(③~)
ホテルのエレベーターでソンジェさんは昨日とは違う階のボタンを押した
「今日は部屋を変えてもらったよ」
最上階のスイートルーム…
さっき電話で頼んでおいたんだ~って。もうムリしないでって言ってるのに。
クリスマスディナーはルームサービスで。
極上の場所には極上の時間が約束されていて
私は極上の相手と極上の感情を共有する喜びに浸り慈しむ…
まずはプレゼント交換
クリスマス市で
プレゼントを選びっこした。ソンジェさんからの提案で。
私からはドイツワインとクリスマスカードを。
ソンジェさんからは赤いリンゴのキャンドルと
かわいいマトリョーシカを…ピンクの頬が私に似てるんだそう。
「ソンジェさんと一緒だからいつも頬がピンクなんですよ」
いつも幸せで楽しくて
ちょっと恥ずかしくて
「えっ?そうなの?」
って言った後
私の顔をうれしそうに見る。そしてピンクのところを探してやさしいKissをした。
「とても幸せ」
溢れて言葉になる。
「幸せというにはまだ早いよ」
…プレゼントはもうひとつあるんだ。
そう言うとソンジェさんは静かに立ち上がって、
リンゴのキャンドルに灯りを灯し、部屋のすべての電気を消した。
じゃ 葉子のために
クリスマスコンサートを始めます。
…歌声だけが響く部屋で
キャンドルの炎が
ソンジェさんの吐息でかすかに揺れた。
とびきり甘いラブソング
とびきり甘い歌声と
とびきり甘いソンジェさんのすべてに包まれて
私の涙腺はついに崩壊してしまう。
…
ソンジェさんの甘さは
尋常じゃないんですよ。
誘惑されちゃうんですよ。脳裏に焼き付いて離れなくなってしまうんです…
この現象を
光化門ショックとも言いますm(_ _)m
気持ち良さそうに歌い終えると私の前に跪き
薬指に指輪をはめた。
「インカローズだよ。永遠のパートナーにめぐり逢わせてくれる魔法の石なんだ」
これからも永遠に
俺の側にいてくれる?
バラ色の人生という意味を持つというインカローズ…
私の頬は今きっとこの色をしてるはず
私が頷いた後のKissは
はじめから濃厚で
甘い予感にクラッとくるほど。
なのに唇が離れた時
ソンジェさんは
「これからどうしよっか」
なんていう。
⑤(終)に続く☆