(⑤~)
案内したいところがあるんだと言って深夜のデートに連れ出された。
そこは病院の屋上
「とっておきの場所だよ
ここを君にどうしても
見せたかったんだ」
…そっと私の
肩を抱きながら。
信じられないほどの綺麗な夜景が目の前に広がる。街はまるで宝石箱のよう…
同じ感動を共有しながら
幸せすぎるユナクさんの話はやさしく続く。
「君が僕を怒ってくれたことを覚えてる?
君だけだったんだよ。あんなことを言ってくれたのは。あの時から君に強く惹かれたんだと思うよ」
そう言うとユナクさんは運命という言葉さえ使って私への溢れる想いを言葉にした。
キャバクラを辞めて病院で働いてくれないか
お父さんのそばに居られるよ…
いやそれより…
それより何より
そうすれば
僕が君のそばに居られるから
君のことは僕が幸せにしたいから、これからは僕のパートナーとしてずっといっしょにいてください。
…
涙が…宝石箱の中に私もユナクさんもいるんだって思った時から止まらない。涙でぐしょぐしょのまま
「私、ユナクさんのことが…」って
やっと口を開いたのに
それ以上は言えなかった…
ユナクさんの唇で塞がれてしまったから。
何度も交わす熱いKiss
Kissがこんなに甘いなんて。
唇が離れた時
ユナクさんは指で私の額にかかる前髪をそっとなぞりながら、
次に頬にも触れながら
「葉子さん、もう僕から離れちゃダメだよ」
そう言った。
こ~んなに大好きなのに離れるわけないって
私は抱きつく。
抱きしめられる。
「君に出会って僕は本当の愛を知ったんだよ。こんなに愛したいと思える人に出会えて幸せなんだ」
…もう一度愛おしそうに私の頬に触れながら。
大好きな人に愛されてるって感じられて私はすご~く幸せ。
幸せすぎてもう涙でユナクさんが見えないほど。
滲んだユナクさんがゆっくり近づいて来る。
「愛してるよ葉子」
囁くような甘い声が耳に届くと
そっとKissが落とされた
それから私たちは
何度も何度も
唇を重ね合った。
眼下には宝石箱のような夜景が広がる
私たちも宝石のひとつ
輝きを放ちながら
Kissは止まらなかった
求めるように
捧げるように
END