(①~)
ぎゅって掴んだと
思ったら
パッと離したりもする…
ちょっと待っててね
っていうからどこ行ったのかと思ってたら
女の子のかたまりの中でワイワイ飲んでたりして
私をひとりにして
…
あれ?
機嫌悪い?
そんな飲み方してたら
あっという間に酔うよ。
わかった!さみしかったんでしょ?
そしてこのタイミングでデートへのお誘い
それは
待たせたおわびのようでもあるし
待ったごほうびのようでもあって
私はとてもうれしくなってすぐにOKしてしまう。
なんだかジヒョクにすべて持って行かれてるカンジ。
初めてのデートはビリヤードデート
持って行かれてるばかりじゃおもしろくないから私は攻めに出る。
いつもとは全く違う
超清楚な服装はジヒョクの好みだとリサーチ済みだった。
それに加えて手作りのお弁当。完璧なはず。
お弁当をジヒョクはとても喜んで…おいしいおいしいと言ってどんどん食べてくれた。
食べてる時のおしゃべりもただ楽しいだけじゃなくて…
私の家の話になった時に、すっかり湿っぽくなっちゃったかな?って言ったら
「いや、俺はもっともっと聞きたいよ」
って(*^^*)
そのあまりにもやさしい表情に…
風に乗ってふいに届いたジヒョクの香りに…
きゅんきゅんしてしまう
結局持って行かれちゃった?
ビリヤードでは
初心者の私に文字通り手取り足取り教えてくれるし。ジヒョクはほめて伸ばす天才かも!!
私はジヒョクと勝負できるくらいまでになる。
でもそれよりもなによりもビリヤードでも一番心に残ったのは
結局ジヒョクのやさしい目だったのだけど。
帰り道…
「葉子ちゃんはどんなカフェがしたいの?」
ジヒョクがふいに聞いてくる。
お弁当食べてる時にチラッと話した私の夢を覚えてくれてたんだって
とても温かい気持ちになった。
みんなが元気になれるカフェがしたいな。
…
「いっしょにやれたらいいな」
立ち止まって。
じっと見つめて。
手を握って。
私は目を反らすことができなくなってしまう。
静かに引き寄せられて
ジヒョクの胸に頬が触れる
顔が近づいてくる気配を感じて…
その瞬間弾かれたように私たちは離れた。
Kissされるかと思ったでしょ~?
……Kissされるかと思ったよ