国際結婚をして海外で暮らす妻たちは、今や珍しくない事。
その中でも、大きく分けて2つのグループに分ける事ができると思う。
一つは、海外が好きで住みたかった人。住みたくて住んでいる人。
もう一つは、色んな理由から旦那の国を選んで住んでいる『仕方ない組』。

この『仕方ない組』には、ホームシックとは別の葛藤がある。
特に、日本でバリバリ仕事をこなし、ある程度の役職と給与を得ていた人が海外に来たとして、当然ながら同じ環境と状況で仕事をさせてはもらえない。
ここでは、かつてのキャリアも役職も能力も全て無かったものとして、1から登って行くしかない。
日本では、結婚してからも1人の仕事人として存在していた自分があったのに、ここでは『日本人妻』としてのみ存在する事の悲しさ、虚しさとの戦いの日々。
自分の気持ちがどれだけ強い人でも、始めの1年はジレンマとの戦いで叩きのめされる。

自分の置かれた状況を受け入れ、納得するまでに何度も泣き苦しむ。
まるで自分が刑務所にいるかのように、身動きの取れない状況との戦い。
けれど、それを側で見ている夫も「本当に連れてきて良かったのか。こんなに苦しむとは思わなかった」と葛藤する。

自分が泣けば夫も辛い。けれど苦しみを打ち明けれるのも夫しかいない。
悪いなと思いながら、泣き続ける日々。
周囲の人の何気ない「早く友達を作ればいいのに」と言う言葉。
“どうやって?”道行く人に「友達になって下さい」と声をかけたら友達になれるとでも?
そんな些細な言葉に敏感に反応し、悔しい気持ちでたまらなくなる。

ここで自分だけが苦しい。誰も私の気持ちなんて理解してくれないとヒステリックになれば、離婚に至る。事実、国際結婚は離婚率も高い。
ただそこで、夫だって苦しんでいると自分が知れば、2人で何度も話し合い、頑張ってみよう。と思える。

いつか、この暮らしが最高のものになるのかな。。と今は手探りでも、これも自分に課せられた生き方なのかなと、ため息混じりに頑張る日々。

きっと多くの日本人妻は、こんな葛藤の日々なのである。