先輩ジヒョクさんは敏腕編集者としてを名をとどろかせている。
だけどとてもチャラい。
初めて会った時にすぐにアドレスを聞いてきたりする。
机が隣になった時に
運命だね~なんて言ったり、キミかわいいね~とか…
いつも周りの女の子にこうやってこんなこと、
時々言うからこそ価値の生まれる言葉を大量販売してるんだろうな…
友だちに誘われたクラブでジヒョクさんを見つけた時はとても驚いた。
評判通りチャラい人なんだと私に認識されてしまったよ。
でも通路でヘンな人に絡まれてたら助けてくれて…
その頼もしくてカッコイい姿に初めてちょっぴりきゅんとしちゃった。
クラブであんなに飲んであんなに遊んでいたのに、朝早く会社に行くと
もうジヒョクさんが仕事をしていた。
真剣な顔でパソコンに向かっている。
集中力がハンパない。
昨日とは全くちがう顔。
そのギャップにやられたのかもしれない…
じっと見つめてしまう。
「そんなに見られたら照れるよ~」
そう言ってジヒョクさんはニッコリ私を見る。
あんなに遊んだのに眠くないんですか?と聞くと
「眠いけど、仕事好きだからね!!」
サラリと爽やかに言ってのける。
どっちが本当のジヒョクさんなんだろう?
ある日私は仕事で大きなミスをしてしまう。
一日中対応に追われ気がついたら日付が変わってた…新鮮な空気を吸いに屋上に上がる。
突然目隠しされてびっくり!!
振り向くと満面の笑みのジヒョクさん。
ポケットから缶コーヒーを取り出す。
…両手で目隠しするために缶コーヒーを一度ポケットに入れたところが萌萌(そこ?)
ー仕事一段落したの?
ーはい。
ー大変そうだったもんね~
今日一日気にかけていてくれていたことがジヒョクさんの言葉のひとつひとつから伝わってくる。
必要ならいつでも手を貸すつもりだったと…。
「でもその必要なかったね(*^^*)」
…すぐに手を貸すことがやさしさじゃないことを知っている人
やさしさを押し付けて自分をアピールしたりしない人
そっと包み込むことができる人
今日は合コンはキャンセルしたんだそう…。
「後輩が仕事に追われてるのに合コンなんて行ってられないからね!!」
ジヒョクさんの奥底に流れている温かさに触れて
きゅんきゅんしました。
(②に続く)