各都道府県のゾンビも希望 『東京ゾンビ』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

蝦夷☆オブ・ザ・デッド

蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)

DVD    原作マンガ
写真をクリックするとamazonの奥地へ飛びます

<あらすじ>
舞台は、少し未来の東京。
町外れの消火器工場で働くフジオとミツオは、毎日柔術の練習に明け暮れていた。
柔術の師としてミツオを慕うフジオ(アフロ)、そして、そんなフジオをかわいがるミツオ(ハゲ)。
2人は年齢を超えて兄弟のように親友のように絶対的な絆で結ばれていた。
その日2人はいつものように柔術の練習に汗を流していた。
そんな彼らの前にフラフラ歩く生きた屍達があらわれた・・・ゾンビだ!
このゾンビ達はどうやら、産業廃棄物のゴミ山、通称「黒富士」から発生したらしい。
やつらは瞬く間に増殖をはじめる。
格闘技最強の地ロシアで柔術を極め最強の男になって帰ってくるという夢を持つフジオとミツオだったが、夢を叶える前に人類滅亡の危機に立ち向かうことになってしまう。
果たして彼らに人類の未来を救うことができるのだろうか・・・?
東京ゾンビ公式サイト
花くまゆうさく(原作漫画作者)公式サイト

<レビュー>
花くまゆうさくさんのマンガ(原作)のファンで、当時、期待していて予約購入しました。
原作がもっとエログロでしかも救われない部分満載なのと、ゾンビ慣れしているとどうしても物足りない気がしてしまいますが、登場人物(役者さん)の個性炸裂から目が離せなくて、ダレることなく観られました。
原作の花くまさんのマンガは、汚物や狂気や哀愁や煩悩やグロなどがポップに淡々と描かれています。
しかも無類の格闘技マニアなので、あちらこちらに格闘技エッセンスがちりばめられています。
この「東京ゾンビ」にも例にたがわず柔術が登場し、きちんと格闘技ネタも織り込まれています。

ビデオに注目    
工場のテレビの横にビデオ発見。「ヒクソン」「ガルシア」の文字が。

しかし、浅野忠信  さんは何やっても「ちょっと小洒落た感じ」がします。
これは、この人が持っている天性のオーラだと思います。
私は結構好きです。   

多分、ハゲヅラ被ってもそんなに変じゃないはずです。
一方、ミツオ役の哀川翔  さんですが・・・

意外に似合う!ハゲ!   
ニセHAGEなんですが、メイクさんの手腕でMAJIHAGEに見えます。
写真ではちょっと横線ついちゃってるんですが、実際映画で観るとなかなか違和感ない立派なHAGEです。

 
ふたりはなかよしです。

舞台はちょっとだけ未来の東京。
ある場所で産業廃棄物が山積みになり、いつしかそれが本当に山になってしまいました。

    
通称、「黒富士」

この山、一般ゴミ、大型粗大ゴミやその他処分に困るもの・・・人間の死体なんかが埋められちゃってます。
死体じゃなくても埋めに来る人もいます。

 
左から、マザコン夫、姑、鬼嫁です。

姑が叫びます。
「ヨッちゃん!この女は魔女よ!悪魔よ!こんなことしてママ許さないからね!!!」
おどおどするマザコン夫を尻目に鬼嫁が怒鳴り返します。
「うるせークソババア!日頃の怨み思い知れ!」
・・・で、姑の頭部を思いっきりキック。スコーン!

姑(頭部)宙を舞う  

「ヨッちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」←こだましてます
画像汚くてすいません。
大空を舞う、姑の頭部。
「姑をシュート」なんつったりして☆(←死ね

黒富士には他にもいろんなものが捨てられています。
例えば・・・
 

ハード野郎   
「ハード野郎」というGAY雑誌です。
ワイルドな表情の坊主頭モデル、清楚な百合の花、そして白ブリーフが実にさわやかです。
これを見つけるのは、体罰で自分の生徒を殺してしまいその死体を埋めにきたフジオの中学時代の教師(少年愛好者)なんですが「おお!上物だな・・・」とか言ってます。
上物なのか・・・。あっそう・・・。

こんな感じでいろいろと廃棄されている黒富士からゾンビが発生するわけです。
埋められていた死体がボコッ!ボコッ!
もぐらたたきのように出てきます。
そんなゾンビたちにフジオとミツオは割と平常心。
「ミッちゃん、こいつらナニ?」「・・・おそらくゾンビだ。」
そんな乾いた会話を繰り広げます。
そして、工場に侵入してきたゾンビ相手に柔術! 
ゾンビVS人間の格闘技シーンはミートマーケット・ゾンビ撃滅作戦でもご覧いただけます。(こっちはプロレス)

その後、愛用トラックで工場から逃げ出すフジオとミツオ。
たばこが吸いたくなってコンビニへ。財布を忘れたので当然のように強盗です。
しかし、フジオ(アフロ)は袋菓子の新製品に気をとられて、そればっかカートに入れてしまいます。
 
ハートチップル(ニンニク味)。ヴィレヴァンで実際に買えます。

ちなみに飲み物も同じもんばっかカートに入れますが、それは原液カルピス。
夏のギフトセットの箱に入ってる、ビン入りのアレです。
車に戻ったフジオ、ミツオに怒られます。
「たばこどうしたたばこぉ!」「あっわすれちゃった・・・ミッちゃん、ごめんね☆」
ミツオは「しょうがねぇなぁ」と言いながらコンビニへ。
しかし、彼が抱えて持ってきたのはレジ強盗をしようとしていたやさぐれた若い女でした。
「こいつも連れてけ」「いやだよこんな女!」
そんな押し問答のあと出発しようとしますが、車に乗りかけていたミツオ(ハゲ)、スネをゾンビにかじられてしまいます。
 
・・・コリッ!

「あっ・・・かじられちゃったぃ」
ミツオは、
「おれはもうだめだ。ゾンビ化する。さよならだけが人生だ」
と言い残し、車から川へダイビングしてしまいます。

・・・それから5年後。
東京は完全崩壊していました。
一部の権力者たちが高い塀の内側に高層マンションを建て、権力や富を持たないものを奴隷としてこき使っていました・・・
ってこれ、まんま「ランド・オブ・ザ・デッド」 
・・・ん?でも、
もしかしたら原作者の花くまさんのほうがロメロ監督より先だったりして。と思って調べてみたら、ランドの製作年は2005年、花くまさんの東京ゾンビの刊行年が1999年でした。
すごいよ花くまゆうさくさん!

権力者たちは闘技場を作り、そこでゾンビ対人間のガチンコファイトをさせていました。
ちなみにレフェリー役は古田新太(しかも、ホモレフェリーでフジオのことを狙っています。やっぱり普通じゃない)
厚化粧のマダムたちがぐるりと周りを取り囲み、「死ね!」とか「やれ!」とかえげつない罵声を浴びせます。
フジオはそこでゾンビ相手に「ポン・フジオ」というリングネームで勝ち進んでいきますが、柔術の技が「地味」と
いう理由でいつも大ブーイングを食らっています。
しかしフジオは地味と言われようと柔術のスタイルを頑なに変えません。
プロレスのような華々しいアクションを好む観客相手に、いつも淡々と寝技関節技。なぜなら柔術は、あの時別れた師匠ミツオ(ハゲ)の忘れ形見だからです。

その後、この会場でフジオの対戦相手として、強力なゾンビが投入されます。
その名も「オハゲゾン」
名前も見てくれもそのままの、HAGEゾンビです。
お察しのとおり、それはフジオの師匠であり兄貴分であるあのミツオです。
「ミッちゃん、オレ、オレだよ!いつものミっちゃんに戻ってよ!」
いつものミッちゃんに戻るわけないじゃない。だってゾンビだもの。(by.みつを)
ミツオは意味不明の叫び声をあげながらフジオに襲い掛かります。
フジオはかつての師匠を倒すことができるのでしょうか・・

最後におまけ☆
 
こここここの方は!
ホラー漫画界の巨匠、
楳図かずお先生  じゃありませんか!!!
劇中でのキメ台詞は、
「もぎとってる?」「もぎとってるんだね?」
です。
ゾンビ退治の指南をしてくださいます・・・王子です。

<超主観的評価>
ストーリー★★★★ スリル★★ テンポ★★ バカ★★★★ グロ★★
総合★★★★


にほんブログ村