朝…
こんなに酔ったことないけど、全部覚えてるぞ
そう強がるグァンスさんはとてもかわいい。
練習に行かないと
そう言いながらも
なかなか動かない。
来週から２週間海外遠征なんだ。だからしばらく会えなくなる…
会えないとグァンスさんも寂しいの？
私はグァンスさんの言葉や仕草から私への本心を読み取ろうとするくせがついてしまっていた。
帰り際に
後ろから突然抱きしめられた時も
私の首筋に顔をうずめてきた時も
ごめんこうしたかったんだ
グァンスさんが切なそうにそう言った時も
苦しいだけで
うれしくない
淡い期待は抱くまい
それほど私はグァンスさんを好きになってしまっていた。
海外遠征から帰ってきたら告白しよう
そしてはっきり
グァンスさんの想いを聞こう
そう決めて私はグァンスさんの帰りをひたすら待つ。
…遠征から帰ってきたグァンスさんはなぜか驚くほどそっけなく
告白しようとすると
｢それ以上言わないで｣
と遮られてしまう。
グァンスさんのイタリアのチームへの移籍の話を聞いたのはその後
グァンスさんの夢が叶うといううれしい気持ちよりも
遠くに行ってしまう
という寂しい気持ちが
強すぎて…
どうして直接言ってくれなかったの？
やっぱり私はそういう存在じゃないの？
そんな気持ちも湧いてきて…
私はどうしていいかわからなくなってしまいます
ずっとずっと会わない日々。
告白の時以来ずっと気まずいまま連絡もしない。
グァンスが
移籍が危ぶまれるほど不調だというニュースを聞いたのは
移籍を応援してあげたい
そう思えるようになっていた時
私はグァンスに元気になってもらいたくて
移籍祝いのpartyを企画すします。
…来てくれないと困るから私がいることは内緒にしたまま
お店に来て私を見つけたグァンスさんは
時が止まったみたいにびっくりしていた。
やっぱり気まずい。
でも今日が最後だからしっかり盛り上げなきゃ
私は張り切っちゃう
結局グァンスさんとは一度も目が合わなかった。
でもとても元気で楽しそうだったから…
葉子もグァンスさんも
ムリしてるみたい
ルミはそう言ってたけど…
これでよかったんだ
そう思っていた時
私はVIPルームに引き込まれる
グァンスさんから
⑤に続く
