(③~)
俺とまともな話をするの一週間ぶりなんだよ、知ってた?
仕事の帰りに海の見える公園に車を停めてソンジェは静かにこう言いました。
避けてるよね
携帯返しちゃうし
つまらないんだよ
あの人は完璧だよ
でも俺は君がよかったのに
うじうじうじうじ…
私はたまらなくなって、じゃあどうしてあの人が秘書になるのを止めてくれなかったのかって聞きます。
するとソンジェから意外な言葉が返ってくる…俺は葉子ちゃんの意思で俺のとなりを選んで欲しかったんだよ。
それは望んでもいいということ?
ソンジェさんのそばにいたいって思ってもいいってこと?
君はただ俺の側にいればいいから…
そう言ってソンジェはもう一度あの携帯を差し出す。
携帯も、ソンジェも、受け入れようと差し出した私の手をそっと包み込もうとして
「ちゃんと片付いたら」
そう言ってソンジェは私に触れるのをやめました。
ソンジェの誠意。
あの人への…
私への…
それから~~~~~
ソンジェは婚約をなかったことにしようと頑張るけど、なかなかうまくいきません。
別れたくない許嫁は別れるなら頭取の父親に頼んでソンジェの会社への融資を打ち切ってもらうとか言う。
2ヶ月後に結婚が決まったから邪魔しないでって私に言ったり。
ソンジェさんに必要なのは私かしら葉子さんかしらとか言ったりもして。
必死です。愛という名の欲望の嵐が吹き荒れる。
それでまたまた私とソンジェはうじうじうじうじするんです。
身を引こうとする私
ただ信じて側にいてほしいソンジェ
…婚約をしている
肝心なその事実が変わらない限り何も動かないですからね~
私は辞表を出します。ユナクんからそのことを聞いたソンジェはすべてを解決しようと許嫁の父親の銀行へと向かいます。
「おかげでふんぎりがついたよ」
ユナクにそう言って
辞表を握りつぶして
Wildに社長室を飛び出して行っちゃう。
…「この頃君の表情が柔らかくなったのはその彼女のおかげなんだね」
寛大な頭取はそう言って婚約を解消することを許してくれる。ソンジェの誠意が通じたんでしょうね。許嫁も晴れて諦めてくれました。
すべてをクリアにしたあと
ソンジェが向かうべき場所はひとつしかありません。
そう
私のところです。
(⑤終につづく)