(①~)
「今日この後俺と一晩過ごさない?金ならいくらでも出すから」
勝手に思い描いていたソンジェさんと、あまりにもかけ離れたこの言葉を聞いた時、私は耳を疑ってしまった…
廊下に連れ出し
テーブルでは決して言えない本音をぶちまける。
キャバ嬢をなめないで!!売り上げは大事だけど
自分の価値を下げるようなまねは絶対にしないの!!!!!
真剣な顔をして聞いていたソンジェさんは
しばらくの沈黙の後
こう言った
「やっぱり君おもしろいね。見込み通りだよ。へんなこと言ってごめんね」
出直すよ…
去って行くソンジェさんは振り向かずに軽く手を振る。
なんだったんだろう
結局職業もわからないままだったし
…その疑問は数日後意外なかたちで解けることになった。
Stars銀座店オープンの知らせで従業員が集められた時、前に立っている人を見て私はびっくりしてしまう。
オーナーだというその男性はこの中から銀座店に引き抜くキャバ嬢はすでに選んであるという。
「葉子さんキミだよ」
ふいに自分の名前を呼んだ見覚えのありすぎるその顔を見つめ返した。
…素性を隠して普段の接客や仕事に対する姿勢を見ていたの?
オーナーは
ソンジェさん
契約金は一千万円
自信はなかったし、NO.1キャバ嬢のリオさんに申し訳なかったから断ろうと思ったけど
金額を聞いて受けることにした私
条件はたったひとつ
オーナーの
「俺のレッスン」を3カ月受けて合格すること
…ここからソンジェ先生の個人授業が始まります^^
レッスン1は
「頭の先からつま先までキャバ嬢になること」
ウエストを絞れとか
くやしかったら俺が自然に触れたくなるような魅力的な女性になろうねとかいろいろ言われちゃう
レッスン2は中間テスト付き
「相手のこうしてほしいという気持ちを先に読み取ること」
男心を動かすテクニックを試されるテストは
リオさんとの直接対決
ボトルをたくさん入れさせた方が勝ち。
…卑怯な手を使ってリオさんが勝ったのがわかった時、自分を売るような方法が許せなくて
みんなの前でリオさんをぶってしまった。
…息をのむこの場面で静寂を破ったのはソンジェさん
どうして俺が葉子ちゃんを選んだのかわかったかな。彼女は周りをよく見てる。
それは元々備わっているもの…銀座へ行くのは
葉子ちゃんに内定だな。
そして私には控え室に
すぐ戻るように言う。
少し厳しい口調で☆