(①~)
ユナクさんは病院の勢力争いの話をしてくれた。
いとこが院長の座を狙っていてイヤがらせをしてくると…。そんな毎日に疲れ果てているのが言葉の端々から伝わってくる 。聞いていてつらくなるほど。
包み隠さず正直に話してくれたから私も家の話をした。
「家族を見捨てられずに結局自分を犠牲にしている…僕たちは境遇がよく似ているね」
そう言ってユナクさんは私に向かって手を伸ばす…
それはあまりにも突然の接触で戸惑う暇もなかったのだけど。
よしよし よしよし
葉子さんは頑張っているんだね
私をなでるユナクさんはこれまで辛かった自分を慰めているようでもあって
ユナクさんを慰めるように私もまた素直にじっとしていた。
また会いにきてもいいかなあ?
なんだかここ癒されるんだ。
えっ?ここってどこ?
お店?
それとも私のとなり?
それは結局わからないまま、わからなくても構わないくらい頻繁に
ユナクさんは会いに来てくれるようになった。
相手が求めているものを与えることができているという確信は時に自分自身にも安らぎをもたらすのだと私はユナクさんと会うたびに感じた。
ユナクさんはユナクさんでとてもやさしかったし
私がくしゃみをしただけでおでこをおでこにくっつけてきたり
聴診器で心音を聞いてみたりもした。
いいお医者さんだね。
こんなに心配してあげてって言うと
心配するのは君だからだよって…
もう何のためらいもなくストレートに気持ちを伝えてくるユナクさんに
私はドキドキさせられっぱなし
そんな矢先の
お店のイベント
ユナクさんは胡蝶蘭(渋すぎる…)をプレゼントしてくれて一番に私を指名した。
でもうれしいことに指名がたくさん入ってしまって、ゆっくりユナクさんのテーブルに付けなくて…
やっと戻ってきた時に
あれ?
何かいつもと様子が違うな?ユナクさん
涼しい顔して爽やかに
…なんか怒ってる?
怒ってるけど怒ってるって表せなくて
意地悪言ったり…
大人気なんだねって
皮肉たっぷり。
私が黙ってると
その困った顔見れただけでも来た甲斐があったよとか言って。
ユナクさんは
Sだ絶対(≧∇≦)
③に続く☆
久しぶりに…
今日の寝る前の一曲は
♪「逢いたいと言えたら…」
いやん(*^o^*)
Sだ絶対☆