②~
ジヒョクくんはいきなり
私を抱きしめた。
「撮影中に倒れたって聞いて心配で心配で…
ごめん、俺のために葉子ムリしてたよね」
ジヒョクくんの声は涙でかすれている。
平気だよ。ジヒョクくん心配しすぎ…
言いかけて遮られる。
「葉子のばか!!」
ジヒョクくんのこんなに強い口調は初めてで驚いたけど、私のことを心配してくれてることが痛いほど伝わってきて胸がいっぱいになった。
実際私は、仕事に穴を開けたことばかりが気になって情けなくて、
ゆっくり体を休めなきゃとは思っていなかったから。
ジヒョクくんから
「もっと自分を労って」と言われて…
「俺のためにもっと自分を大切にしてほしい」と泣かれて…
初めて私は自分に休むことを許した。
ご飯食べれる?
ジヒョクくんが作ってくれるという。
ジヒョクくんは私のことがこの世で一番大切だと言った。
作ってくれた温かいうどんを食べながら
私もあなたが一番大切…
心の中でそっとつぶやく。
柔らかくなった私は
お皿を片付けてくるねと立ち上がったジヒョクくんのシャツの裾を引っ張って行っちゃやだと甘えた。
こんな葉子はめずらしいねと言いながらも
うれしそうに私の横にすべり込みすっぽり私を抱きしめる。
ジヒョクくんは私が寝付くまで側にいてくれた。
ジヒョクくんの手厚い看護のおかげで私は日に日によくなって…
気づけばジヒョクくんの体はかなり引き締まり
フェイスラインもスッキリいいカンジ。
気づけば明日はバレンタイン。ダイエット中でも大丈夫なチョコをあげたいなあ…
バレンタイン当日
朝、内緒で作ったチョコを寝ぐせがついたままの
起きたてのジヒョクくんに渡した。
手のひらサイズのハート型のチョコは、見た目にはわからないちょっとしたしかけがしてある。
「!!??」
中が空洞になっているチョコにジヒョクくんは想像以上に驚きながらも
ダイエット中でも大丈夫と喜んで…
「この中にはきっと愛がいっぱい詰まってるんだね~俺は幸せものだ」と
しみじみ言った。
「葉子も食べてみて」
チョコを差し出される。
パクっと食べると反対側を同時にかじったジヒョクくんとあっという間に唇が触れた。
「葉子のことも食べたくなっちゃったからさ、つい」
ジヒョクくんはすごく照れてる(*^^*)
いつも俺のこと考えてくれてありがとう
私の方こそ
いつもありがとう
④(終)に続く☆