(④~)
大切な患者の命を何だと思ってるんだ…なことをして、ユナクを陥れて後継ぎになろうとしたとんでもないユナクのいとこは、看護記録から処方箋のすり替えかなんかがバレて逮捕されてしまいます。
失った病院への信頼を取り戻したい
この病院を立て直したい…ユナクは堅い意志を持つ。
…敷かれたレールをただ歩くだけでなく、自分自身の意志で道を進もうとするユナクさんは最強だった。
もうためらうつもりはないと、私への愛を真っ直ぐにぶつけながらも、
伝わってるかな僕の気持ちとちょっぴり心配もしたりして、
少し待ってくれないかとユナクさんは私に言った
すべてを片付けたら絶対に君を迎えに行くから
けじめを付けて君を幸せにできる男になって迎えに行くからと。
「もう充分すぎるくらい
素敵な私の大好きな人ですけど」
そう言う私に
その笑顔を独り占めにしに行くからねって…
ユナクさんの柔らかな唇が私の右頬に寄り道したかと思うと
ん?想像したよりも早く
私の唇に重なった…
それから数週間、
お父さんは日に日に良くなり私は一生懸命に働いてたてかえてもらった費用をすべて返した。
あれ以来ユナクさんとは会いもせず連絡も取っていなかったから
仕事終わったかな?
今日は夜勤かな?
そんなふうに仕事の帰り道ユナクさんの今を想像することだけが楽しみになっていた。
完全な「ユナクさん不足」…私はただもがいていた
会いたいなあ
会って話がしたいなあ
もうがまんの限界だけどユナクさんも同じ思いをしてるはず
何度も何度も…
堂々巡り…
…
…
「アフターにつき合ってもらえませんか?」
その声は確かにユナクさんだった。
ふいに話しかけられて驚く間もなく
ほぼ同時に腕にすっぽり包まれて私は軽くパニックになる。
私は今ユナクさん不足の堂々巡りの真っ最中だったのよ…
私は…私は…
会いたくて会いたくて
たまらなかったんだから!!
ユナクさん!!
ユナクさんユナクさんユナクさん
たくましい腕の中で
聞きたくてたまらなかった声を聞く。
「やっと病院のゴタゴタが落ち着いたんだ。だから君を迎えに来たよ」
うれしい。
うれしい…けど
ユナクさん、どうしてこんなに遅い時間なの?
ユナクさんは
どうしても私に
見せたいものがあると言う。
⑥(終)に続く