッシングもすぐにツヤツヤになるので、いつも二度塗りします。

履いた後は山羊ブラシでブラッシングしますが、少しだけ靴クリームの蝋の層が厚いと、ブラシに削られてもすぐ下の層が出て来て綺麗になります。そのお陰か、(軽い)傷が付いてもすぐに目立たなくさせられます。
ちなみに爪先や踵にワックスコーティングするのは、その意味もあるそうです。
爪先は靴の顔ですから、大切にしなければなりませんしね!

薄いと靴クリームの層がすぐに剥がれてしまうので、また磨く様になります。
凹凸が埋まりきれていなかったりすると、埃が入ってみすぼらしく見える事もあります。

ボコボコしていた爪先もやっとツルツルしてきました!

これでやっと靴クリームの作業は終わります。

ここで裏ワザなのですが、ブラッシングしてもなかなか光らない時、ストッキングでやっても引っ掛かってやりにくく、仕方無く少し乾くまで放置するなんて事は多々あります。
その時に役立つのが「山羊ブラシにコロニル シュプリームを薄く塗り広げる」という行為です。コロニルは素晴らしくスベスベするので、それに汚染(?)されたブラシで擦る事によってスベスベになり、すぐに艶出しを出来てしまうんですよ!!

層を作る程の量は定着しないので、艶もなくなりません。

困った時にオススメですよ!
それでは!

コバ、底、靴紐のお手入れはコチラからどうぞ。

鏡面磨きの下地編はコチラからどうぞ。

鏡面磨き仕上げ編はコチラからどうぞ。



今回のYouTubeは
Charlie Feathers  Rain(Where's She At Tonight)
チャーリーフェザーズ  レイン(ウェアーズ シー アット トゥナイト)
です!ロカビリーというか、50年代のカントリーというか、その間的などっち付かずな曲です。チャーリーフェザーズには多いですね。私はチャーリーフェザーズのこういう所が大好きです!
先日、お風呂に入っていたら突然の鼻血に見舞われ、驚いた時の一瞬でこの曲が思い浮かんだのです。。!
そんなのはどうでも良いのですが、なかなか良い曲なので是非聴いてみて下さい!