(①~)
グァンスさんはオフの日に本当に弟の大学に来てくれた。
いっしょにミニゲームを楽しんだりもして…
当たり前だけど
サッカーをしている時のグァンスさんはキラキラまぶしいほど素敵☆
グァンスさ~んって
本気で応援したら
「応援ありがとな」
さっき声が聞こえたよって…休憩時間に。
本名聞かれて
教えて
よびすてされて
私服のセンス褒められて
…褒められるのはそういう作戦だったからそれでいいはずなのに
私は変にドキドキしてしまう。
近づく目的は太客をgetすること
そう心の中で確認するほどの動揺だった。
…この後、すっかり浮かれた私はボールを避けようとした人とぶつかって、医務室に運ばれる。
グァンスさんに抱っこで運ばれる。
おでこに傷ができてしまったから、グァンスさんはすごく悔やんで謝って責任を取るとか言い出す。それは当然お嫁にどうかとかいうことではないけれど
明日から毎日本指名してくれるという
これはこれでたいした責任の取り方ですm(_ _)m
傷のあるキャバ嬢は誰も指名しないだろうから…
グァンスさんの気遣いはpureだけど、先のことまで考えられている…
私は次の日から誰からも指名されなかった。
グァンスさんは本当に来てくれて…
試合のある日は試合の後に、オフの日は練習の後に、
パリっとカッコ良く決めてただいまっていうように自然に現れる。
私たちは毎日飽きることなく話をしてお互いに近づいていった。
いったい
どこから
いつから
お客さんとしてではなく
キャバ嬢としてではなく
大切な存在としてお互いを意識するようになったのだろう。
私はきっとあの時…
弟の留学の夢を叶えてあげられないっていう話から、隠しきれなくて家庭のことを打ち明けたあの時…
だからここで働いているのか?
葉子はえらいよ
お前はいつ誰の前で
泣いてるんだ?
グァンスさんは
そう言って
私を抱き寄せた
それはあまりにも自然な仕草で…
一瞬にして私たちは
ひとつの塊になった
グァンスさんの温かい手を背中に感じながら
無性に泣きたくなったけど、
「今日から俺が応援するから」
そんなこと言うグァンスさんに
「キャバ嬢なんかを応援するなんか変だよ」
何でもないようにそう答える
…
そんな風に見てない
グァンスさんは
確かにそう言った。
③に続く
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